マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小夫・龍吐水に和製消防バケツ

2018年09月30日 11時28分37秒 | 民俗あれこれ(消防編)
龍吐水は木製手押しの消防ポンプ。

両方から天秤を押して溜めている水をホースで吐き出す。

まるで龍が水を吐くような形であるから龍吐水の名がついた。

現代の消防ポンプはため池などに給水用のホースを落として吸い上げる。

龍吐水は構造上、吸い上げる要素がない。

では、どうして水を溜めるのか、である。

水を汲むのは手動的。



バケツで汲み上げ、その水を龍吐水に入れる。

吐く量があれば溜める量もある。

つまりは何個もの人力によるバケツリレーがあったと推定される。

それだけの数が要るということは人数もそれなりに確保しなければならない。

そういえば小学校時代だったと思うが、バケツリレーの訓練があったような記憶がある。

それは町内会の消防訓練であったかもしれない。

ちなみにバケツを充てる漢字を「馬穴」と名付けたのは夏目漱石のようだ。

今ではバケツといえば金属製のブリキ。

時代は不明だが昔はそのような道具ではなく、竹で編んだ籠のようなものに柿渋で作った和紙を重ねていた。

頑丈な和紙は水を通さない。

重宝したと思われるが、ネットをぐぐってみても出現しない。

忘れ去れた貴重な道具は元大庄屋の家に残されていた。

この年の4月に訪れた宇陀市榛原の柳

かつて大庄屋だった柳のある家も同じような道具が玄関軒に吊るされていたことを思い出した。

(H29. 8. 6 EOS40D撮影)