マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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民博春の企画展、お米作りと神々への祈り

2013年06月30日 20時00分31秒 | 民俗を観る
ちゃんちゃん祭で大字中山が配られるチマキがある。

その日に祭りを終えた大字兵庫の頭屋さんから授かった一本のチマキを県立民俗博物館に寄贈したくて立ち寄った。

この日に訪れたのは春の企画展の「お米作りと神々への祈り」の展示状況である。

3月には60点もの祭具を寄贈しておいた。

正月初めに行われた各地の豊作祈りの行事に用いられた祭具である。

修正会、初祈祷、オコナイ、オンダ祭だけでなく弓矢、イノコ棒までもある。

村の人が私に託した祭具は我が家で保管することよりも一般の人の目に触れる場のほうが良いに違いない。

そう思って一挙に寄贈ったのであったが、台帳作りまで手伝うはめになった。

調査地、用途、使用目的、使用方法、使用者、所有者、入手経路、由来変遷、談話者などを再整理して記録した。



企画展に沿うような祭具は記録した行事写真とともに展示されていた。

その数多しである展示物品は村の人からの伝言でもある。

企画展「お米作りと神々への祈り」はタイトルからして稲作生業における営みだ。

農作は正月明けから始まっている。

春田を起こす田起こし。オンダ祭において田起こしの所作がある。

モミオトシ、苗代作り、水口祭り・ミトマツリ、代掻き、ウエゾメ、田植え、サシナエ、虫祈祷・虫送り、土用干し、ヘイ刈り、雨乞い、八朔、稲刈り、コキヌケ、カリヌケ、新穀感謝・・・。

節目、節目に行われる祈りの在り方などを写した写真も展示された。

取材させていただいた村の人たちに感謝する企画展は多くの人に是非観ていただきたいと思う。



この物品は「ブトクスベ(ブヨクスベとも)」。

ブトノクチ焼きを取材した折りに村人から聞いた「ブトクスベ」の実物が民博に所蔵されていたのである。

これには驚いた

春の企画展の「お米作りと神々への祈り」は平成25年4月27日から6月30日まで開催されている。
御所市蛇穴行事の愛くるしい顔であるジャ(蛇)が迎えてくれる。
なお、会場の県立民俗博物館は月曜日が休館日にあたる。
なお、6月16日(日)13時半からは「記録されたくらしとまつり」の民俗映像の上映会も開催される。(終了しました)

(H25. 4.27 SB932SH撮影)
(H25. 5. 9 SB932SH撮影)