ミケーネ・ディ・トロといピアニストをたぶんデビュー依頼ずっと聞いていて、ちょっとかいぞびれていたアルバムを手に入れたのが最近でした。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20100316
それもとても良く、そのタイミングで新しいアルバムが出ることを知りました。
それがこれ、コンサートでのソロパフォーマンスです。
1曲目格調高い落ち着いたイントロで始まる曲が、なんと“How Insensitive ”に変わるあたり、スタートからディ・トロのピアノが、まるで手の中でピアノを使い回すようで驚くのです。
JAZZ・ミュージシャンのピアノ・ソロは、それぞれ個性なども出してたくさん良いものあります。
でも、曲の特徴や良さを実にテクニカルに表現するピアニストはこの人だと思ってきました。
2曲目はモーツアルトの曲、この人実にクラシカルな音も上手く出して、私クラシックの人にも薦められるピアニストだと思っています。
コンサートの模様のようですが、ホールの音が、まるでクラシックです。
クラシックファンからは荒っぽいモーツアルトだといわれそうな、ガンガンの生きの良いモーツアルトです。
3曲目はオリジナル、この人ちょっとキースが弾くようなゴスペル調が得意で、そこの好きなわけで、実はその上にキースいり今は上手いのではと思うテク、かみ合うとこれが凄い演奏になるのです。
4曲目は再び、モーツアルトの曲をベースに演奏しますが、キラキラする曲運びのなかスタンダードの変化、とても華やかです。
5曲目が落ち着いたクラシカルなイントロからこちら、トルコ行進曲が始まり、それを間に挟んでラグピアノなどの変奏をいれ、充分にクラシックのファンを楽しませます。
ゆったりしたあたりにとてもロマンチィックな音を出すのが好きです。
そしてラグのピアノの凄さを完全に再現する技量も見逃せません。これほどのタイム感覚を持った今のピアニストを思いつきません。
その後の6曲目はこの人のオリジナル、とてもロマンチックな曲を書くのです。
ピアノの鳴らし方も、まるで手本のように美しく広がって、なんだかこの人の手は、神が与えたのではと思ってしまいます。
多くのピアニストを聞いていますが、これほどまでにピアノを鳴らせる人(JAZZ的とかは別にして)少ないと思います。
日本ではあまり評判になりませんが、ぜひ機会を見つけて聴いて欲しいピアニストです。
このアルバム後半はミケーネのオリジナル、それはとても美しく、ピアノの響きを大切にしながら、旋律というものが私たちの周りを取り巻いて、肩をさわり、ほほを撫ぜ、脇を爽やかに通りぬけていく、そしてこの音楽が私たちのためにあることを感じるのです。
8曲目はもう一度元気良くラグのはや引き。まあ、全く上手いのです。
そしてヴォーナス・トラックは波の音など流れて、美しいだけのボーナスかと言うとこの人の本質のような演奏です。
テクニックの素晴らしさにまず驚きますが、それは心を表現するためのテクであることを聴いているうちに思い知らされるわけで、どうしてこのような演奏が出来るのか、とても驚く人なのです。
MY PIANO INSIDE ME / MICHELE DI TORO
MICHELE DI TORO piano
1. How Insensitive
2. Adagio 'Dal Concerto per Clarinetto Ed Orch.K.622
3. Honky Country Mode
4. Adagio Fur Glasharmonika
5. Playing A'la Turque
6. Ad Alessandra
7. Trip
8. See You
9. La Favola Continua(Bonus Track)