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奇才かor鬼才か。デヴィッド・リンチの作品2点。「ブルーベルベット」「マルホランド・ドライブ」

2014-11-30 17:51:16 | 映画

              
 まず「ブルーベルベット ’86」劇場公開1997年5月
1950年代ノース・キャロライナ州の田舎町ランバートン。青い空からきらきらと輝く太陽が降り注ぎ、美しい芝生と白いフェンスの明るい家並みと明るい草原。幸せな風景。

 ジェフリー(カイル・マクラクラン)は、そんな草原を横切っているとき、ちぎれた人間の耳を発見する。これがすべての始まりだった。

 「ブルーベルベット」という題名は、1960年代初頭に流行ったボビー・ビントンの歌曲からとったものだ。デヴィッド・リンチがインタビューに答えて言うには、この曲を聴いてアイデアが浮かび7年ほどかけてミステリーとして脚本を書いた。
 そして人間の表面的な明るい部分の裏には闇の部分が隠されているという。映画はその闇に手を突っ込む。人間の欲望や暴力が渦巻く暗部だ。

 この映画では、性的な面も描かれるのもそれを象徴するものといえるからだろう。誰でも性的嗜好を話したくないし知られたくない。

 ジェフリーは、ドローシー(イザベラ・ロッセリーニ)の部屋に忍び込みクローゼットからフランク(デニス・ホッパー)と演じる性的倒錯のすべてを見てしまう。独善的なフランクとジェフリーの邂逅から暴力による支配が高まる。

 ジェフリーと刑事の娘サンディ(ローラ・ダーン)の恋物語が絡み、ミステリーの中のラブ・ストーリーと言ってもいいかもしれない。いずれにしてもスーッと理解できない映画で公開当初は不評だったと言う。ところが全米批評家協会賞の作品賞と監督賞、それにロサンゼルス批評家協会賞の監督賞を受賞する。

 もともと画家を志していたリンチの絵は、シュールレアリスムと言われるような作風だったらしい。それを映画に持ち込んだ。わけの分からない映画という人だ出てきてもおかしくない。

 第一リンチ自身が言う。「鶏肉一羽買ってきて、それをばらして写真を撮る。いろんな配置で撮る」普通の人はこんなことはしない。頭の中はわれわれとは少し違うようだ。

 イザベラ・ロッセリーニがはにかみながら言ったのは、デニス・ホッパーがイザベラが両足を開いた股の間を覗き込む場面で、下着を着けていなかったことを明かした。デニス・ホッパーは「見慣れているから」と言って気にしていない風だったという。
女優業ってかなり大変だなあと思わずにいられない。
          
          
監督
デヴィッド・リンチ1946年1月モンタナ州ミズーリ生まれ。

キャスト
カイル・マクラクラン1959年2月ワシントン州ヤキマ生まれ。
イザベラ・ロッセリーニ1952年6月イタリア、ローマ生まれ。母親は「カサブランカ」で有名なイングリッド・バーグマン。素顔のイザベラは母親そっくりだ。
デニス・ホッパー1936年5月カンサス州ダッジシティ生まれ。2010年5月逝去。ローラ・ダーン1967年2月カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
              
「マルホランド・ドライブ’01」劇場公開2002年2月
 この映画もよく分からない映画だ。デヴィッド・リンチという監督は、女性を裸にする癖があるようだ。この映画もナオミ・ワッツとローラ・エレナ・ハリングのレズビアンの絡みがある。ナオミ・ワッツは、この映画が飛躍の元となった。二人の女優のキレイな裸体が印象に残っただけ。
         
キャスト
ナオミ・ワッツ1968年9月イギリス、ショアハイム生まれ。
ローラ・エレナ・ハリング1964年3月メキシコ生まれ。

知らなかったポール・ボッツ、映画「ワンチャンス’13」で知る。劇場公開2014年3月

2014-11-25 21:15:52 | 映画

              
 2008年に来日しているというから、知らないと言うのはとんだ恥さらしだ。だが、知らないものは仕方がない。

 ホセ・カレーラスやルチアーノ・バヴァロッティ、プラシド・ドミンゴという三大テノール歌手を耳にしているが、ポール・ボッツまでには至らなかった。

 そのポール・ボッツは、ホセ・カレーラスに憧れて目標としていた。今彼はその目的を達したが、それまでの道のりを映画化したものがこの「ワンチャンス」だ。

 私にとってオペラはあまり馴染みがない。それでも映画の中で効果的に使われると、感動するから不思議なものだ。
 映画を観ながら、仮に恋人と自宅で食事という場合、ピアノ・ジャズもいいがここで歌われているような曲を流すのもいいかも知れないと思った。とにかく雰囲気が知的でなかなかいい。女性はおしゃれが好きだから、こういう雰囲気を作り出せば彼女は私のもの。
           
           

 それはともかく、気持ちよく楽しい気分にさせてくれた映画だった。ポール・ボッツが歌う「ワンチャンス」からどうぞ!

