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映画「アルゴARGO ’12」劇場公開2012年10月

2013-03-28 12:33:52 | 映画

                            
 1979年11月4日イランのアメリカ大使館人質事件が発生。外交官や大使館警備の海兵隊員とその家族52人がデモ隊の大使館占拠の際、人質として拘束された事件である。その時外交官6人が裏口から脱出してカナダ大使館私邸にかくまわれた。

 この救出作戦を、トニー・メンデス(ベン・アフレック)の提言によるSFファンタジー大作映画のスタッフが現地調査でイランを訪れて帰国すると言う計画でその映画の題名がアルゴというわけ。

 一体どうして人質事件が発生したのか。映画はその辺をまず説明している。ナレーションで次のように流れる。「1958年英米が陰で操ってパーレビを国王にした。若きパーレビは贅沢な浪費で知られた。王妃は牛乳で体を洗い、パーレビはコンコルドでパリから昼食を運ばせた。民は餓えていた。パーレビは権力維持のため秘密警察“サヴァク”を創設。拷問と恐怖の時代が始まった。パーレビはイランの西欧化をめざしシーア派教徒たちを激怒させた。1979年イラン国民はパーレビを追放した。亡命していた最高指導者ホメイニ師が帰国。恨みの応酬、粛清、混沌がイランを覆った。米国はガンを患うパーレビの入国を許可。イラン国民は米国大使館に押し寄せパーレビの引渡しを要求した。裁判にかけ絞首刑にするために」

 感想の多くは、手に汗握るスリリングな展開でさすがベン・アフレックだ。というのが多い。ただ、確かに1980年1月27日の脱出決行日は緊張感に包まれるが、それまでは淡々としたテンポで流れていく。この辺は創作できない実話を基にした欠点かもしれない。全体に緊張感が押し寄せてこない。

 主人公役のベン・アフレックのほとんど笑顔のない演技と最後に別居中の妻と顔を合わせるが、言葉がなかった。無言の抱擁だった。それでもいいかもしれないが、実際のトニー・メンデスは、妻から「あなたは英雄だ」と言われたといっている。そういう一言があってもよかったかもしれない。

 映画は救出作戦のみを追った感じだ。アカデミー作品賞も、なんだかアメリカ賛歌の気がしないでもない。ベン・アフレックの’07「ゴーン・ベイビー・ゴーン」’10「ザ・タウン」の二作ほどの重みと余情は感じられなかった。ちなみに「ゴーン・ベイビー・ゴーン」は劇場未公開だ。
            
            
        
監督
ベン・アフレック1972年8月カリフォルニア州バークレー生まれ

キャスト
ベン・アフレック
ブライアン・クラストン1956年3月カリフォルニア州産フェルナンドヴァレー生まれ。
アラン・アーキン1934年3月ニューヨーク生まれ。
ジョン・グッドマン1952年6月ミズーリ州セントルイス生まれ.。
コメント
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