夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

2017年05月21日 | 映画(か行)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(原題:Guardians of the Galaxy Vol.2)
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット,ゾーイ・サルダナ,デイヴ・バウティスタ,マイケル・ルーカー,
   カレン・ギラン,ポム・クレメンティエフ,エリザベス・デビッキ他
声の出演:ヴィン・ディーゼル,ブラッドリー・クーパー他

とっても楽しかった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)の続編。
だけど2年8カ月も経つと話を忘れてしまいます。
前編の自分のレビューを読みながら、そんな話やったかなぁと(笑)。

監督は引きつづきジェームズ・ガン。脚本もご自分で。
前作のほうがテンポが良かった気もするけれど、
睡魔に襲われることはないし、笑えるし、ホロリと泣けるし。
だいぶん贔屓目が入って私は大好き。(^O^)

同じ刑務所に収監されたのが縁で仲間となり、なんだかんだで活躍。
銀河を守る“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”と呼ばれるようになった5人。
リーダーは、地球人とエイリアンのハーフ、ピーター。
緑色の暗殺者、ガモーラ。巨体のドラックス。
悪知恵の働く、喋るアライグマのロケット。
ロケットの相棒で樹木型ヒューマノイドのグルート。

5人はソヴリン人アイーシャの依頼で、
彼女たちが重宝している電池の施設を宇宙怪獣から守る仕事を引き受ける。
見事に怪獣を倒したピーターたちに報酬として差し出されたのは、
ソヴリン人に監禁されていたガモーラの妹ネビュラの身柄。
いがみ合ってきた姉妹だから、それは感動的な再会などではなく、
お尋ね者のネビュラを突きだして報奨金を手に入れる予定。

ピーター一行が宇宙船ミラノに乗り込んで立ち去ろうとすると、
なぜかソヴリン人から総攻撃を受ける。
ロケットが電池をいくつかくすねていたのがバレたのだ。
慌てて追っ手をかわそうとするピーターたち。
絶体絶命の危機を迎えたところ、通りかかった見知らぬ男に救われる。

男はなんとピーターの父親エゴを名乗り、自分は神だと言う。
数百万年の時を生き、自身を惑星に進化させたのだと。
これを永遠不滅のものにするにはピーターの力が要ると言い……。

電池を盗んだことでソヴリン人から命を狙われ、
アイーシャから仕事を請け負った一味からも追われ、
ネビュラは逃げようと暴れ、あっちもこっちも大変。

今回、ピーターより活躍するのはロケットとヨンドゥという男。
前作のレビューをお読みいただければわかるとおり、
ヨンドゥは幼き日のピーターを誘拐して育てた張本人。
こいつが良い奴か悪い奴かが最初はわからず、
ほとんどカメオ出演ぐらいの出番のシルヴェスター・スタローンに罵倒されます。
途中で死んでしまう役回りなのかと思いきや、泣かされてしもたがな。(;_;)
キツネだとかドブネズミだとかゴミパンダなどと言われるロケットと絶妙の息。

エンドロールのお遊びも楽しい。
クレジットのあちこちに“I AM GROOT”の文字が隠されていて、
そこが反転してスタッフ名に変わるという凝りかた。

まだ続編をつくるつもりらしいです。
はい、次も観に行きます。

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『帝一の國』

2017年05月19日 | 映画(た行)
『帝一の國』
監督:永井聡
出演:菅田将暉,野村周平,竹内涼真,間宮祥太朗,志尊淳,千葉雄大,
   永野芽郁,榎木孝明,山路和弘,真飛聖,中村育二,吉田鋼太郎他

前述の『追憶』に幾分、いや大分ガッカリしながら、
実は上映終了時間(10:50)と開始時間(10:40)が10分もかぶっていた本作を。
『追憶』は原作を読んだ時点でエンドロール後に何もないと踏み、
ほならエンドロールが回りはじめた瞬間に出れば、
本作の本編開始にはじゅうぶん間に合うと考えたのです。で、そのとおり。

泣けると期待していた『追憶』がまったく泣けなかったのに対し、
まさか泣くところがあるとは思わなかった本作でちょっぴり涙。
熟年どころか今にも倒れそうな人が多い客層だった前者。
後者のこちらは大半が女子高生。三回りか四回り違いそう。

