いよいよはじまった大淀町・大岩きまぐれや民俗を語る会の2回目。
大淀町教育委員会主任技師(学芸員)の松田度氏と対談形式で民俗を語る会。
テーマは、当月会場を借りて、展示していた私、民俗写真家の田中眞人が映し出す「火のまつり」。
その写真展を拝見した「NPO法人 おおいわ結の里」代表の小西正久氏。
お忙しい松田度氏の日程伺いに決まった本日の民俗対談は、題して「世代を超えて伝統を受け継ぐ 火にまつわる民俗行事を語る会」
コロナ対策に、参加者数は15名まで。
募集したらあっという間に埋まったそうだ。
テーマにそそられ、参加された人たちの大多数は、令和2年の2月24日に行われた1回目。
会場の平日喫茶のきまぐれや。
畳座敷にあふれんばかりの聴衆に20人も集まってくださった。
松田度氏が語る「火」のテーマは、大淀町・大岩で継承されている大岩のとんどをお話しされる。
一方、私は奈良県内のとんど行事取材から、知った各地のとんどにまつわる話題を提供する。
どうしても参加したい、と希望された何人か・・
私、同様に奈良大和の伝統行事を取材してきた写真家のSさん。
都合がつけられたので、お願いにあがった大淀町にお住いのOさんは、キャンセル待ちに空きができて、ぎりぎりセーフ。
そのほか、知り合いの方たちがたくさん集まってくださった。
隣村の高取町・丹生谷から参加したN氏に、かつて大岩の「雨たんもれ」取材を受けてくださったM氏。
同大岩在住のN氏。
また、ここ大岩がはじめてだと、いうA夫妻。
奈良をくまなく紹介してくださるAさんも“とんどにまつわる”話を聞きたかったそうだ。
大岩のとんどに、隣村の今木で行われているお家の習俗も紹介された松田度氏が語る「火」。
史料とスライドで解説された「三世代に受け継がれるお家の行事」。
是非とも取材をしてほしいと願われた。
対談後に、取材先の連絡番号を紹介してくださった。
写真家のSさんとともに取材許可をとって現地に向かったのは、その年の大晦日である。
で、私が語るテーマは「とんどにまつわるさまざまな民俗のよもやま話」。
語りをするために、取材記録の引き出しからセレクトしたキーワードは多種多彩。
天筆(てんぴつ)に小正月、二ノ正月、小とんど。
とんどのもらい火に餅掴みのハサンバリ。
小豆粥は、成木責めも「ナルカナランカ」にもおよぶ。
また、小豆粥は、枇杷の葉のせて供える。
苗代田の登場する穂付きのカヤススキ。
そのカヤススキは、小豆粥をいただく箸代わり。
小正月の苗代田に灰撒き・・・などなど民俗の一例を伝えたい。
年中行事にいろいろあるが、全国的にみられる、圧倒的に多い地域行事の“とんど” 。
とんどの名称は、地区によって変化する。
どんとにどんど。
左義長どころか、どんどや、さいと焼き、おんべなど・・
日本全国のさまざまな地域がそれぞれの呼び名がある小正月行事のとんど・・・は、語るキーワードが、あまりにも多い。
語りに整理したレジメの構成は、
< 1. はじめに・・>とんどを未体験の人たちが騒動を起こす事例
< 2. とんどに燃やすのは>
< 3. 小正月行事のとんど>
< 4. とんどの大きさ、形、飾りつけ>
< 5. 天まであがれ・・書初めの書>
< 6. モチ焼きの道具>
< 7. 無病息災のモチ>
< 8. ブトノクチ焼き>
< 9. 服忌・不浄の小とんど>
< 10. もらい火の道具>
< 11. 小正月の小豆粥>
< 12. ナルカナランカの成木責め>
< 13. 枇杷の葉載せ小豆粥御供>
< 14. とんど灰の畑撒き>
< 15. おわりに・・>火の用心に消防のある町・・・
ラストに質問タイム。
手をあげてくれた野菜ソムリエの宮坂敏史さんの質問は、「畑にぽつんとあった榊に白い?ものはなんでしょうか」・・である。
実際に、私が見ているのであれば、ある程度はわかるのですが、宮坂敏史さん自身が見た情景を思い浮かべて想像するに、「上流工程を調べないと、明確な答えはだせませんが、おそらく神社か寺院の年頭行事。例えば祈年祭(※としごいのまつり)神事の際に行われる御田植祭。或いは、寺院で行われる年初の初祈祷に村の安寧と豊作を願う行事に、されたものではないでしょうか。また、苗代田であれば、それら行事で授かったごーさん札でありましょう」と、答えた。
また、大阪教育大学大学院山本博子さんからの質問は、カヤススキを立てる意味合いは・・。
おそらく、カヤススキの穂は実りを表し、苗代に立てるのはその年の豊作の願い。
農家さんは、それを立てることによって豊作を願うもの。
今日の、本題に語った暮らしの民俗。
きまぐれやオーナーのMさん。
対談を終えてから、田中さんて、そんな人だったんだ。
見直したわ、と云ってくれた。
※ 当記事に際し、対談聴講に参加してくださった岡向正道さんが撮影した、当日の様相。
その一枚を届けてくれたのが嬉しくて、この場を借りて掲載。感謝申し上げます。
なお、この映像は、平成30年の1月15日の小正月に取材に撮影したもの。
奈良の地ではなく、奈良により近い南山城村北大河原渋久に住んでいるO家の女性。
奈良の民俗に、とても似ている同類事例として紹介した。