監督
デヴィッド・フランケル1959年4月ニューヨーク生まれ。

キャスト
ジェームズ・コーデン1978年8月イギリス、バッキンガムシェア生まれ。
アレクサンドラ・ローチ1987年ウェールズ生まれ。

人間は愚かではあるが、和解のできる生き物でもある。「レイルウェイ運命の旅路’13」

2014-11-23 16:50:15 | 映画

              
 戦争に勝ち負けがあるが、真の勝利者はない。この映画を観ていると、そんな感想を持つ。真の勝利者とは、神に誓って正義の戦をしたと言えること。

 残念ながら戦争は邪悪だしなんら建設的な側面がない。喜ぶのは武器商人ぐらいなもの。過去に真の勝利者になった国はない。拉致や拷問の類は日常茶飯事だし相手を欺くことに血道をあげるからだ。正にこの映画も拷問が日英の兵士に拭い難い心の傷を残す。それは本人ばかりでなく家族にも及ぶ。

 1942年2月15日英国軍は日本軍のシンガポール攻撃で降伏の憂き目に遭った。当時の日本軍は輸送物資の補給に難渋していた。戦局拡大のため補給路を必要としていたようだ。

 そのためビルマ(現ミャンマー)とタイにまたがる泰麺鉄道の建設が急がれた。英国軍の捕虜や現地人、勿論日本の兵士も狩り出され突貫工事で進めた。マラリア、赤痢、熱帯潰瘍、コレラに悩まされながらの工事だった。

 英国軍の兵士の中にエリック・ローマクス(コリン・ファース)がいた。彼は戦友のフィンレイ(ステラン・スカルスガルド)とともに戦況を知るために受信機を作った。ラジオから流れるアナウンスは、日本軍の敗色濃厚を知らせる。

 その受信機について日本軍憲兵隊の知るところとなったが、発信機だと疑われエリックは、凄惨な拷問を受ける。憲兵隊の通訳として任務についていたのは永瀬隆(若いころは、石田淡朗、のち真田広之)だった。拷問の現場にも立会い、強い口調でエリックに白状を迫る。

 この場面を観ていて憲兵隊の隊長があくまでも送信機だと決め付けているのが、現代の私には不思議に思った。受信機と送信機の違いぐらい分かりそうなものだ。隊長が分からなくても通信兵もいることだから。

 この映画は実話を元にしているので隊長の態度が真実だとすれば、なんと日本軍の脆弱な知識レベルかと思わざるを得ない。ゼロ戦を作る能力があっても、最前線の兵士がこれでは悲劇を重ねるだけだろう。永瀬隆は、そういう立場に置かれていたため、英軍兵士からは憎悪の対象にされていた。

 さて、映画の出だしはロマンティックなものだった。1980年、鉄道マニアのエリックは乗り合わせたパトリシア(ニコール・キッドマン)との出会いがある。二人は恋に落ち結婚する。
 しかし、時々エリックがうなされて飛び起きることを見て心配したパトリシアは、戦友だったフィンレイに事情を迫り口を開かせた。そしてフィンレイから危険な内容として知らされたのが永瀬が生きていることだった。

 エリックは永瀬に会うが、永瀬も戦争の被害者だったことを悟り爾来生涯の友となる。一発の銃弾も炸裂しない戦争映画で重いテーマが心を締め付けるのは間違いない。

 エリックの妻パトリシア役のニコール・キッドマンの顔をしげしげと眺めていると、少し老いた感じがあるが相変わらず美しい。私には完璧な美しさに見える。
 うりざね型、彫りの深い目が大きく、魅惑的なブルーの瞳、匠が彫ったような鼻筋、上品でイチゴのような唇。これ以上ないという造形は、エリザベス・テイラーにも感じたしグレース・ケリーにも感じた。と言うことでキッドマンにはべた惚れ。

 映画の感動的なラスト・シーンに重なって2011年6月永瀬隆、2012年10月エリック・ローマクスの他界を告げる。
           
           
           
           

