まだ、工事中だと思った琵琶湖博物館の出入り口。
入館したら、すでに子供たちが・・。
学童が学ぶ琵琶湖博物館の展示を覗き込んで、何かを発見したようだ。
現代的な炊事場に「火の用心」の護符を貼っている展示が嬉しい。
これこそ、ほんまの暮らしがわかる。
コンロは、IHヒーターの時代になっても、必要な「火の用心」。
つまり、これこそ民俗の一篇。
学芸員に敬意を表したい。
展示の挨拶文に『つくる、たべる、つなぐ、滋賀の食事と知恵』。
「・・・自然環境や歴史的背景と深く結びつき・・・土地の恵みを美味しく、無駄なくいただく食事文化が育まれていた。しかし、現代では、例えば鮒ずしや味噌などを家庭ではつくらなくなっている。受け継がれた知恵や技のなかに失われつつあるものが、少なくない・・・」
「”滋賀の食事文化研究会”は、滋賀の食事に関する幅広いことがらについて、地域から学び、その技を身につけるとともに、記録し食文化を伝える活動をしてきた・・・・研究会の活動のすべてをごすることはできないし、実際の味を賞味することもできませんが、観覧後、実際につくったり、食べたりする機会をもっていただければうれしく思います(一部略、補正しました)」とあった。
以下、滋賀の食文化はあまりにも多く、情報量に枚数制限はするものの、落とすワケにはいかない。大切な資料になり得るさまざまな暮らしの食文化。
貴重な映像は多数になるが、できる限り後世に伝え、繋ぐためにもここに公開しておきたい。
「くいじという言葉」がある。
滋賀県の方言である”くいじ”は、食事のこと。
豊郷町、甲良町、沖島、中主町、安土町、高島郡、高月町で使われていた、という記録もあるそうだ。
「くいじは済んだか」といえば、それはお昼の食事を終えたか、と心配する言葉であった。
現在では、ほとんど使われなくなった、食の方言だけに、仕様はさまざまらしい。
会場展示に炊事場の次はお家のウラ。
樽に漬け物の亀もあれば石臼もある。
農作業に必ず見る道具も・・どこやらのお家のあり方。
今にもお家の人が現れそうな、自然体に置いたお家のウラが再現されている。
物干しにピンチ。
玉ねぎも干している自然な風景。
思わずシャッターを押したくなる農家のさりげない景観が素晴らしい。
一歩、足をすすめたそこは畑作地。
ひいた野菜を綺麗に洗い場もある。
まるで、昭和の時代や、レトロ感に懐かしさを感じる見学者もおられることだろう。
「野山からは、木の実や山菜・・・一度は、途絶えた焼き畑を復活される取り組みをしている地域(※長浜市余呉町)がある」。
「米どころの近江。水田魚道を設けた“魚のゆりかご水田”に、鮒や鯰の稚魚が孵化する」。
そして、琵琶湖を中心に周囲に食の名称をデザインした立てた旗がいっぱい。
奥琵琶湖東岸の旗にナニがある。
名称が判断できる順に、焼きサバそうめん、打ち豆汁、白菜のたたみ漬け、はぐき漬け。
西岸にサバのなれすし、栃餅、とんがらし漬け、納豆餅が見える。
位置を移動し、南下した地域に立った幟旗。
いばら団子に吊りかぶら汁、オイカワのめずし、丁字麩の辛子和え、赤こんにゃく、泥亀汁、丁稚ようかん、めずし(たですし)、くるみごぼう。
対岸の西側に栃餅、こねこね、とんがらし漬、納豆餅、坂本菊、しじみ汁、菜の花漬けだど。
撮り位置替えて、わかった日野菜漬、ブリのぬた。
さらに南下した地域から見る幟旗に、やっとわかった茶粥とハスのめずし。
目線を揚げたら、学童児童が大勢。
思い思いの学びにひとつずつ関心を寄せているようだ。
方角を替えてみた奥琵琶湖から。
こちらの幟旗に見た郷土食。
サバのなれずしに、ビワマスのこけらず。
さまざまな郷土食になぜか見られない水口のかんぴょう。
尤も、水口はかんぴょうの生産地。
栽培し、つくっては市場に出荷。
生産地の人たちが食べるかんぴょう料理は、なぜにないのか。
地域の景観や調理した郷土料理を写真で紹介する展示もある。
湖北の行事とともに紹介する展示に、焼畑と山かぶ、オコナイと餅。祭りのごちそう、多彩な漬け物になれずし、報恩講のお講汁・打ち豆汁。
湖東は、オイカワやハスのめずし、ブリ(※伊勢湾から届く)のぬた、日野菜漬、ナスの泥亀汁、吊りかぶら汁、いばら団子。