古屋兎丸の同名漫画を実写映画化。原作を読んでみたいです。
監督は『ジャッジ!』(2013)、『世界から猫が消えたなら』(2016)の永井聡

超名門校、海帝高校に首席で入学を果たした赤場帝一(菅田将暉)。
父親(吉田鋼太郎)は通産省官僚、母親(真飛聖)はピアニスト
幼い頃はピアノを弾くのが大好きだった帝一だが、
ある日突然、父親の言うとおり、海帝高校を目指すように。

もはや帝一の夢は総理大臣になること。
海帝高校で生徒会長を務めた者は将来の内閣入りを確約されたも同然。
総理大臣になるには何が何でも生徒会長にならねばならない。
2年後にそうなるためには、今から根回しをしておく必要がある。

成績優秀、品行方正な者が教師の指名を受けて、各クラスのルーム長になる。
きっちり1年1組ルーム長の座におさまった帝一は、
副ルーム長に親友で情報収集能力の高い榊原光明(志尊淳)を指名。

同じ1年生のうち目下のライバルは、まずは2組ルーム長の東郷菊馬(野村周平)。
菊馬とは親同士もライバルで、かつての生徒会長選では
帝一の父親が菊馬の父親に1票差で負けたという経緯がある。
それゆえ、菊馬には絶対に負けたくない。

もうひとりライバルと思われるのは、6組ルーム長の大鷹弾(竹内涼真)。
といっても弾には人と張り合う気などまったくなく、絵に描いたような好青年。
家は貧乏でたくさんの弟妹を抱え、働く母親に代わって弾が面倒を見ている。
そんなに貧しくてなぜ海帝へ入れたのかと思ったら、
あまりに勉強ができるものだから、教師の勧めで奨学金試験を受けたら通ったと。

彼らは揃って各学年各クラスのルーム長および副ルーム長で構成される生徒会に出席。
次期生徒会長として有望視される2年生のうち、誰につくかを帝一は見極める。
生徒会長候補は氷室ローランド(間宮祥太朗)と森園億人(千葉雄大)。
帝一は光明が入手した情報を精査し、ローランドにつくことを決めるのだが……。

若い子ばかりだから最初は気づきませんでしたが、
振り返ってみれば母親以外に女の子はほとんど出てこない。
紅一点が帝一の幼なじみ、白鳥美美子役の永野芽郁ちゃん。カワイイ。

まずまず笑って、こんなもんだろうと思っていましたが、不意打ちを食らいました。
なぜ帝一が総理大臣を目指すのか。自分の「くに」をつくろうと思ったのか。
これが明かされるシーンでそういうことだったのかと涙。
が、いい話として終わることはなく、最後のひと言が利いていてまたニヤリ。

大阪・北摂の星、菅田くんもいいけれど、
タイプでいえば私はやっぱり竹内くん。あ、どうでもいいですね。すみません。(^^;

想定外の涙で楽しさUP。

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『追憶』

2017年05月17日 | 映画(た行)
『追憶』
監督:降旗康男
出演:岡田准一,小栗旬,柄本佑,長澤まさみ,木村文乃,矢島健一,北見敏之,
   安田顕,三浦貴大,渋川清彦,りりィ,西田尚美,安藤サクラ,吉岡秀隆他

GW最終日、午後2時から箕面のメイプルホールで
マンドリンサークルのコンサートを聴く予定。
その前にTOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴ。

あと3カ月ほどで83歳になる降旗康男監督と
昨年喜寿をお迎えになった木村大作カメラマンの御大コンビ。
このコンビの代表作は『駅 STATION』(1981)や『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)など、
高倉健とは切っても切れない仲。
健さんの最後の出演作となった『あなたへ』(2012)も降旗監督でした。
一方の木村カメラマンは吉永小百合主演の『北のカナリアたち』(2012)も担当。
これを大御所と言わずしてなんとする、というようなコンビです。

岡田くんは健さんになれるのか、そもそもなりたいのかどうかは別として、
そんな監督が主演に据えたのですから、すでに認められているのでしょう。

さんざん予告編を観て良さそうだと思ったので、先に原作を読みました。
そのときの私が“ブクログ”に書いたレビューはこちら

著者は脚本家で、これが小説家としてのデビュー作。
鳴り物入りのデビューなわけですが、
これがオリジナル小説というよりはノベライズを読まされたような印象で。
真犯人なんて、いったいいつの時代のミステリーかと思うほどのショボさ。
しかしこれがこのキャストで映画化されたら私は泣くと思ったのですけれども。
……全然泣かれへんかったやんか(泣)。

