青山学院春木教授事件というものをご存じない方もだいぶ多いのではないだろうか。起こったのが昭和48年(1973年)だから実に50年も前の事件だ。青山学院の教授春木猛(63才)が教え子(24才)に対し学院内で性的暴行を行ったというものだ。
この学校には縁もあるし、そしてこの時期は学生でもあった。当時はなんてこったとは思った。その後懲役3年の刑が決定し、服役、春木教授は出所ご83才でなくなっている。当時毎日新聞の記者だった著者がこの事件に疑問に思いその後長い年月調査をし事件の顛末を明かしていくのがこの本。
雑誌の紹介で本書を知り、ただの性的事件と思っていたのは間違いかと思い読んでみた。
被害者とされる女性の証言や行動でどうしてこのような判決になったのかは読み切れないが、のちに「地上げの帝王」と呼ばれた最上恒産の早坂太吉が裏にいたり、教授間の確執など合って、誤審だと思う。
基本まじめな大学教授が人生に躓いてひどい目にあったというのが結論になるか。真相が明らかになって、こちらは一つ落ち着きが出来た。