湖南からは、坂本菊に菜の花漬け、ずいき祭のめずし、茶粥、どじょうすし、ごんぼ祭のくるみごぼう。
湖西からは、納豆餅、栃餅、こねこね、とんがらし漬、いもねり、サバのなれずし。
琵琶湖の郷土料理といえば、ダントツにあげられるふなずし。
食べる人、食べない・食べられない人。
極端に分かれる好みの問題。
私は、口にした途端に吐いた方の人だ。
ふなずしは、特別なコーナー展示。
作り方に、それを漬ける道具も展示している。
会場は、レプリカ展示のため、美味しさの匂いはしないが、どのような形態でされているのか、よくわかる展示。
そこには、調理をとらえたビデオ映像も同時進行。
目線は、どっちを向けばいいのやら、集中したいものだ。
熱心に見入る学童。
もしかしたら、うちと同なじちゃうかっ、なんて会話しているかも・・
琵琶湖の郷土料理は、お土産にも見る琵琶湖産小魚の佃煮がある。
そうそう、滋賀米どころ。近江米が有名だ。
打ち豆をつくる道具は、石臼?。
どうやら石臼は、臼挽きでなく、そこにあるように木鎚で叩いて大豆をひとつ、ひとつ潰すんだろうな。
次の展示はかんぴょう。
動画もあるから、かんぴょうつくりも紹介していたのだろうか。
かんぴょうを充てる漢字が「干瓢」。
実は、種、苗から育てたユウガオ。
受粉してから実をつける。
やがて育ったユウガオの実が巨大化する。
畑で育てたユウガオの実を収穫し、早速はじめる皮むき。
青々とした皮の下から現れる純白の実。
それをカンナと呼ばれる道具で切り取っていくひも状のユウガオの実。
長くなった実を竿などに干して乾かす。
夏の風物詩にかんぴょう干し。
だから、充てる漢字が「干瓢(かんぴょう)」。
名称は実までの状態をユウガオと、呼び、干して乾いた状態がかんぴょうである。
映像映すテレビの前に置いている展示物は、まさに「干瓢」。
封をしているからほんもの生もの。
さて、個々に拝見していた食文化の展示は、まだまだある。
後半の展示は、写真展を見てからだ。
(R3.10.26 SB805SH 撮影)
入館したら、すでに子供たちが・・。
学童が学ぶ琵琶湖博物館の展示を覗き込んで、何かを発見したようだ。
現代的な炊事場に「火の用心」の護符を貼っている展示が嬉しい。
これこそ、ほんまの暮らしがわかる。
コンロは、IHヒーターの時代になっても、必要な「火の用心」。
つまり、これこそ民俗の一篇。
学芸員に敬意を表したい。
展示の挨拶文に『つくる、たべる、つなぐ、滋賀の食事と知恵』。
「・・・自然環境や歴史的背景と深く結びつき・・・土地の恵みを美味しく、無駄なくいただく食事文化が育まれていた。しかし、現代では、例えば鮒ずしや味噌などを家庭ではつくらなくなっている。受け継がれた知恵や技のなかに失われつつあるものが、少なくない・・・」
「”滋賀の食事文化研究会”は、滋賀の食事に関する幅広いことがらについて、地域から学び、その技を身につけるとともに、記録し食文化を伝える活動をしてきた・・・・研究会の活動のすべてをごすることはできないし、実際の味を賞味することもできませんが、観覧後、実際につくったり、食べたりする機会をもっていただければうれしく思います(一部略、補正しました)」とあった。
以下、滋賀の食文化はあまりにも多く、情報量に枚数制限はするものの、落とすワケにはいかない。大切な資料になり得るさまざまな暮らしの食文化。
貴重な映像は多数になるが、できる限り後世に伝え、繋ぐためにもここに公開しておきたい。
「くいじという言葉」がある。
滋賀県の方言である”くいじ”は、食事のこと。
豊郷町、甲良町、沖島、中主町、安土町、高島郡、高月町で使われていた、という記録もあるそうだ。
「くいじは済んだか」といえば、それはお昼の食事を終えたか、と心配する言葉であった。
現在では、ほとんど使われなくなった、食の方言だけに、仕様はさまざまらしい。
会場展示に炊事場の次はお家のウラ。
樽に漬け物の亀もあれば石臼もある。
農作業に必ず見る道具も・・どこやらのお家のあり方。
今にもお家の人が現れそうな、自然体に置いたお家のウラが再現されている。