原作の舞台は北海道だったのに、映画版ではなぜか北陸に。
29年前の話は若干前倒しになって25年前の話に。
事件が起きたのは夏の終わりのはずが、映画版では雪が舞う冬。
物語としての厚みのなさをカバーするために
背景を暗くして重さをプラスしました、みたいな感じ。
そんなことしたって厚みは変わらないんだってば。

少年時代のアツシ(岡田准一)、ケイタ(小栗旬)、サトシ(柄本佑)の身に起きたことが
原作ではずいぶん先まで伏せられて進みますが、
映画版では冒頭ですべて見せています。
ゆえにネタバレにはならないでしょうから書いちゃいます。

家庭環境に恵まれなかった3人は、少年時代のある冬休みに家出。
海辺の喫茶店の女主人・仁科涼子(安藤サクラ)のもとへと転がり込み、
束の間の明るく穏やかな日々を過ごす。

ところが涼子のヒモだった男(渋川清彦)が所在を突き止めてやってくる。
笑顔の途絶えた涼子、怯える毎日に、アツシは男の殺害を決意。
殴打に失敗して逆に殺されかけたところへケイタが飛び出し、男を刺殺する。
涼子と店の常連客・山形光男(吉岡秀隆)は3人を追い出すと、
後のことは何も心配するなと告げ、涼子が罪をかぶる。

それから25年が経過。
刑事となっていたアツシは、ある日偶然サトシと再会。
妻(西田尚美)の婿養子に入ったというサトシは、
会社の経営が上手く行かず、金に困っている様子で、
ケイタに金を借りに行くのだと自嘲気味に笑う。

ところが翌日、サトシが他殺体となって発見される。
被害者と面識があることを上司(矢島健一北見敏之安田顕他)に言い出せぬまま、
アツシはケイタに会いに行くのだが……。

アツシの妻役に長澤まさみ、母親役にはりりィ
ケイタの身重の妻に木村文乃。サトシの義妹に菜葉菜

これだけ演技派の若手が揃っていれば泣くだろうと思ったら、
みんな大げさなうえに、ここで泣けとばかりの音楽。
真犯人が明らかになるきっかけは原作よりもっと茶番でガクッ。

ついでに、原作では「傘を差し掛ける」という行為が
大事にしたいことのひとつに考えられていたと思うのです。
だから涼子の喫茶店の名前も“アンブレラ”だったのに、
映画版ではそれすらも“ユキワリソウ”に変更されていました。

原作者本人が脚本原案も担当しているのだから、
設定は原作そのままにすればよかったのでは。
いずれにしても、厚みに欠ける原作を映画化してもあかんということかと。
しょぼい原作を面白く変身させた『疾風ロンド』(2016)が特異なのね。たぶん。

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『カフェ・ソサエティ』

2017年05月15日 | 映画(か行)
『カフェ・ソサエティ』(原題:Cafe Society)
監督:ウディ・アレン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,スティーヴ・カレル,クリステン・スチュワート,
   ブレイク・ライヴリー,コリー・ストール,ジーニー・バーリン他

前述の『ノー・エスケープ 自由への国境』とハシゴ。
同じくTOHOシネマズなんばにて。

しばらくシネコンで観るものがなくて、こどもの日に封切られたのがこの日の2本。
わぁ、観るものが来た!と、何も考えずに予約。
オープニングロールが回りはじめてすぐ、
あらら、これウディ・アレン監督だったのねと気づきました。

1930年代のハリウッドが舞台。

大物エージェントのフィル(スティーヴ・カレル)のもとへ、
ニューヨークに暮らす姉から電話が入る。
彼女の息子、つまりフィルの甥に当たるボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)が
ハリウッドで働きたいと言っているから面倒を見てやってほしいとのこと。

意気揚々とハリウッドに乗り込むボビー。
多忙を理由になかなかボビーと会おうとしないフィルと数週間後についに面会。
フィルは雑用係でよいならばとボビーを雇い、
秘書のヴォニー(クリステン・スチュワート)に街を案内させる。
ボビーは一目でヴォニーの虜になるが、ヴォニーには恋人がいると聞いてガックリ。
それでも事あるごとに彼女に声をかけ、約束を取り付ける。

