若いときに聴いているミュージシャンは、その存在自体が私のスターとして心に残っています。
サックスではトム・スコットが素晴らしいタイム感覚でサックスを吹いていましたが、グロヴァー・ワシントン・ジュニアも素晴らしいアルトの音で、ポール・デスモンドの後継者だと思っていました。
残念ながらそれはあっという間に途切れてしまい、デスモンドの後継者は誰だか結論がなくなりました。
その私のスター、グロヴァーのライブ・アルバムが出て、手に取ったら離せなくなりました。
1977年のライブ・レコーディング、ライブというのはめずらしいかも知れません、どうやら最後のレコーディングのようです。
一つ一つは省きますが、2曲目ポール・デスモンドの“Take Five”これを演奏しているアルバムもっていますがとても好きです。
そしてライブでもこれを上手く使うあたり、デスモンドを気に入っていたのですね、二人は繋がっているのです。
このコンサートでのほかのミュージシャンは残念なら凄いとは言いがたいところがあります。
グローバー好きの私はそこをごまかして聴いていますが、これはしょうがない。
グローバーのファンですから、許して聴きます。
そしてデスモンド亡き後、“Take Five”をこのように吹ける人はグローヴァーでした。
3曲目”Soulfuk Strut”も懐かしい曲です。
で後と知らない曲がつづいて、そして残念ながら演奏も一流とはいえないところがあります。
グローヴァーの素晴らしいワールドを再現しているとはいえませんが、(グローヴァー自体は良い)でもファンですから、めずらしい演奏とてもうれしいアルバムです。
フュージョン・プレーヤーと位置づけられた人の記録が発売されることなどめずらしいのではないでしょうか。
ファンにとってはとてもありがたい一枚になりました。
アルト、ソプラノ、テナーとまるで差を感じさせない技量、こんな人あまりいないのです。
10曲目“Inner City Blues”なんかが、実は古くて大好きです。
何で亡くなってしまったのでしょうね、この人とマーヴィン・ゲイの死がなかたっら、もう少し素晴らしい音楽が出来ていたような気がします。
Grover Live / Grover Washington,Jr
GROVER WASHINGTON JR.(ts,ss,as,bs)
DONALD ROBINSON(key)
ADAM HOLTZMAN(key)
GERALD VEASLEY(b)
RICHARD LEE STEACKER(g)
STEVEN WOLF(s)
PABLO BATISTA(per)
1997年6月7日:パラマウント・センター(ニューヨーク、ピークスキル)にて収録
1. Winelight
2. Take Another Five
3. Soulful Strut
4. Grover Talks
5. Mysitcal Force
6. Uptown
7. Sassy Stew
8. Grover Talks Again
9. Black Frost
10. Inner City Blues
11. Strawberry Moon
12. Inside Moves
13. Jamaica
14. East River Drive
15. Just The Two Of Us
16. Sausalito
17. Let It Flow (For "Dr. J")
18. Mr. Magic