マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南之庄の農家行事

2012年08月08日 06時41分50秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
4月末の苗代作りには歓楽寺で行われたオコナイのフジの木を水口に祀る。

乱声で縁叩きをした木の棒である。

オコナイで祈祷されたごーさん札を巻き付けている。

5月初めには結鎮で作法されたクリの木にフキダワラを括り付けて田植え直前に行われる植え初めだ。

そのときはカヤを植えるという都祁南之庄のMさん。

話を聞いてから未だに実見していない。

2年続きの冷春でカヤが育っていなくて断念された。

フキダワラには洗い米を入れる。

煎ったアオマメも一緒に包む。

稲が成長した姿であることからカヤを植えるという。

例年は12本だが、閏年は13本にする。

クリの木は2本で、それぞれに半紙に包んだ洗い米も添える。

これを「サオラケ」と呼んでいるMさん。

植え初めだけに、おそらく「サブラケ(サブラキ)」が訛った呼称であると思われる。

続けて話された「ナルカナランカ」。

カキの木になにかを供えていたようだという記憶は小学生のころだ。

年寄りがしていたときに掛けた詞が「ナルカナランカ」だったという。

農業を営んでいた人たちからたびたび耳にする「ナルカナランカ」だ。

平成20年2月28日に聞いた天理市苣原の風習もそうであった。

「ハシにカラスのモチ(カキの木団子とも)を付けて子どもが「なりますか、なりませんか」と足で蹴っていた」と話していたことを思い出す。

さらに述べられた「オツキミ」の様相。

ツツジの花が咲くころだったから春であろう。

そのツツジを長い竹の竿の上に十字に縛って前庭に立てた。

子供のころだったというから60年も前のことのようだが、「なんのことかわからん」なりに立てていたと話す。

「オツキミ」は、漢字を充てれば「お月見」のようだと話す。

田植えが終わってほっと一息するが、農作業は毎日のことだ。

追肥、除草、田水管理に欠苗補充などに忙しい。

その日、一日は田んぼに出たきりになる。

お腹が減ってきてはいちいち家に戻るわけにはいかない。

そういうことで家から弁当を持っていく。

そのときの弁当がホオの葉で作ったカシワメシだ。

ホオの葉はカシワの葉に似ている。

そこから名がついたホオガシワ。

いつしか短縮されてホガシワからカシワメシへと転じた南之庄の呼称。

先週に訪れた天理市下山田の住民は若葉がでたホオの葉をみて「カシワベントウ」の葉だと云った。

都祁上深川ではホガシワ弁当、奈良市茗荷町、矢田原町、日笠町などの田原の里や山添村の北野ではホガシワ(ホガシワ飯とも)と呼んでいる。

平成21年5月に訪れた際にカシワメシを作ってくださった南之庄のMさん。

稲刈りを終えればアカメシを供えてカマを置いていたという。

(H21. 5.23 EOS-3撮影)
(H24. 5.27 聞き取り)


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