マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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期待寄せる茅の輪

2017年01月07日 08時39分35秒 | 奈良市へ
昨年の秋に訪問した大安寺八幡宮。

マツリに奉られる花御供と餅御供が残されていると聞かされて出かけた。

神社に居られた宮司さんは縁があってこの地に奉公することになった。

そのときに聞いていた八幡宮の年中行事に大祓祭式がある。

もしかとすれば茅の輪潜りを設えているかもしれないと思って立ち寄った。

頭を下げて入った境内にはその様相は感じられない。

もしかとすれば人形(ひとがた)に息を吹きかける祓いだけであるのかも・・・。

そう、思い始めたところに宮司がおられた。

朝から一仕事。

汗を拭きながら応対してくださる。

茅の輪は設える予定で進んでいた。

ところが、だ。肝心かなめの茅がない。

神社西方に茅が生えていた。

そこは水仙もあったというカヤ場。

水利の関係で綺麗さっぱり刈り取った。

茅がなければ立てることはできない。

知り合いとか、業者さんと、遠くは栃木県まで調べてもらったが、見つからなかった。

そういうことで今年はなし、ということだ。

もし、あれば、ということだが、茅の輪作りは氏子の誰しもがしたことがない。

積もり積もった半年間の穢れは6月の30日に行う大祓えで身を祓い清め、後半の半年を健康でおられるよう祈願する祭りごとである。

が、そのことを存じていない氏子さんは「それ、何って」ということになる。

おそらくの、ことであるが、大祓の斎式は長年に亘って中断していたと思われるのだ。

近年に茅の輪潜りも含めて復活した地域がある。

私が知る範囲でも2地域。

斎主が相談した氏子さん。

機運が稔って始められたという。

尤も、カヤ場が消滅して茅そのものが入手できなくなった地域もある。

茅は水場に植生する。

護岸工事が行われた場では土手は消えて植物も生えないという処もある。

そういう場であれば復興しようにも復興はできない。

ここ大安寺地区では茅場はまだ生きている。

刈り取りを早めるわけにはいかないが、水利組合との調製もいるだろう。

従前はあったとされる茅の輪潜り。

大祓祭式もしていなかったが、宮司の呼びかけで復活の機運もある。

茅の輪を立てる土台は木製。

茅が見つかっておれば6月半ばに立てていたという。

その土台はすでにできあがっている組み立て式。

高さは2mぐらいの円形。

それに集めた茅の束を括りつくるそうだ。

茅の輪は潜る際に頭を下げる礼がある。

高さが2mであっても茅の束の幅もあることから2mを下るだろう。

そうであれば頭を下げざるを得ない。

潜る場合の作法は8の字に三回廻る。

そして、本座に頭を下げて拝礼する。

その潜るときの作法に手にもつのが人形(ヒトガタ)である。

ヒトガタも3回潜ることになる。

記録もない神社記帳。

できる限りの初期状態に戻して途絶えていた大祓祭式を調えて氏子さんの厄を祓いたいと云う宮司。

来年に期待を込めて神社を後にした。

(H28. 6.29 EOS40D撮影)


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