マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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横田町柳生垣内ドウガイ注連縄掛け

2015年09月23日 07時25分04秒 | 大和郡山市へ
この日の朝に電話がかかった。

かけてこられたのは大和郡山市横田町・柳生垣内在住のMさんだ。

今からドウガイと呼ぶ簾型の注連縄を作るというお誘いだ。

大急ぎで支度して向かった場は素盞嗚神社。

当家に当家隣組の手伝い4軒が集まってドウガイを作っていた。

注連縄は新穀のウルチ米の稲藁で編んでいく。

これまで七・五・三本ずつ数を揃えて結っていた。

七・五・三を繰り返す順に結う、というよりも重ね合わせていくような感じで結うのだ。

昨年は5本ずつに結ってしていたが前々年に当家を務めたNさんが正式にしたいと申してそうされる。



5人の内訳は当家に前当家と隣家に次当家と隣家。

前と次に当たる当家に隣家が加わって行事を伝承している。

結い方は実際に手で結わないと覚えられない。

体験や慣れることで伝えていく。

伝える人は前当家。

今年の当家は次年度に手伝い伝える。

次当家は今年に見ておいて実際の作業を覚えるのだ。

当家を担う順は家並みの順。

隣家もその枠順に入っている。

一年ずつ家並み順に移っていく。

つまりは移動する隣近所で5年間を務めていくということである。

5年前までは神社に門松を立てていた。

砂を盛った場に4本のオン松・メン松を立てていた。

一般的な門松は松・竹・梅であるが柳生垣内では松だけだったという。

松は当家持ちだった。

山地に出かけて探しに行っていたが、採取することも難しくなり市販品を購入することにしたそうだ。



始めに七・五三の藁を垂らした先に実をつけた稲穂を括り付ける。

今年収穫した初穂である。

こうして「ドウガイ」と呼ぶ簾型の注連縄ができあがれば境内に立てた脚に据える。



中央にウラジロ、ユズリハ、ダイダイ、クシガキ、カタスミを水引で括り付ける。

昔は髭の根があるトコロイモも付けていたという。

それから鋏で余分にでた藁を切取る。

綺麗になるよう鋏で刈り込むのだ。

綺麗になれば両側に四枚ずつウラジロを取り付ける。



できあがった「ドウガイ」はかつてお堂だったという会所前に掛ける。

奥には大きな地蔵石仏尊がある。

7月に地蔵盆の数珠繰りをしていると話していた。

「ドウガイ」注連縄はもう一本作られる。

掛ける場は氏神さんを祀る素盞嗚神社の拝殿である。

拝殿前には朱の鳥居がある。

注連縄を掛けることによって拝殿の扉が開けなくなる。

もっと上のほうだと指示がでる。



鳥居との僅かな間に掛ける。

会所のときと同じように笹の葉は右側にして掛け終えた。

20年ほど前までは集落に砂の道を敷いていた。

砂を敷くのは神社から鳥居。

そこから一筋の砂を敷く。

一軒、一軒が砂を敷いていけば一本の砂の道ができあがる。

砂の道は家の玄関先まで敷いて伸ばしていた。

近くを流れる正田川(しょうでんかわ)にあった綺麗な砂を運んでそうしていた。

集落の道はアスファルト道になった。

滑ることもあっていつしか止めたそうだ。

(H26.12.27 EOS40D撮影)


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