サカキを奉って豊作を願う祈年祭(としごいのまつり)。
別称におんだ祭と呼んでいる山添村桐山和田に鎮座する戸隠(とがくし)神社で行われる。
神社境内に植生するサカキに稲籾を括りつけるのはオトナ衆の長老4人。
一年交替でサカキ作りの当番にあたる。
「戸隠大神」の版木を刷ってお札を作るのは丹生町の神職だ。
一枚ずつ刷って朱印を押す。
朱印は牛玉宝印ではなく「神代(かみよ)」。
アビル(阿比留)文字ともされる出雲の神代文字。
「漢字ができるまでの時代の文字は津島一族の阿比留文字。水や豊作を印す文字では」と神職は話す。
お札はオヒネリのような結びにして半紙に包んだ稲籾とともにサカキに括っていく。
桐山は18戸。その数を作るという手伝いの二人はドーゲ(堂下)さんだ。
豊作を願ったサカキのお札は苗代に挿す。
育苗に祈るミトマツリであるが、JAで買うようになってからは見かけることが少なくなったという。
祈年祭の神饌はオトナ衆の当番が納める。
ダイコン、ゴボウ、コンブ、リンゴにニミカンは里の恵み。
タイや2尾のサバは海の幸。
2尾あるのは御供番の2軒分だという。
大きな二段の重ねモチはオカガミサンと呼ぶ。
末社に供えられるのは折敷に盛った御供。
同じように二段重ねのオカガミサンがある。
オトナ衆の当番が2升、2臼も搗いたそうだ。
里の幸も同じだが、海の幸が異なる。
サイラと呼ばれているサンマの開きである。
そうして始まった村の豊作祭り。
初めに社務所でお祓いをする。
別室に設けられた祓戸の神さんに向かって拝する。
そこには「奉上延月九頭大明神社頭秘文御重坐所命々等・・・」の墨書文字がある。
戸隠神社はかつて九頭大明神社と呼ばれていた証しである。
戸隠神社の社務所には囲炉裏がある。
そこでは炭火を焼いていた。
その煙が漂う社務所。
神事はここから始まるのだ。
オトナ衆の前には火鉢も置かれて室内は温かい。
祓いの儀を済ませると献饌だ。
本社、末社などへ神饌、御供を供えて拝殿に登る祭りの衆。
霙(みぞれ)混じりの雨が降るなかの神事が始まった。
祝詞を奏上し玉串を奉奠されて豊作を祈った。
神事を終えて御供は社務所に下げられた。
直会を始めるにあたって囲炉裏番をするドーゲたち。
長老オカガミサンを両手切り包丁で切り分ける。
ヒラキのサバはアミに入れて炭火で焼く。
表、裏の両面をこんがりと焼く。
切ったモチも焼いていく。
そうした支度を経て円座になった祭りの衆。
オードブル料理とともに直会が始まった。
サバは焼津産。脂がのっている美味い讃だけにお下がりのお神酒がぐいぐいいくようだ。
(H24. 2.26 EOS40D撮影)
別称におんだ祭と呼んでいる山添村桐山和田に鎮座する戸隠(とがくし)神社で行われる。
神社境内に植生するサカキに稲籾を括りつけるのはオトナ衆の長老4人。
一年交替でサカキ作りの当番にあたる。
「戸隠大神」の版木を刷ってお札を作るのは丹生町の神職だ。
一枚ずつ刷って朱印を押す。
朱印は牛玉宝印ではなく「神代(かみよ)」。
アビル(阿比留)文字ともされる出雲の神代文字。
「漢字ができるまでの時代の文字は津島一族の阿比留文字。水や豊作を印す文字では」と神職は話す。
お札はオヒネリのような結びにして半紙に包んだ稲籾とともにサカキに括っていく。
桐山は18戸。その数を作るという手伝いの二人はドーゲ(堂下)さんだ。
豊作を願ったサカキのお札は苗代に挿す。
育苗に祈るミトマツリであるが、JAで買うようになってからは見かけることが少なくなったという。
祈年祭の神饌はオトナ衆の当番が納める。
ダイコン、ゴボウ、コンブ、リンゴにニミカンは里の恵み。
タイや2尾のサバは海の幸。
2尾あるのは御供番の2軒分だという。
大きな二段の重ねモチはオカガミサンと呼ぶ。
末社に供えられるのは折敷に盛った御供。
同じように二段重ねのオカガミサンがある。
オトナ衆の当番が2升、2臼も搗いたそうだ。
里の幸も同じだが、海の幸が異なる。
サイラと呼ばれているサンマの開きである。
そうして始まった村の豊作祭り。
初めに社務所でお祓いをする。
別室に設けられた祓戸の神さんに向かって拝する。
そこには「奉上延月九頭大明神社頭秘文御重坐所命々等・・・」の墨書文字がある。
戸隠神社はかつて九頭大明神社と呼ばれていた証しである。
戸隠神社の社務所には囲炉裏がある。
そこでは炭火を焼いていた。
その煙が漂う社務所。
神事はここから始まるのだ。
オトナ衆の前には火鉢も置かれて室内は温かい。
祓いの儀を済ませると献饌だ。
本社、末社などへ神饌、御供を供えて拝殿に登る祭りの衆。
霙(みぞれ)混じりの雨が降るなかの神事が始まった。
祝詞を奏上し玉串を奉奠されて豊作を祈った。
神事を終えて御供は社務所に下げられた。
直会を始めるにあたって囲炉裏番をするドーゲたち。
長老オカガミサンを両手切り包丁で切り分ける。
ヒラキのサバはアミに入れて炭火で焼く。
表、裏の両面をこんがりと焼く。
切ったモチも焼いていく。
そうした支度を経て円座になった祭りの衆。
オードブル料理とともに直会が始まった。
サバは焼津産。脂がのっている美味い讃だけにお下がりのお神酒がぐいぐいいくようだ。
(H24. 2.26 EOS40D撮影)