『サウンド・オブ・フリーダム』(原題:Sound of Freedom)
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
出演:ジム・カヴィーゼル,ミラ・ソルヴィノ,ビル・キャンプ,エドゥアルド・ベラステーギ,ハビエル・ゴディーノ,
ホセ・ズニーガ,クリスタル・アパリチ,ルーカス・アヴィラ,スコット・ヘイズ,カート・フラー他
よしもと漫才劇場となんばグランド花月をハシゴする前にTOHOシネマズなんば別館で映画を観る。
そんな話題作とは知らず、劇場に着いてからチケットを買えばいいよねと思いつつ、
家を出る前に混雑状況をなんとなく確かめたら、やばい、8割方席が埋まっているではないですか。
慌てて貯まったポイントを使ってオンライン購入。
国際的性犯罪から少年少女を救い出すために戦う実在の人物ティム・バラード。
2013年に彼が挑んだあまりに過酷なミッションを描いています。
金はなくとも穏やかな毎日を送っていたが、あるとき、娘ロシオの歌声を聞いたという女性ジゼルがやってくる。
ジゼルはロシオをスター発掘のオーディションに連れて行くべきだと言い、ロシオ自身も乗り気。
娘の喜ぶ顔を見ては断れず、その場にいた息子ミゲルも一緒にオーディション会場へ行くことに。
会場となっている建物の部屋は保護者の立ち入り厳禁で、晩に改めて迎えに来るよう言われる。
言われたとおりの時刻に迎えに行ったところ、何十人もいたはずの子どもはひとりもおらず、部屋はもぬけのから。
オーディションなど嘘で、子どもたちが拉致されたうえに売り飛ばされたことに気づく。
こういった犯罪を追っていたDHS(アメリカ合衆国国土安全保障省)の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、
児童買春のサイトの管理者を見つけ、顧客の数百人を捕まえることに成功。
しかし、買い手を何人とっ捕まえようが、子どもたちはひとりも救えていないのが実情。
そこで上司を説得してアメリカから単身で飛び出すと、事件の温床となっているコロンビアに潜入。
地元警察に勤める旧知の警察官ホルヘ(ハビエル・ゴディーノ)と、
彼から紹介された元マフィアのヴァンピロ(ビル・キャンプ)の協力を得る。
友人の若手実業家パオロ(エドゥアルド・ベラステーギ)に連絡を取ると資金提供を頼み、
ペドファイル(小児性愛者)を一所に集めるため、ホテル建設まで検討するのだが……。
世界で数百万人の子どもたちが毎年行方不明になっているとのこと。
単純に働き手として誘拐される場合もあれば、本作のように性奴隷として買われる場合もある。
たまたまティムが最初に救出したのがミゲルで、心身ともに傷を負ったミゲルは、
「お姉ちゃんを助けてほしい」とティムに訴えます。
ペドを何百人も逮捕したのだからお手柄だし役目はじゅうぶん果たしたという上司に、ティムは言います。
拉致されたのが自分の子どもでもそう言えるかと。
そして、「この仕事は心が折れる。けれど子どもたちの救出は折れた心を元に戻してくれるんだ」と。
ヴァンピロは訳ありの元マフィアですが、児童買春に心を痛め、子どもたちを買っては解放しています。
そんなことが知れたら潰されるから、自分もペドのふりをしてこっそりと。
良心を持つ人が協力すれば、なんとかなることもあるのだと思わされます。
子どもたち全員は救えないとしても、まずは目の前にいる子どもをひとりだけでも。
余談だけど、久しぶりに見たジム・カヴィーゼルがとてもかっこよかった。その妻役のミラ・ソルヴィノも美しい。
こんな現実があることを本作を観てできるだけ多くの人に知ってほしい。