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『憐れみの3章』

2024年10月10日 | 映画(あ行)
『憐れみの3章』(原題:Kinds of Kindness)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,ジェシー・プレモンス,ウィレム・デフォー,マーガレット・クアリー,
   ホン・チャウ,ジョー・アルウィン,ママドゥ・アチェイ,ハンター・シェーファー他
 
前述の『傲慢と善良』を観た後、109シネマズ大阪エキスポシティから109シネマズ箕面へ移動して。
 
イギリス/アイルランド作品で、監督はギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス
『籠の中の乙女』(2009)を観たときにこの監督は絶対に変人だと思いました。
『ロブスター』(2015)でやっぱり変人だと思い、『女王陛下のお気に入り』(2018)はグロさ控えめ。
今年公開で批評家から絶賛された『哀れなるものたち』は変だけど相当面白かった。
 
そして本作。どうですか。もうどうしてよいかわからないほどの変人ぶりを発揮しています。
変態を自認する人は観に行けばいいと思うけど、そうじゃない人には鑑賞をお勧めしません(笑)。
 
もはやランティモス監督作品の常連となったエマ・ストーンウィレム・デフォー
常々マット・デイモンを不細工にしたみたいな顔だなと思っているジェシー・プレモンス
アンディ・マクダウェルの娘マーガレット・クアリーは普通路線を行く美人女優だと思いきや、きっと本作で変態の仲間入り(笑)。
よくは知らないけれどどこかで見たことはある演技達者な顔ぶれが3つの章で別のキャラクターを演じています。
 
以下、ネタバレ全開です。
 
第1章は、上司(ウィレム・デフォー)にすべて支配される男(ジェシー・プレモンス)が主役。
妻(ホン・チャウ)となる女性に声をかけたのも、夫婦の間に子どもをつくらなかったのも、
妻とのセックスも日々の食事も何もかも、上司が指示するとおり。
ついには上司からある車に衝突して運転している人物を殺害するように言われます。
1度目の衝突では相手は死なず、再び試みるように上司から命じられて断ると、解雇を言い渡されます。
街角で見初めた女性(エマ・ストーン)が自分の代わりに上司からのミッションを果たそうとして失敗したのを知り、
入院中で意識不明のターゲットを外へ引っ張り出して轢き殺します。
 
第2章は、海で行方不明になった妻(エマ・ストーン)が生還して喜ぶも、
どうも顔が同じだけの別人に違いないという疑惑に駆られる警察官の夫(ジェシー・プレモンス)の話。
夫が好きな曲を間違えたり、チョコレートは嫌いだったはずなのに冷蔵庫のチョコレートを全部たいらげたり、
とにかくこれは絶対に俺の嫁じゃないと思い込みます。
虐げれば白状するだろうと、妻に自身の指を切り落としてそれとカリフラワーと共に炒めろと命じる。
その通りにする妻が痛々しいのなんのって。
夫の要求はさらにエスカレートして、最後は妻が自分の肝臓を包丁で取り出すという。(T_T)
 
第3章は、亡くなった人を生き返らせる能力を持つ人物を探しつづける女性(エマ・ストーン)が主役。
それもこれもカルト教団の教祖夫妻(ウィレム・デフォー&ホン・チャウ)のため。
終盤、ようやく見つけた獣医(マーガレット・クアリー)がまさしく探していた人物で、
薬を持って彼女を拉致し、教祖夫妻のもとへ連れて行こうとするも、よそ見運転で事故を起こす。
結果、後部座席で眠らされていた獣医はフロントガラスを突き破って死亡というオチで。
 
グロさはかなりのもので、観ていて楽しい話ではありません。
老体ウィレム・デフォーのヌードなんて見たくないし、彼とエマ・ストーンのキスシーンにはオエーッ。
 
これをスタイリッシュというのかどうか。
まったく、この監督の頭の中はどうなっているのかと思います。
それを観て絶賛する人の頭の中もどうなっているのか。(^^;
 
165分の大長編。ところどころ居眠りしましたが、ほぼ起きていられたのが不思議。
やっぱり面白いということなのでしょうか。好きではないですけどねぇ。

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