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『アイミタガイ』

2024年11月15日 | 映画(あ行)
『アイミタガイ』
監督:草野翔吾
出演:黒木華,中村蒼,藤間爽子,安藤玉恵,近藤華,白鳥玉季,吉岡睦雄,
   松本利夫,升毅,西田尚美,田口トモロヲ,風吹ジュン,草笛光子他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで5回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』を観たあと、
109シネマズ箕面で21:35からの本作を観るべく移動。
 
中條ていの同名連作短編小説を『世界でいちばん長い写真』(2018)の草野翔吾監督が映画化。
彼は『九月の恋と出会うまで』(2019) の脚本家でもあります。
 
ウェディングプランナーの秋村梓(黒木華)は、恋人の小山澄人(中村蒼)との結婚を迷っている。
澄人はいい奴だが頼りない。だからというよりも、両親が離婚している梓は結婚したくないのだ。
そんな澄人のことを相談できる友だちはただひとり。
カメラマンとして活躍する郷田叶海(藤間爽子)で、いつも梓の想いに寄り添ってくれる得がたい親友。
 
ところがその叶海が海外出張中に事故に遭い、亡くなってしまう。
気持ちの整理をつけられずに、もうこの世にはいない叶海のスマホにLINEを送り続ける梓。
 
一方、叶海の両親は、ある児童養護施設から叶海宛てのカードを受け取る。
妻の朋子(西田尚美)は悪い冗談だと思い、不快感をあらわにするが、
夫の優作(田口トモロヲ)がその施設に連絡を試みると、所長の羽星勝(松本利夫)から折り返し電話がある。
羽星によれば、叶海は季節のイベント毎に施設を訪れ、子どもたちと交流を深めていたらしく……。
 
こんな話に加えてもうひとつメインとなるのは、梓のおばである稲垣範子(安藤玉恵)が絡む話。
訪問ヘルパーの範子が最近担当するようになったのは、独り暮らしの小倉こみち(草笛光子)。
上品だけど気難しげなこみちの機嫌を損ねて担当から外れるヘルパーがいたから、範子はドキドキ。
けれどこみちに気に入られて、こみちがかつてピアノを弾いていたことを知ります。
 
ここからどんどん人が繋がって行く。
範子が梓にこみちを紹介し、こみちがある会場でピアノを弾き、その会場にはまた別に繋がる人がいる。
澄人の電車の中でのおこないがどこに繋がっていたかがわかったときには泣き笑い。
タイトルの「アイミタガイ」とは、梓の父方の祖母(風吹ジュン)から聴く言葉。
「押しつけがましくないお互いさま」みたいなイメージが湧きました。
 
私もが亡くなってからいろいろな繋がりに恵まれ、救われました。
特に本作の舞台はかつて弟が住んでいたことのある桑名市だったため、余計に胸に響きました。
帰宅後、仏前に「桑名の話だったよ」と報告。弟に聞こえたかなぁ。

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