(R4. 2.21 SB805SH 撮影)
大淀町教育委員会主任技師(学芸員)の松田度氏と対談形式で民俗を語る会。
テーマは、当月会場を借りて、展示していた私、民俗写真家の田中眞人が映し出す「火のまつり」。
その写真展を拝見した「NPO法人 おおいわ結の里」代表の小西正久氏。
お忙しい松田度氏の日程伺いに決まった本日の民俗対談は、題して「世代を超えて伝統を受け継ぐ 火にまつわる民俗行事を語る会」
コロナ対策に、参加者数は15名まで。
募集したらあっという間に埋まったそうだ。
テーマにそそられ、参加された人たちの大多数は、令和2年の2月24日に行われた1回目。
会場の平日喫茶のきまぐれや。
畳座敷にあふれんばかりの聴衆に20人も集まってくださった。
松田度氏が語る「火」のテーマは、大淀町・大岩で継承されている大岩のとんどをお話しされる。
一方、私は奈良県内のとんど行事取材から、知った各地のとんどにまつわる話題を提供する。
どうしても参加したい、と希望された何人か・・
私、同様に奈良大和の伝統行事を取材してきた写真家のSさん。
都合がつけられたので、お願いにあがった大淀町にお住いのOさんは、キャンセル待ちに空きができて、ぎりぎりセーフ。
そのほか、知り合いの方たちがたくさん集まってくださった。
隣村の高取町・丹生谷から参加したN氏に、かつて大岩の「雨たんもれ」取材を受けてくださったM氏。
同大岩在住のN氏。
また、ここ大岩がはじめてだと、いうA夫妻。
奈良をくまなく紹介してくださるAさんも“とんどにまつわる”話を聞きたかったそうだ。
大岩のとんどに、隣村の今木で行われているお家の習俗も紹介された松田度氏が語る「火」。
史料とスライドで解説された「三世代に受け継がれるお家の行事」。
是非とも取材をしてほしいと願われた。
対談後に、取材先の連絡番号を紹介してくださった。
写真家のSさんとともに取材許可をとって現地に向かったのは、その年の大晦日である。
で、私が語るテーマは「とんどにまつわるさまざまな民俗のよもやま話」。
語りをするために、取材記録の引き出しからセレクトしたキーワードは多種多彩。
天筆(てんぴつ)に小正月、二ノ正月、小とんど。
とんどのもらい火に餅掴みのハサンバリ。
小豆粥は、成木責めも「ナルカナランカ」にもおよぶ。
また、小豆粥は、枇杷の葉のせて供える。
苗代田の登場する穂付きのカヤススキ。
そのカヤススキは、小豆粥をいただく箸代わり。
小正月の苗代田に灰撒き・・・などなど民俗の一例を伝えたい。
年中行事にいろいろあるが、全国的にみられる、圧倒的に多い地域行事の“とんど” 。
とんどの名称は、地区によって変化する。
どんとにどんど。
左義長どころか、どんどや、さいと焼き、おんべなど・・
日本全国のさまざまな地域がそれぞれの呼び名がある小正月行事のとんど・・・は、語るキーワードが、あまりにも多い。
語りに整理したレジメの構成は、
< 1. はじめに・・>とんどを未体験の人たちが騒動を起こす事例
< 2. とんどに燃やすのは>
< 3. 小正月行事のとんど>
< 4. とんどの大きさ、形、飾りつけ>
< 5. 天まであがれ・・書初めの書>
< 6. モチ焼きの道具>
< 7. 無病息災のモチ>
< 8. ブトノクチ焼き>
< 9. 服忌・不浄の小とんど>
< 10. もらい火の道具>
< 11. 小正月の小豆粥>
< 12. ナルカナランカの成木責め>
< 13. 枇杷の葉載せ小豆粥御供>
< 14. とんど灰の畑撒き>
< 15. おわりに・・>火の用心に消防のある町・・・
ラストに質問タイム。
手をあげてくれた野菜ソムリエの宮坂敏史さんの質問は、「畑にぽつんとあった榊に白い?ものはなんでしょうか」・・である。
実際に、私が見ているのであれば、ある程度はわかるのですが、宮坂敏史さん自身が見た情景を思い浮かべて想像するに、「上流工程を調べないと、明確な答えはだせませんが、おそらく神社か寺院の年頭行事。例えば祈年祭(※としごいのまつり)神事の際に行われる御田植祭。或いは、寺院で行われる年初の初祈祷に村の安寧と豊作を願う行事に、されたものではないでしょうか。また、苗代田であれば、それら行事で授かったごーさん札でありましょう」と、答えた。
また、大阪教育大学大学院山本博子さんからの質問は、カヤススキを立てる意味合いは・・。
おそらく、カヤススキの穂は実りを表し、苗代に立てるのはその年の豊作の願い。
農家さんは、それを立てることによって豊作を願うもの。
今日の、本題に語った暮らしの民俗。
きまぐれやオーナーのMさん。
対談を終えてから、田中さんて、そんな人だったんだ。
見直したわ、と云ってくれた。
※ 当記事に際し、対談聴講に参加してくださった岡向正道さんが撮影した、当日の様相。
その一枚を届けてくれたのが嬉しくて、この場を借りて掲載。感謝申し上げます。
なお、この映像は、平成30年の1月15日の小正月に取材に撮影したもの。
奈良の地ではなく、奈良により近い南山城村北大河原渋久に住んでいるO家の女性。
奈良の民俗に、とても似ている同類事例として紹介した。
(R4. 2.21 SB805SH 撮影)