物干しにピンチ。
玉ねぎも干している自然な風景。
思わずシャッターを押したくなる農家のさりげない景観が素晴らしい。
一歩、足をすすめたそこは畑作地。
ひいた野菜を綺麗に洗い場もある。
まるで、昭和の時代や、レトロ感に懐かしさを感じる見学者もおられることだろう。
「野山からは、木の実や山菜・・・一度は、途絶えた焼き畑を復活される取り組みをしている地域(※長浜市余呉町)がある」。
「米どころの近江。水田魚道を設けた“魚のゆりかご水田”に、鮒や鯰の稚魚が孵化する」。
そして、琵琶湖を中心に周囲に食の名称をデザインした立てた旗がいっぱい。
奥琵琶湖東岸の旗にナニがある。
名称が判断できる順に、焼きサバそうめん、打ち豆汁、白菜のたたみ漬け、はぐき漬け。
西岸にサバのなれすし、栃餅、とんがらし漬け、納豆餅が見える。
位置を移動し、南下した地域に立った幟旗。
いばら団子に吊りかぶら汁、オイカワのめずし、丁字麩の辛子和え、赤こんにゃく、泥亀汁、丁稚ようかん、めずし(たですし)、くるみごぼう。
対岸の西側に栃餅、こねこね、とんがらし漬、納豆餅、坂本菊、しじみ汁、菜の花漬けだど。
撮り位置替えて、わかった日野菜漬、ブリのぬた。
さらに南下した地域から見る幟旗に、やっとわかった茶粥とハスのめずし。
目線を揚げたら、学童児童が大勢。
思い思いの学びにひとつずつ関心を寄せているようだ。
方角を替えてみた奥琵琶湖から。
こちらの幟旗に見た郷土食。
サバのなれずしに、ビワマスのこけらず。
さまざまな郷土食になぜか見られない水口のかんぴょう。
尤も、水口はかんぴょうの生産地。
栽培し、つくっては市場に出荷。
生産地の人たちが食べるかんぴょう料理は、なぜにないのか。
地域の景観や調理した郷土料理を写真で紹介する展示もある。
湖北の行事とともに紹介する展示に、焼畑と山かぶ、オコナイと餅。祭りのごちそう、多彩な漬け物になれずし、報恩講のお講汁・打ち豆汁。
湖東は、オイカワやハスのめずし、ブリ(※伊勢湾から届く)のぬた、日野菜漬、ナスの泥亀汁、吊りかぶら汁、いばら団子。
湖南からは、坂本菊に菜の花漬け、ずいき祭のめずし、茶粥、どじょうすし、ごんぼ祭のくるみごぼう。
湖西からは、納豆餅、栃餅、こねこね、とんがらし漬、いもねり、サバのなれずし。
琵琶湖の郷土料理といえば、ダントツにあげられるふなずし。
食べる人、食べない・食べられない人。
極端に分かれる好みの問題。
私は、口にした途端に吐いた方の人だ。
ふなずしは、特別なコーナー展示。
作り方に、それを漬ける道具も展示している。
会場は、レプリカ展示のため、美味しさの匂いはしないが、どのような形態でされているのか、よくわかる展示。
そこには、調理をとらえたビデオ映像も同時進行。
目線は、どっちを向けばいいのやら、集中したいものだ。
熱心に見入る学童。
もしかしたら、うちと同なじちゃうかっ、なんて会話しているかも・・
琵琶湖の郷土料理は、お土産にも見る琵琶湖産小魚の佃煮がある。
そうそう、滋賀米どころ。近江米が有名だ。
打ち豆をつくる道具は、石臼?。
どうやら石臼は、臼挽きでなく、そこにあるように木鎚で叩いて大豆をひとつ、ひとつ潰すんだろうな。
次の展示はかんぴょう。
動画もあるから、かんぴょうつくりも紹介していたのだろうか。
かんぴょうを充てる漢字が「干瓢」。
実は、種、苗から育てたユウガオ。
受粉してから実をつける。
やがて育ったユウガオの実が巨大化する。
畑で育てたユウガオの実を収穫し、早速はじめる皮むき。
青々とした皮の下から現れる純白の実。
それをカンナと呼ばれる道具で切り取っていくひも状のユウガオの実。
長くなった実を竿などに干して乾かす。
夏の風物詩にかんぴょう干し。
だから、充てる漢字が「干瓢(かんぴょう)」。
名称は実までの状態をユウガオと、呼び、干して乾いた状態がかんぴょうである。
映像映すテレビの前に置いている展示物は、まさに「干瓢」。
封をしているからほんもの生もの。
さて、個々に拝見していた食文化の展示は、まだまだある。
後半の展示は、写真展を見てからだ。
(R3.10.26 SB805SH 撮影)