マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南六条南方の月参りの薬師さん

2013年06月17日 07時43分06秒 | 天理市へ
毎月第二日曜辺りに寄りあう婦人たち。

年齢は65歳以上になれば加わることができる長寿会の人たちだ。

実際は100人以上も会員であるが寄りあうのはいつも20~25人ぐらいになると云う天理市南六条町の婦人たち。

毎月の営みは元六条の呼び名がある南方の杵築神社境内にある薬師堂と観音堂である。

元柳生と呼ばれる北方には三十八神社境内に旧興蔵寺がある。

元六条の毎月の営みには当番が交替するが、薬師さん、観音さんにそれぞれがあたる。

営む時間帯はいつも同じの昼過ぎ。

自宅で昼食を済ませてから参る。

始めに参るのは薬師堂だ。

登る石段には滑らないようにドンゴロスを敷いた。

懐かしい名前のドンゴロスは麻製の袋。

今では袋としての利用はせずに、一枚に広げて敷布にしたドンゴロスの再利用である。

薬師堂の内部は狭い。

上がれる人も制限を受ける。

薬師堂の本尊は2体ある。

一つは厨子周りに一寸二分の薬師千体佛とともに安置する一尺二寸の木造薬師如来仏である。

もう一つは金銅仏である。

お堂は宝徳三年(1451)八月に再建されたと伝わる。

お花を飾ってローソクを灯す。

一人の導師が前に座って薬師さんに念仏を捧げる。



唱える念仏は「融通念仏宗在家勤行式」だ。

香偈、礼文、三礼、懺悔・・・・。

一節ずつ鉦を叩く導師。

「願わくば・・・云々なにがし・・・」と唱えて南無阿弥陀仏に手を合わせる。

三帰(さんき)、七仏通戒、別願を経て真身観文(しんじんかんのん)、光明文から総回向、開経偈で終えた。

南六条は北方、南方とも融通念仏宗派の村であることから唱えた念仏は融通念仏の勤行であったのだ。

両村とも11月には大阪平野からやってくる大和ご回在がある。

北方の旧興蔵寺はかつて真言宗であった。

村人の話によれば無住寺になったおよそ100年前に宗派が替ったという。

2時間余り、北方でのお勤めを終えれば南方に向かう一行。

当番の人は南方に継がれた情景は平成22年に拝見したことがある。

(H25. 3. 9 EOS40D撮影)