『グッドバイ、バッドマガジンズ』
監督:横山翔一
出演:杏花,ヤマダユウスケ,架乃ゆら,西洋亮,山岸拓生,菊池豪,
岩井七世,春日井静奈,カトウシンスケ,グレート義太夫他
シネ・リーブル梅田にて、前述の『ピンク・クラウド』の次に。
出版関係の会社が舞台の物語が大好きです。
本作は成人雑誌、いわゆるエロ雑誌業界が舞台。
脚本を担当した宮嶋信光は実際に編集者だった時代があるそうで、
横山翔一監督との出会いによって実現した映画の企画とのこと。
大学の先輩・伊勢崎義一郎(カトウシンスケ)の紹介で、伊勢崎が勤める出版社に就職する。
それがまさに『GARU』を発行する会社で嬉々とするが、なんと『GARU』は休刊に。
詩織が配属されたのは、男性向け成人雑誌の編集局。
憧れていた世界とはまるで違う職場に愕然とする詩織だったが、
女性編集長・澤木はるか(春日井静奈)や元AV女優の作家・あさひなハル(架乃ゆら)と話すうち、
この仕事と真剣に向き合うようになり……。
そういえば、コンビニの雑誌コーナーで男性が立ち読みしている光景を
最近見かけないことに本作を観て気づきました。
観て納得、東京オリンピックの開催決定後、日本のイメージが悪くなっては困ると、
コンビニに成人雑誌を置かなくなったのですと。
まずはミニストップがやめ、続いてファミマ、ローソン、セブンイレブンの順で
次々と成人雑誌がコンビニから姿を消してゆきました。
しかし個人経営の商店では、なんだかんだで需要がある。
エロ雑誌だけ購入して帰ってゆくおじいちゃんもいるし、
漁師たちが立ち寄る港町では、長く漁船に乗る間にそういう雑誌も必要。
だから、まだまだ置いている店はあるんですね。
最初は右往左往していた詩織が、1年も経つとシュッとキャッチコピーが出てくるようになる。
後から入社した男性が何と書けばいいのか困っていると、
「字数を稼ぎたいならズブズブとか擬態語を入れるといいよ」とか、「和同開チン」とか、
戸惑っていたウブな彼女が嘘みたいなほど、言葉があふれ出てきます。
平日の晩でしたが結構な客の入りで、大半が男性。
途中で客みんなにウケまくっている台詞なんかもありました。
鑑賞後に調べてみたら、架乃ゆらとジューン・ラブジョイは現役のAV女優なのですね。
彼女たち目当てで来られていた方も多いのでしょう。
この日の客席の雰囲気は、『青春100キロ』(2016)を観たときにも似ていました。
劇場からしてあれほどマニアックではないけれど、すごく楽しかった。
エロだからって女性がスルーするのはもったいない。