監督
ジョナサン・デプリッキー オーストラリア人

キャスト
コリン・ファース1960年9月イギリス、ハンプシャー州生まれ。
ニコール・キッドマン1967年6月ハワイ、ホノルル生まれ。
ステラン・スカルスガルド1951年6月スウェーデン生まれ。
真田広之1960年10月東京生まれ。

房総半島、へそ曲がりドライブ

2014-11-20 16:28:38 | ドライブ

 18日は、一日中晴れて雨の心配がないとの天気予報。ならば兼ねて思い描いていた地方道、都道府県道、それにその他の道を辿って目的地へのドライブを実行に移した。

 道路地図では、地方道は緑、都道府県道は黄色、その他の道は無色で二本の線だけ。ナビで検索すれば、こんな道は絶対に表示されないという道だ。

 なんでそんな道を走りたいの? と問われれば「国道は渋滞するし飽きたから」と答える。それに今回走った道のように、コンビニが一軒もなく交通量が極端に少ない点も理由のひとつだ。

 人けの少ない道路は、どこまでものんびりとしていて夕闇が迫れば静かな暗闇に沈みこんでしまうのだろう。
 道端を歩く人を見かけたら「どこへ行くんだろう」とか「学校や病院へは大変だろう」なんて思いをめぐらす。

 今回の目的地は、勝浦と天津小湊の中間あたりの守谷海岸。ここは何度も訪れたところで、白砂の渚に澄んだ水のキレイな海岸だ。夏には海水浴場にもなる。

 事前に簡単なコマ図を作っておいて、午前9時半ごろスタート。途中一度迷っただけで午前11時過ぎには守谷海岸に着いていた。所要時間1時間40分ぐらい。意外に早かった。

 交通量が少ないというのは、のんびり走ってもあまり時間がかからない。国道の信号機や車の多さで時間とガソリンの浪費に気付かされた。

 この日の守谷海岸は、ひっそりとしていた。波も穏やかで有り余る暖かい太陽に目を細め、静かな昼時だった。
 歩いてきた地元の猟師のおじさんと言葉を交わす。指差しながら「あの突端へは行けますか?」がきっかけで、渚の貝殻の多さを「滅多にないことだよ」と言った。そして「これは珍しい貝だよ」と言って手渡してくれた。
 いくつか拾っているとき「波が来るよ」と言った。たしかに波が足元まで這い上がってきた。「俺は漁師だから波は音で聞き分けているんだ」と言う。おじさんは貝殻を見ながらどんどんと遠ざかってしまった。

 私はぶらぶらとしながら何枚かの写真を撮った。帰路は、九十九里方面へ遠回りをして午後3時過ぎには自宅に着いた。
           
           
           
           
 往きのコースで地方道その他の道の172号線が山中に入り、すれ違いの難しい狭いところもあった以外はのんびり運転だった。この山中の道も楽しい。以前、林道を走り回っていたころを思い出した。
           

世界の片隅で花咲く兄弟の絆「ランナウェイ・ブルース」劇場公開2014年3月

2014-11-17 20:59:16 | 映画

             
 原題は、「The Motel Life」。かなり地味な映画。映像も冬の暗い場面が多い。しかし、観終わって何か心温まるものを感じる。

 父は家出、母を亡くした十代の兄弟。兄ジュリー・リー(スティーヴン・ドーフ)と弟フランク(エミール・ハーシュ)は、モーテルが住家。成長した二人は相変わらずカリフォルニア州リノでモーテル暮らし。

 そんなある日、ジュリー・リーが血相を変えて駆け込んで「子供を撥ねて殺してしまった」と。動転していた二人は、モーテルから逃げるしかない。
 子供を撥ねた車で移動中、フランクが食べ物を買いに出た隙に、ジュリー・リーは弟を残して走り去る。
 郊外の雪原でジュリー・リーはその車を全焼させ、町に戻って川べりのベンチに座り自らの命を絶とうとしたがそんな勇気は持っていなかった。どういうわけか右太ももを撃った。急を聞いて駆けつけたフランクに申し訳なさそうな兄がベッドでにやり。

 やがて燃やした車に興味を持つ警官。兄の恋人ポーリーの「うちに警官が来たよ」の言葉は、二人をリノからネバダ州エルコへの旅に急きたてる。

 アメリカ映画お得意のロードムービー。私はこういうロードムービーが大好きで、その国の表情がよく分かる気がする。

 カリフォルニア州リノからネバダ州エルコへは、インターステート80号線の一本道。アメリカの大地は、だだっ広く変化が乏しい。眠くなるような風景の背景音楽は、カントリー・ミュージックがよく似合う。この映画も当然そういう音楽に彩られている。

