マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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京田辺市宮津の茅の輪くぐり

2018年09月16日 10時04分04秒 | もっと遠くへ(京都編)
茅の輪の設営具合を拝見した30日

御幣を手にして茅の輪を3回潜っていた婦人が話してくれた。

潜るのは決まった時間でもなく、集落の各家のめいめいが自由な時間にしているという。

集落道際に茅の輪を設営する京都府京田辺市の宮津。

宮津の集落戸数は40戸。

垣内は白山神社が鎮座する白山を中心に屋敷田、北浦、宮ノ前、塚本、鳥羽田などがある。

茅の輪を立てた地区は北浦垣内。

茅の輪に近い地区の人はその存在に気づく機会が多いことから、潜られる人も多い。

逆に北浦垣内以外の人は場から離れているから気づくのが遅れる。

茅の輪潜りは7月31日に決っているが、つい忘れてしまうことがある。

近くであれば気づきで思い出す。

通ることもない離れた垣内の人は気づかずに終わってしまうこともあるようだと話していた。

ちなみに、前日にお会いした婦人は北浦垣内の住民。

買物帰りに茅の輪の存在を知って潜ったという。

朝早くに潜る人もいるらしい宮津の人たち。

その姿を一人でも拝見できればいいと思って再訪したのである。



北浦垣内に到着した時間帯は午前8時半。

サラリーマンの人であれば潜ってから出かけたのであろうか。

見張りをつけているわけでもないから実態は不明である。

昨日に訪れた時間帯は午後4時半。

夕方近い時間帯と朝の時間帯では光の具合が異なる。

夏場の朝はお日さんが燦々である。

夕方よりも光が明るいから、その状況も撮っておこう、とあっちこちの方角から撮っていた。

昨日と大きな違いは御幣である。

昨夕は村神主のYさんの判断で夜露に濡れないようにどころか雨は降るやもしれないので、御幣にビニール袋を被せて保護したと云っていた。

今朝の茅の輪には袋がない。

今朝は天気の良い快晴の日。

これなら大丈夫と判断されたYさんは朝早くに外したそうだ。

本来の姿になっていた茅の輪をカメラに収める。

朝の8時半から9時前までの時間帯はどなたも来られない。

この日の気温は何度であったのか存知しないが汗がどっと落ちる暑い朝だった。

撮っているときにバイクの音が聞こえてきた。

集配達の人であろうとおもったら、そうではなかった。

茅の輪を設営した南側にゴミ捨て場がある。

そこに袋に詰めたゴミを捨てに来た婦人である。

この日はゴミの収集日。

カラスなどに喰われないよう囲ったゴミ捨て場に入れた婦人は再びバイクに乗ってエンジンをかけた。

用を済ませて家に戻るのだろうと思っていたら、茅の輪に向かってバイクを近づけた。

恐る恐る尋ねた茅の輪潜り。

ゴミ捨てのついでに潜るというので慌てて許可取り。

取材の主旨を伝えて承諾される。

「髪の毛は乱れているし、格好もこんなんで恥ずかしいわ」、と云いつつもはじめた茅の輪潜り。



あんばいカメラを構える間もなくシャッターを押し続けた。

婦人は茅の輪に挿してあった御幣を1本抜く。

左手に御幣をもって茅の輪を潜る。

方角的にいえば南から北に向けて跨ぐ。

左に廻って出発点に戻って再び潜る。

反時計廻りに3回繰り返す茅の輪潜りである。

手にしていた御幣を茅の輪に挿した婦人はバイクに跨って自宅に戻っていった。

茅の輪の場は再び静寂状態に戻った。

またしばらくは茅の輪付近に佇んでいた。

たまたま遭遇した婦人に撮らせてもらった貴重な写真。

この場を借りて感謝申し上げる次第である。



そろそろ引き上げようとしたときである。

昨夕にお会いした婦人もやってきたがゴミ捨てに、である。

おかげさんで記録することができたとお礼申し上げた婦人は「・・・みなづきの・・・」を唱えながら潜っていたが、バイクの婦人は心で唱えていたのだろうか、お声は聞こえなかった。

婦人が云う。

ゴミ収集車が来るまでの時間帯に間に合うように捨てにくる。

朝7時前後から大勢の人たちがゴミ捨てのついでに茅の輪潜りをしていたようだと話していた。

(H29. 7.31 EOS40D撮影)