夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『まる』

2024年10月30日 | 映画(ま行)
『まる』
監督:荻上直子
出演:堂本剛,綾野剛,吉岡里帆,森崎ウィン,戸塚純貴,おいでやす小田,
   濱田マリ,柄本明,早乙女太一,片桐はいり,吉田鋼太郎,小林聡美他
 
109シネマズ大阪エキスポシティに行ったら客は私ひとりでした。
えーっ、堂本剛主演なのに? 綾野剛も出演しているのに? 荻上直子監督作品なのに?
わりと広めのシアターが割り当てられていたのに、今年9度目の“おひとりさま”
 
美大を卒業して画家になる日を待ちつつもまだ身を立てることは叶わない沢田(堂本剛)。
人気現代美術家である秋元(吉田鋼太郎)のアシスタントで生活費を稼いで4年。
同じくアシスタントの田中(戸塚純貴)は2日目にしてもう辞めたいとぼやいているし、
矢島(吉岡里帆)は秋元にアイデアをパクられ続けても文句ひとつ言わない沢田にモヤモヤしている。
 
ある日の仕事帰り、空を眺めながら自転車を漕いでいた沢田は転倒。
利き腕を骨折して秋元から解雇を言い渡される。
ぼろアパートの自室で1匹の蟻が這うのを目で追いかけ、ふと蟻を囲むように左手で「○(まる)」を描く。
金に困ると毎度立ち寄る古道具屋にその絵も持ち込むと、店主(片桐はいり)が怪訝な顔。
 
すると数日後、土屋(早乙女太一)という男が訪ねてきて、まるの絵を1枚100万円で買い取りたいと言う。
ただし、まるなら何でも良いわけではなく、土屋が認めたまるにだけ100万円払うと。
 
訳がわからず古道具屋を再訪すると、沢田のまるの絵を買って行った奴がいると言う。土屋だ。
さらには通りすがりの画廊にあのまるの絵が飾られているではないか。
画廊オーナーの若草(小林聡美)に自分が作者だと名乗ると、「さわだの○」がとんでもないことになっていると言われ……。
 
荻上監督の作品は基本的ほんわかゆるり。
そんな中でも白い荻上さんと若干黒い荻上さんがいらっしゃるように思います。
『かもめ食堂』(2005)や『レンタネコ』(2011)は白いけど、『波紋』(2022)は黒い。
この『まる』も黒いほうに感じます。
 
住んでいるアパートは傾いていて、それが脳波に影響を及ぼすのか眠れない。
隣室の横山(綾野剛)は明らかに精神に異常を来している様子で、ついには壁に蹴りを入れてぶち抜きます。
人の役に立つ人間になりたいのになれないんだとぼやく横山が「働かない2割の蟻」の話に対して、
沢田が2割の蟻も必要だと答えるのが印象的。
また、叶わない夢ならあきらめちゃいけないのかと話すのも印象に残っています。
 
骨折した沢田が繋ぎのつもりで始めたコンビニのバイト。
森崎ウィン演じるミャンマー出身のバイト青年の境遇もつらい。
それでも怒らず焦らず、何でも丸くと微笑む彼の姿が切ないです。
 
偉そうだったのに、沢田が売れ出すと急に態度を変える人々。
大家(濱田マリ)とか元同級生(おいでやす小田)とか。人間の「欲」って、なんと醜い。
一方、欲とは無縁に思える謎の先生(柄本明)の存在が面白い。
 
いろいろと考えさせられて結構面白かったけれど、人には薦めづらい作品です。
相当好き嫌いがありましょうし、なんと言っても客は私ひとりだったのですから。

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3回目の『JUNG KOOK: I AM STILL』はParty Edition版を。

2024年10月30日 | 映画(さ行)
ファンじゃなかったはずなのに、『JUNG KOOK: I AM STILL』を観たらジョングクが可愛くて仕方ない。
1回で済むどころかすでに2回観てしまい、ついには3回目。
 
この日は朝からが入所中の施設で秋祭りがあり、それを観に行く。
前日施設から徐脈だと連絡があっていよいよを追いかけるのかと思ったら回復。
「キミ(=私)以外はみんな先に死んじゃって、オレだけが残ってもったいない。
もういいと思っているのに」と涙ぐむ父でしたが、「あと3年は大丈夫だ」だそうです。(^^;
 
施設には“走るデパ地下”と銘打って阪急百貨店のスイーツ販売あり。
昔、父が四国へ出張するたびに買ってきてくれた母恵夢もあったから、
「お父さん、これいっつも買ってきてくれてたやつ」と言うと「おぉ、そうか。それにしよう」。
もっともその頃は今回買ったスイートポテト味なんてなかったですけどね。
家族の北海道旅行なども思い出しながら、柳月の三方六も購入しました。
 
父に「またね」と声をかけて109シネマズ大阪エキスポシティへ。
毎日出勤する万博記念公園ですが、休日は混むので近寄らないようにしています。
でもジョングク観たいし。満車の駐車場の列に並び、なんとか入庫。
 
2回目を観たときに、これまでに観たK-POPアイドルのドキュメンタリーでいちばん良いと思いました。
3回目を観たらさらにその思いは強まります。
ジョングクのソロアルバム“GOLDEN”に収録されている曲のステージを堪能できるほか、
彼の素顔、文字通りすっぴんのときの様子が収められているそのバランスがめちゃくちゃイイ。
ヘアメイクをほどこして色気あるイケメンの彼も良いけれど、
「12時間寝ました」と寝癖のついた状態の彼とか、ライブ後に布団に飛び込み、
その日の模様をスマホで見る彼を後ろから撮った図が最高。脚をパタパタさせていてめちゃカワイイ。
そんなこんなで、早く上映が終わってくれないと、また観に行ってしまいそうなんです。
 
ちなみに10月18日から公開されている“Party Edition”は本編終了後に約15分のオマケ映像付き。
ソロの曲のMVが何曲も映し出され、最後はBTSの“Euphoria”のMVで〆。お得感あるよ~。

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