《ら》
『ライフ・イズ・カラフル 未来をデザインする男ピエール・カルダン』(原題:House of Cardin)
2019年のアメリカ/フランス作品。
失礼ながらまだご存命なのかと驚いていたら、昨年末に98歳でお亡くなりになったのですね。
ばりばりフランスのイメージですが、彼はイタリア出身。
別名というべきか本名というべきか、元の名はピエトロ・コスタンテ・カルディン。
世界に羽ばたくためには世界中の人が言いやすい名前にしなきゃと、
自ら「カルダン」を名乗ったという冒頭の話がすでに面白い。
彼が発案したファッション以外の商品デザイン、たとえばミネラルウォーターのペットボトルなんてのも。
100歳目前ですっかり好々爺の風情だけど、若かりし頃の颯爽とした姿とコレクションを堪能しました。
《り》
『リバーランナー:奔流をゆく者』(原題:The River Runner)
2021年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
カヤッカーのスコット・リンドグレンの20年間を追ったドキュメンタリー。
リンドグレン兄弟がまだ幼かった頃に両親は離婚。
母親と共に兄弟が暮らしたのは治安のいいとは言えない地域。
楽な生活ではなく、日々に楽しみも見出せずにいた彼らが出会ったのはカヤック。
それを職にした兄スコットは、すぐに伝説の存在に。
川の
エベレストと呼ばれるチベットのカイラス山から流れ出る4本の急流を制覇するのが彼の夢。
ところがあるとき脳腫瘍に冒されていることがわかります。
カヤックを諦めかけた彼が、若いプロカヤッカーたちから誘われて、
最後の1本であるインダス川を一緒に下ることに。
こんなことに挑戦するなんて人間じゃない(笑)。ただただビックリ、感動的。
これはぜひとも劇場で観たかった。エンドロールも最後まで観るべし。
《る》
『ルリ:心が聴こえる』(原題:Lulli)
2021年のブラジル作品。Netflixで今週配信開始になったばかり。
医大生のルリは同級生の恋人ディエゴや親友ヴァネッサと共に
研修医に。
ようやく叶う夢、理想どおりの人生に幸せを感じていたが、
ディエゴの話をちっとも聴こうとしなかったせいでフラれてしまう。
しかもディエゴは指導医のパオラとやけに親しいのが腹立たしい。
研修が始まってまもなく、患者の検査中にシステムに異常が起こり、
勝手な行動に走ったルリと、その巻き添えを食らったディエゴが感電して意識を失う。
目覚めたルリは、身体の一部が触れた人の心の声を読めるようになって……。
主演のラリッサ・マノエラはたいして可愛くもないし(失礼ですみません(^^;)、
感電するまではものすごくいけ好かん女子なんです。
こりゃハズレやなと思いましたが、心の声が読めるようになってからは良かった。
そんな能力があってもなくても、人の気持ちはよく考えろってことですね。
《れ》
『レストア計画:人生版』(原題:Blueprint to the Heart)
2020年のカナダ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
元カレがプロデューサーを務める“レストア計画”というTV番組を担当することに。
視聴者のリクエストに応じて家を素敵にリノベーション番組。
日本でいうなら“大改造!!劇的ビフォーアフター”ですね。
その番組で出会ったのは職人のブルックス。
気は好さそうだが野暮ったく、信じられないミスもやらかすから、組むのは御免被りたい。
ちょうどその頃、番組の視聴率が下がり、上司から方向性の変更を言い渡される。
しかも、番組でブルックスの失態を見た上司はそれを気に入ったらしく、
彼のドジなところが視聴者にも好意的に受け入れられているらしい。
番組ではブルックスの家をリノベすると共に、彼自身をも変身させようとして……。
男性版『プリティ・ウーマン』(1990)とのキャッチコピー。
と言っても、ローラ・ミッチェル演じるティファニーは富豪じゃないしなぁ。
《ろ》
『ロンドン釘爆弾事件 殺人捜査録』(原題:Nail Bomber: Manhunt)
2021年のイギリス作品。Netflixにて配信。
1999年にロンドンのブリクストンで発生した
爆破事件を取材したドキュメンタリー。
その見た目「如何にも」な爆弾には釘が仕込まれていて、
爆発すると軌道上にあるものすべてを貫通。驚くべき殺傷力を持っていたそうです。
1度目は奇跡的に死者は出ませんでしたが、赤ちゃんの頭に釘が刺さったりも。
覆面インタビューに答えるのは、本件の犯人特定に協力した男性。
かつて洗脳されて
極右組織に存在していたこの男性は、犯人が極右思想を持っていること、
狙いは世界に争いを起こさせることだと見抜きましたが、
警察は本件が
人種差別思想に起因するものだとはなかなか認めようとしません。
ヒトラーの信奉者って、今後もどこかに存在し続けるのだろうかと思うと恐ろしい。
「世の中には悪人より善人のほうが多い。だから、憎悪は絶対に勝てない」。