マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

奈良豆比古神社花摘祭

2006年07月22日 09時11分13秒 | 奈良市へ
7月に入ると奈良豆比古神社で花摘祭が行われます。

花摘祭は別名”涼み”と呼ばれる行事で3日間(初日、中日、千秋楽)続けられます。

平成15年までは一週間続けられていましたが、勤め人が多くなり休暇を取得し辛くなったため、行事内容の簡易化に伴い日程も短縮されています。

稲苗の生育とともに水田に雑草がはびこります。

厳しい夏の暑い時期、雑草をこまめに刈り取りとると身体を休める野休めに入ります。

昔の花摘祭では祭事を終えると、身体を休めるため持ち込んだ枕と布団にもぐり昼寝をしたというが、今はカラオケなどの娯楽宴会に変わっています。

神前の左側には松とサカキを供え、茎軸を北方に向けたサカキの葉を入れたカワラケ皿を台の上に72枚並べ、ひと皿ずつ”神水(こうずい)”を注ぎます。

昼前に時太鼓の合図で老衆らが集まると、神職は無病息災や長寿を祈願します。

そして、宮司は次の時間がくると時太鼓を打ち鳴らします。

時太鼓は朝6時から2時間おきに午後4時まで打たれます。

前打ち2回、後打ちを3回打つと、次に時間を表わす回数を打ち続けます。

遠くまで聞こえる時太鼓は時間を知らせる合図でもあります。

カワラケ皿は時が経つにつれ神水が染み込んでなくなっていくので一日三回交換して足していきます。

太鼓を合図に一刻ごとに水を取り替える所作が花摘祭神事といわれ、野休めとする農事暦と一体化したものを考えられます。

時太鼓所作は見られませんが都祁上深川で行われる「ゲー」でも同じような意味合いや形態が残されており、興味がつきない祭事です。

(H18.7.8 Kiss Digtal N撮影)