マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

やむなく決断した南之庄のいっぱいだまし

2012年08月07日 08時31分41秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
藺生小山戸と都祁の毛掛け行事を順拝してきた。

この日は南之庄も同じように行われている。

小倉もあるが、ここでは「ケカケ護守」と呼ぶようだ。

南之庄では午前中に岳山(都介野岳)へ登って龍王神社で田植えを終えた報告祭を行っている。

着いた時間帯は籠りの会食を終えたばかりだった。

例年ならばこれより「「いっぱいだまし」が行われるはずだった。

子どもをだます「いっぱいだまし」。

その名称を始めて聞いたときは「いったい何の行事」と思ったものだ。

平成17年から取材し続けた「いっぱいだまし」。

その後も18年、21年、22年に訪問して行事を拝見していた。

19年からは主役である子どもの姿が見られなくなっていった。

大人が子どもに替って行っていた「いっぱいだまし」。

「子どもが来やんからには、実施でけへん」というわけで、やむなく今年は中断とされた。

決断の時代を迎えたわけだ。

子どもが現れた行事は平成17年が最後になった。

その様子は著書である『奈良大和路の年中行事』で紹介させていただいた。

にこやかな子どもたちの姿がそこにある。

総代や村神主、氏子たちの寂しそうな顔を見るのは辛い。


(H17. 5.22 JSHS53撮影)

さらには歓楽寺でお勤めされていた住職も大阪に戻ってしまったという。

今年の2月に行われたケイチン(結鎮)が最後になったという。

住職が不在となれば9月に行われていたボタモチ籠りの薬師会式、特徴あるズイキを御供する金剛地蔵会式も中断である。

1月のフジの木叩きの乱声(オコナイ)も見ることができない。

残念なことだがやむをえない事情であると思いきや、薬師会式とオコナイは柳生の立野寺住職が代行されるという。

(H24. 5.27 聞き取り)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。