 エルコは、町の中を一本の地方道が貫いていて、日本の集落を思い起こさせる気だるい風景がそこにあった。

 フランクには、アニー(ダコタ・ファニング)という恋人がいるが、アニーも不運な女性でジュリー・リーに言わせると「不運な人間には不運な相手がお似合いだよ」やや自嘲気味とはいえ、なぜか宿命を感じさせる。
           
           
監督
アラン・ポルスキーとガブリエル・ポルスキーの兄弟。

キャスト
エミール・ハーシュ1985年3月カリフォルニア州生まれ。
スティーヴン・ドーフ1973年7月ジョージア州アトランタ生まれ。
ダコタ・ファニング1994年2月ジョージア州生まれ。
クリス・クリシトファーソン1936年6月テキサス州生まれ。

この政治ドラマは面白い。テレビドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段シーズン2」

2014-11-14 20:57:51 | 海外テレビ・ドラマ

             
 正直言って政治ドラマはとっつきにくい。ましてやアメリカの政治となれば尚更だ。

 このドラマは、シーズン1から異様な展開だった。オープニングで車が犬を撥ねる。自宅アパートから飛び出してきたフランク(ケヴィン・スペイシー)は、護衛官に「飼い主に知らせろ」と言った後、クーンクーンと鳴く犬の首を絞めて殺す。もうこれでこの男の本性が明らかなる。

 その男が大統領の座を目指して汚い手を次々に連発していく。肉体関係まで進みながら裏切りを知り、その女性記者を地下鉄の投身自殺に見せかけて自ら殺すのもいとも簡単にやってのける。

 この男の妻になるのは、ロビン・ライト。このハリウッドの俳優二人を起用してのドラマは、なかなか評判がいいようだ。ロビン・ライトも一癖ある女を好演している。

 シーズン2で現大統領を失脚させて、晴れてアメリカ合衆国大統領の座を手にした。副大統領からの昇格で、選挙で選ばれていないが残る任期二年間で実績を積み上げればいい。

 このドラマがこれで終わるとは思えない。シーズン3、シーズン4と進み野望の砕ける展開となるのだろう。いずれにしても先の楽しみなドラマではある。

監督の一角を占めるのは、ロビン・ライトとジョディ・フォスター。女優も年をとってくると製作に興味があるみたいだ。
           
           
           


店頭に鯖が見当たらない。そうなるとバッテラが作れない。

2014-11-09 20:49:14 | 料理

 昨日も今日もスーパーで探したが鯖が見当たらない。秋サバの旬に入っているはずなんだが。どうしたんだろう。

 その鯖で久しぶりにバッテラを作ろうと思ったわけ。バッテラというのは、関西の人は分かると思うが、鯖寿司のこと。もともと押し寿司が主流だった関西。今は東も西もないが、私の好きな食べ物。

 鯖を探したがないので魚売り場で目に付いたのが刺身用の鯵だった。鯵の押し寿司を作ることにした。

 出来上がりは見栄えはよくないが写真のような押し寿司ができた。味は結構よかった。
   
 三枚におろして両面に塩を振り30分。生姜と昆布を入れた酢に10分ほど浸ける。本来は押し寿司用の型枠が隠れるくらいのサランラップを敷き、その上にアジを隙間がない様に乗せる。さらに酢漬けの生姜を散らしてすし飯を乗せてぎゅっと押す。型枠から抜いてサランラップで包んでバットに並べる。適当に重石をして1時間。あとは切って食べるだけ。

 ところがその型枠が見当たらない。仕方がないので、巻きすにサランラップを敷いてアジ、生姜、すし飯を載せ、形を整えてバットで寝かせた。

 一度食べたいと思うのは若狭街道にある鯖寿司だ。これはいつになるのか見当もつかない。

自分を見失ってさまよう男と女の行き着く先は……「アイ・アム・ニューマン’12」

2014-11-05 20:37:15 | 映画

             
 人間誰しも人生で一度や二度迷うこともある。そして、どういうときに転機になるのか。予測不可能なもの。

 ウォレス・エイヴリー(コリン・ファース)の名前を消して3000ドルを費やして「アーサー・ニューマン」になった。フェデラルエクスプレスの管理職から、インディアナ州テレホートにあるゴルフクラブに勤める決心をした。

 途中のモーテルの夜更けにプール・サイドで薬なのか酒の影響なのか、わめく女マイク(エミリー・ブラント)を病院へ連れて行ったのが運命となって、目的地のテレホートへの同行者になり、同行者から恋人になる。

