マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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室生小原の山の神

2012年02月21日 08時47分50秒 | 宇陀市(旧室生村)へ
1月7日には山間各地で山の神のマツリが行われている。

室生笠間川流域沿いの各地で行われている山の神のカギヒキ。

その一つに室生小原がある。

朝日が昇るころに村の人たちが行者山(大文字鏡山とも)にやってきてカギヒキをしたそうだ。

行者堂の後方にある大木に多数のカギヒキがぶら下がっている。

3mから4mもある長い木はウツギの木。

自在鍵のような形をした方を樹木に引っかけているのだ。

カギヒキの先には幣とミカンが見られる。

実に壮観な景観であるが、このような形式を見たのは初めて。

特異な形態で行われている小原のカギヒキ。

一人ずつ参られて「にしのくにのいとわた ひがしのくにのぜにかね うちのくらへどっさりこ」の唄を歌ったそうだ。

その際には家人が蔵の戸を開けておくという。

お金がどっさり入ってほしいという願いがこもっている。

この行為を「山の口の鍵ひき」と呼ぶようだ。

山の神の日はいずこも7日。

その日は七草粥の日だ。

小原では「ひがしのとり(鳥)と にほん(日本)のとり(鳥)が うち(打ち)あって バタバタ」と言うらしい。

これはどういう意味なのであろうか。

上茶屋出(かみちゃいで)と下茶屋出の垣内25軒が集まってされている山の神。

お盆に乗せたホシガキ、コバンモチ(小判型のモチ)、数個のクリの実に山の道具(ナタ)を風呂敷包みに入れたまま供える。

カギヒキもそうだが供える個数は家の男の人数分。

コバンモチはナタで何度か削って山の神に供える。

その削ったモチを見つけることは困難だ。

モチは持ち帰って七草粥に入れる。

ナタネとナズナを入れて炊いた七草粥。

下笠間と同様に2種類だった。

セリ、ナズナ(ペンペングサ)、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(コオニタビラコ)にスズナ(カブラ)、スズシロ(ダイコン)の七種であるがこの時期に生えているのを探すのは困難。

いずこもすべてを揃えるのは難しい。

ちなみに行者山で行われる山の神は小原の東側。

西側の地区も山の神をしているそうだ。

山の仕事は男の力仕事。

山の神の日はいずこも山仕事を休む日である。

(H24. 1. 7 EOS40D撮影)


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