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『Winny』

2023年03月18日 | 映画(あ行)
『Winny』
監督:松本優作
出演:東出昌大,三浦貴大,皆川猿時,和田正人,木竜麻生,池田大,阿部進之介,
   渋川清彦,田村泰二郎,渡辺いっけい,吉田羊,吹越満,吉岡秀隆他
 
TOHOシネマズ梅田にて、前述の『逆転のトライアングル』とハシゴ。
 
予告編を観たとき、面白そうだけど胡散臭いと思っていました。
でもどうやらそれは私の思い込みだったようです。
 
天才プログラマー・金子勇氏が開発したファイル共有ソフト“Winny”にまつわる実話に基づく。
何かのソフト開発者が逮捕されたと聞くと、ろくでもないソフトだとばかり思っていた自分を恥じます。
 
東京大学特任講師だった金子勇(東出昌大)は、幼い頃からプログラミングに興味を持ち、数々のソフトを開発。
そのうちのひとつがファイル共有ソフト“Winny”。
著作権の侵害をするつもりなど毛頭なく、むしろ日本のことを思って開発したソフトだったが、
その利用者の一部がWinnyを用いて映画やAVを販売し、逮捕される。
 
たとえばナイフで誰かを刺し殺したとして、刺殺犯は逮捕されるが、
ナイフを作った者が逮捕されることなどありえない。
それと同じことで、ソフトの利用者が逮捕されることはあっても、開発者は逮捕されないだろう。
もしも開発者が逮捕されたら弁護する、そう言っていた弁護士・壇俊光(三浦貴大)。
ところが、まさかの金子逮捕に壇は弁護せざるをなくなり……。
 
すっかり干された感のあった東出昌大。
もともと演技が上手いとは思えませんでしたし、声もなんだか好きになれなくて、
干されようがどうなろうがどうでもいい役者というのが私の認識でした。
 
だけど本作でちょっとイメージが変わりました。
その昔、男前なだけだった真田広之が、葉月里緒奈に骨抜きにされてどん底へ。
イメージ急降下した後に出てきたときに、汚らしくなっていたおかげで役者としては良くなった。
それとこの東出昌大は少しだけ似ています。
なんだ、こんなコンピュータオタクの純真な男の役ができるんだ、そんな感じ。
 
まるでテロのように言われたWinnyだけど、開発者には微塵もそんな意図なし。
こんなことをしていては、日本から画期的なソフトは生まれない。開発者も潰される。
金子氏が裁判で動けずにいる間にYouTubeが現れたとは。
早世してしまった金子氏のことが残念でなりません。空の上で何を思う。

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