 このマイク、女なのに男の名前を自称していて盗癖もある。本名はシャーロット・フィッツジェラルド。

 別の名前を持った男と女。共通しているのは、現実からの逃避。それがテレホートで予期しない転機が訪れる。かなり地味な映画ではあるが、なぜか印象に残った。
          
          
監督
ダンテ・アリオラ 

キャスト
コリン・ファース1960年9月イギリス、ハンプシャー州生まれ。
エミリー・ブラント1983年2月イギリス、ロンドン生まれ。

D.I.Y いわゆる日曜大工。初めて3段植木鉢台を作ってみた。

2014-11-03 20:33:17 | 日曜大工

 話はちょっとそれながら始まる。私は料理をするのも好き。ネットで調べてそれを作るのもいいが、テレビの料理番組も嫌いではない。ただ、どこかの料理研究家という人の番組には興味がない。

 私の興味は、いわゆるシェフという人の番組だ。とにかく手さばきがまったく違う。例えば、チャーハン。中華鍋でご飯と具を炒めるのに鍋の中でぐちゃぐちゃとこねくりましたりしない。

 1メートルも鍋から飛び上がるご飯と具。そしてお皿にこんもりと盛り付けられる。油と空気が適度に混ざり食感がいい。もちろん味もいい。

 そういう意味では、この大工仕事もプロの仕事には鮮やかな手法がある。私たち素人には手の届かない領域だ。 が、何か手作りできるものがある筈。

 ネットをうろつき回ってD.I.Yのサイトにたどり着いた。そこでは懇切丁寧なマニュアルもあり、3段植木鉢台をプリント・アウトした。

 出来上がったのが添付の写真。写真では細部が分からないが、寸分の狂いもないという出来栄えではない。マニュアルには板取図というのがあって、ワンバイフォー材のカットする図面がある。その通りにカットしたが斜め切りに問題があって、完成後修正を余儀なくされた。それにペイントの仕方が悪く垂れた部分もある。あれやこれやの問題点が残った作品になった。
    
 このために新しく買ったのが、ノコギリとそのノコギリをうまく扱うソーガイド、スレンダースレッドネジ、塗料など。
 ノコギリは替え刃式。ソーガイドの直線切りの快適さもいい。何事も体験に勝るものはない。 というのが実感だ。

 また、D.I.Yから外れるが、今読んでいるミステリー、マイクル・コナリーの「ナイン・ドラゴン」の中で、殺人課ボッシュ刑事が売れない作家に手錠をかける場面で、かけられた作家曰く「これで手錠をかけられた場面が書ける」。これはたぶんマイクル・コナリーの信念かも知れない。ロサンジェルスが舞台の作品で実在の店や場所がふんだんに出てくる。つまりリアルな描写を心がけているということだろう。

 日本人作家に多いA町とかD大学というあいまい表現は、海外の作家にはない。そこが私の気に入るところで、料理もD.I.Yも読書も、私は本物のプロに憧れているのかもしれない。

SNSの世界がもたらす負の側面「ディス/コネクトDISCONNECT ’12」劇場公開2014年5月

2014-11-01 20:38:35 | 映画

             
 私たちは今やインターネットの世界を離れて暮らすことができない。台風が近づいてきたとき、交通機関への影響は避けられない。

 そんな時、各交通機関の電車やバス、飛行機や船のリアルタイムの情報はネットで調べるのが一番確実性が高い。しかもテレビやラジオでは「より詳しい情報はそれぞれのホームページでどうぞ」というのが決まり文句になっている。

 インターネットはプラスの面も多い代わりにマイナスの面もある。この映画は、それを描いてありその中に家族や父と息子、夫と妻との溝が埋まっていくという皮肉も散りばめられている。

 高校生の悪ガキが、孤独で作曲が唯一の趣味という同級生に女の子に成りすましてメール送る。これがとんでもない事件に発展する。

 また夫がカード使用を断られたことが発端で、妻のSNSのチャットに起因すると思われ相手の自宅に銃を持って押しかけるという展開。

 それに未成年ポルノの当事者にインタビューを画策して近づく女性レポーターの悲哀。それぞれの物語が絡まりながら人間的な味付けで製作者の良心が見える。
         
         
         
         

監督
ヘンリー=アレックス・ルビン

キャスト
ジェイソン・ベイトマン1969年1月ニューヨーク生まれ。
ホープ・ディヴィス1964年3月ニュージャージー州イングルウッド生まれ。
フランク・グリロ1963年6月ニューヨーク生まれ。