第二章は、性風俗こそ江戸の一大文化とあり、ほとんど遊郭のお話。当時の日本人の性に対するおおらかさを驚きの目で見るドイツ人医師シーボルトも、品川宿で目撃した白昼堂々と郭を出入りする紳士を見てである。
確かにそういう面は戦後もあった。正月の遊郭は、男どもが群れをなして押しかけていたものだ。みんな顔を上げて何の照れもない無邪気な表情が印象に残る。ただ、人身売買で売られてきた遊女の身の上を思う男が何人いただろうか。
現代の風俗店の女性は、自らの意思で稼ぐために働いているのが多い。この点が大いに異なる。
もう一つ嬉しくないのが、梅毒や淋病という性病の蔓延だろう。確か戦後は、衛生管理が徹底されて病気を気にすることはなかったと思う。思うというのはチョット頼りないが、そのように記憶しているからだ。
コンドームを使わずにわたしも病気をもらったことはない。いずれにしても、ただ射精するためだけの場所で何の感興もなかった。そういう点で言えば、今の風俗店のほうが、格段にサービスがいい。断定した言い方だが、ソープランドへ行った一度の体験による。
インターネットでそれらのサイトをぶらついていて、ぴちぴちギャルの写真を見ると、もう一度行ってみたいと思うから、幾つになっても女の肌から離れられないようだ。
第三章は、「フーゾク都市江戸」をのぞく。第四章江戸発、「性」の事件簿とつづく。この江戸時代の性愛については、いろんな人が書いていて、読む方もいい加減飽きてもいいのにどうしても手にとってしまう。この本も図書館で借りたが、わたしの後に二十二人が待っている。おそらく、わたしのようないまだ青春時代と思い込んでいる人たちなのだろう。
江戸時代の女の肉体の細部に触れていたいが、女の身長が150センチもない時代を考えれば、栄養状態を加味して豊満な肉体美というのはごく稀だったのではないだろうか。