マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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別所町極楽寺お釈迦さん

2012年04月29日 06時24分55秒 | 奈良市(東部)へ
3月第一日曜に弓の的が行われた奈良市別所町の金刀比羅神社。

六社権現を祀る。

そこには神宮寺と思われる極楽寺がある。

昭和52年に県文化財に指定された本尊の木造阿弥陀如来坐像が安置されている。

ときおり寺を訪ねる人がいるという。

前もって参拝を願われる人には用意しておいたご朱印が授けられる。

地蔵菩薩立像と不動明王立像も配置したありがたいご朱印だ。

普段は一般公開をせず閉扉しているお堂。

厳重なセキュリティで守られている。



そのお堂の回廊に置かれていたヤマダケの矢と竹で編んだ的は弓の的行事の名残。

鬼の的は見られないが竹が残されている。

竹はウラとオモテを交互に編んでいる。

それを貰って帰る村人たち。

味噌とか醤油樽の上に置いておくと美味くなるという。

お札を括ったサカキもある。

それは行事に供えられた祈祷札でオンダ苗とも呼ぶが墨も朱印も滲んでいて判読できない。

「頭」の文字だけが読めた。

おそらく牛頭天王の文字ではないだろうか。

弓の的は最初に長老が矢を射る。

矢の数は12本。子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の方向を時計回りに射る。

それは12神。

最後に鬼の的を射るのだが、閏年は閏月があるだけに1本を増やすから一年の月数だ。

その様子は平成17年に拝見したことがある。

太鼓を打って長老から4人の当家衆に替わる。

それぞれが代わる代わるに鬼を射る。

それが弓の的の行事である。

それはともかくお堂には涅槃の掛け図が掲げられる。

めいめいは風呂敷包みを抱えてお堂に上がる。

中身は涅槃さん供えられる御供だ。

持参したお盆に乗せたまま供える。

数年前(5、6年)に表具した掛け図の前に供えてお堂に座る。



ローソクに火を灯すが村人は座ったままだ。

念仏を唱えるわけでもなく談話する。

温かいストーブがお堂を包む。

この日に集まった人は8人。

村の行事などを話している。

ひとときのお釈迦さんと呼ばれる涅槃会を過ごした人たちは供えたお菓子などを風呂敷に包んで持ち帰る。

御供のお下がりは家で食べるのだ。

(H24. 3.15 EOS40D撮影)