その甲斐あってか、ヴォニーは恋人と別れ、ボビーとつきあいはじめる。
ところが婚約を交わしたあとにヴォニーは元カレとよりを戻し、
相手ととっとと結婚してしまう。

傷心のボビーはニューヨークに戻り、ギャングの兄が経営するナイトクラブの支配人に。
順調にクラブの売り上げを伸ばし、やがてセレブがこぞってかよう店になる。
女にも不自由しない生活が続いていたが、
ある日、彼の前に現れたのが奇しくも元カノと同じ名前の美女(ブレイク・ライヴリー)。
たちまち恋に落ちたボビーは彼女と結婚、娘にも恵まれるのだが……。

黄金期と言われた時代のハリウッド。
有名な俳優や映画の名前がポンポン出てくるのが楽しい。
普段着もよそゆき着も美しく、見ていて飽きません。

ただ、主役のジェシー・アイゼンバーグはどうなんでしょう。
単に顔が私の好みでないというだけかもしれないけれど、
私はミスキャストのような気がして仕方ない。
美女を揃えたのだから、もう少しイケメンに主役を張ってほしかったような。
いや、そんなイケメンでなくとも金と権力があればこんな暮らしができたということなのか。

ま、洒落ています。

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『ノー・エスケープ 自由への国境』

2017年05月13日 | 映画(な行)
『ノー・エスケープ 自由への国境』(原題:Desierto)
監督:ホナス・キュアロン
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル,ジェフリー・ディーン・モーガン,
   アロンドラ・イダルゴ,ディエゴ・カターニョ,マルコ・ペレス他

TOHOシネマズなんばにて。

2015年のメキシコ/フランス作品で、
第89回アカデミー賞外国語映画賞メキシコ代表作品がこのたび公開に。
トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を造ると言ったから
このタイミングで公開することにしたのかもしれません。

監督はアルフォンソ・キュアロンの息子、ホナス・キュアロン。
『ゼロ・グラビティ』(2013)では共同脚本を手がけたそうです。
今後が楽しみな監督となりました。
原題の“Desierto”の意味はスペイン語で「砂漠」。

アメリカへ不法入国しようとしているメキシコ人グループ。
仲介業者のトラックの荷台に潜んで入国するはずが、
トラックがオーバーヒートを起こして停まってしまう。
メキシコ人のひとりで整備工のモイセス(ガエル・ガルシア・ベルナル)がトラックの修理に借り出されるが、
部品がなければ直せそうにない。

一行を移動させなければならないアメリカ人ロボは、
仕方なく彼らをトラックから降ろすと、
この砂漠地帯にある国境を徒歩で越境する旨を伝える。
もしも人や車の気配を感じたら、すぐさま隠れるようにと指示をして。

真夏の砂漠。しかも史上最高の気温を記録しようかという日。
モイセスら15人のメキシコ人は、ロボを先頭に歩きはじめる。

有刺鉄線の張り巡らされた国境をくぐり、アメリカへと足を踏み入れる一行。
と、銃弾が飛んできて、まずロボが死亡。
彼に続いていた者も次々と撃たれて絶命する。

襲撃者はただひとりのアメリカ人サム(ジェフリー・ディーン・モーガン)。
移民を憎み、違法に国境を越える者を狩っているようだ。
彼の忠実な飼い犬トラッカーを使い、追いかけてくる。
先頭集団から幸いにして遅れを取っていたモイセスら数名が
とりあえずその場から逃げるが、サムはあきらめず……。

ちょっぴり『ドント・ブリーズ』(2016)を観たときと同じような気分。
あれほど怖くはないのですけれども、スリル満点。

『ドント・ブリーズ』は、逃げる若者に共感できず、
だからと言ってジジイがんばれと応援する気にもなれませんでした。
そこがまた面白くもあった。
その点が本作と似ているんです。
移民を殺していいわけはないのですが、モイセスたちを全面的に応援はできない。
サムも寂しい人のようで、彼が殺されるのもなんだか気の毒。
どっちにも肩入れしかねるようにつくられているといいますか、
人柄については言及せずにサスペンスに徹しているというのか。

いちばん可哀想だったのは犬のトラッカー。
こんなの絶対動物愛護団体からクレームが来る。(T_T)

残酷さでは『無限の住人』の上を行くかも。
痛いのが駄目な人はムリです。(^^;

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