
植物園出口でオルゴールを回すおじさん
9月23日、甥のJちゃんが赴任先のロンドンから来訪。昼前に空港からのバスが着くジャン・ジョレスの停留所で皆(夫、私、K夫婦)でお出迎え。荷物を置きにJちゃんと夫が我が家に立ち寄った後、キャピトル広場のブラッスリーで昼食(夫と私はセップ茸のリゾット、JちゃんとK夫婦はパスタ)。その後サン・セルナン・バジリカ聖堂、聖堂の傍にある「聖灰の暗号」に出てくる図書館、ジャコバン修道院などを見物して我が家へ。夜はポアロ葱・芽キャベツ・鶏のクリームシチュー、ムール貝、サラミ、チーズ(ミモレット)、ラディッシュなどを食べながら、若い皆さんの仕事の話、Jちゃんのロンドンでの暮らし振り、夫々の家のネコ自慢など、話は尽きず、気がつけばワインが3本空いていました。
***
9月24日、皆でカルカッソンヌに行く予定で、前日に5人分のチケット(行きはバス、帰りは電車)を購入していたのですが、私は今までの疲れが出たみたいで、胃が痛かったり、腰が痛かったりで、ふらふらな状態。申し訳ないけれどカルカッソンヌ行きをパスして、4人で行ってもらいました。皆が出かけた後は、途中夕方の食材を買いに出かけた以外はひたすら昼寝。よくこんなに眠れると思うほど昏々と眠り続けました。
カルカッソンヌへ行ったご一行様は、6時ごろに疲れた様子で帰宅。話によると、帰りは電車の予定が勝手にバスに代わって、社内の混雑と長時間の乗車が結構きつかったとのこと。土曜日で電車の便が少ないことは前日の段階で分かっていたものの、あるはずの電車までバスに変わるってどういうことでしょう?フランスのこういう気まぐれは一寸理解を超えています。「おばちゃん、行かなくて良かったと思う」とKちゃんの弁。若い人たちにもかなり強行軍な遠出となってしまったようです。
夜は、アボカド・サーモンのサラダ、茹でソーセージ、ズッキーニのソテー、アーティチョーク、小海老、チーズ(サンネクテール)、サラミなどとワイン3本。この日も寛いだ楽しいおしゃべりが続きました。
***
9月25日、Jちゃんは8時45分トゥールーズ発の飛行機でロンドンへ帰英。朝5時半に起きて朝食を食べて、皆でサン・ジョレスのバス停まで送っていきました。7時前のトゥールーズの町はまだ真っ暗。一部若者グループが前日の騒ぎを引き摺るようにはしゃいでいましたが、他にはほとんど人影がなく、真っ暗な空に細い月が浮かぶ中、大型清掃車が何台も水をまきなが街を洗って掃除しているのが、真夜中感を募らせました。
Jちゃんを見送って家に戻り、マルシェで買い物。小休止の後10時に再びK夫婦と外出。この時間には明るい青空が広がって、寛いだ日曜日到来の雰囲気。最初にオーギュスタン美術館に入館。ロマネスクの柱頭やレリーフ、ドラクロワやロートレックなどの展示が豊富で、見応えがありました。一地方都市の小さな美術館にこんな風に美術品が潤沢に展示されていて、人が少なく静かな環境でゆっくり鑑賞できるというのは、本当に贅沢。この国の奥深さを痛感させられます。
美術館を出て、まだ時間があるからと、最後に案内し残した植物園に行くことにしました。青空、色とりどりの花、噴水、親に連れられた幼い子供と、いつ来ても心和む場所です。日曜日の今日は若い人たちが大勢ジョギングをしていました。のんびり散歩をして出口に行くと、赤い縞々のシャツを着て、麦藁帽子に赤い花をつけたおじさんが、オルゴールを回しながら可愛らしい調べの歌を歌っていて、周りには親子連れが囲んで楽しそうにしています。そこには何ともいえない長閑な空気が流れていました。
外出から戻り、朝マルシェで買ったパテ、キッシュ、巻貝、ラディッシュ、桃などを広げて、K夫婦と我が家で最後の昼食。私の知る範囲で食べておいてもらいたい物はほとんど食べてもらったと、一応納得。昼食を終え、1時過ぎに家を出て、エスキロール地下鉄駅近くでタクシーに乗って、K夫婦も空港へ。帰国の途に就きました。
賑やかで楽しかった来客のおもてなしもこれで一段落。何だか寂しくなってしまいましたが、しばらくグタッと過ごして疲れを取るのも悪くないかもしれません。(三女)
