映画「若草物語」はテレビ映画一度を含めれば、四度映画化されている。四人の姉妹が成長する物語。
特に3度目の映画化になった1949年制作では、エイリザベス・テイラーの美貌にはしばらく放心状態なった記憶がある。世の中にこんな美女がいるのか? 一緒に行った彼女が凄くみすぼらしく思えたのは、私の傲慢だったと今は思う。しかし、彼女のほうも映画の中の男優を見ながら、私のことをみすぼらしいと思っていたかもしれない。そうであればお相子だが、ここはごめんなさいねとそのときの彼女に謝りたい。
で、長女というのは、思慮深くて冷静で気品も備わっているというキャラクターは、「いつか晴れた日に」も生かされている。こちらは三人姉妹で長女をエマ・トンプソンが演じる。はっきりものを言う次女をケイト・ウィンスレット、お転婆の三女をエミリー・フランソワが演じる。こちらは成長物語と言うより婿取物語といってもいい。
その婿になりそうなのは、アラン・リックマン、ヒュー・グラント、グレッグ・ワイズたち。娘三人を嫁がせるのは容易ではない。ましてや遺産相続の恩恵に浴していないとなれば尚更。笑わせ、ハラハラさせ、最後に涙ぐませる憎い作品となっている。
私は二度目の鑑賞になるが、ストーリーは覚えていてむしろ背景音楽に気持ちが移った。音楽担当がパトリック・ドイルで、本作ではアカデミー賞の音楽賞にノミネートされた。
それにヒュー・ローリーを見つけて、あの「ドクター・ハウス」の天才医師がパーマー氏としてちょこっと出ているのも、20年という時間は人を変えるもので、古い映画を観る一つの楽しみかもしれない。1994年制作の「若草物語」にしても、TVドラマ「ホームランド」の主役を演じるクレア・ディンズがベス役で出ているという具合。この映画も観たくなった。
さて、ここで耳に優しい音楽を……サウンド・トラックからパトリック・ドイルの「The Dream」をどうぞ!
監督
アン・リー1954年10月台湾生まれ。2005年「ブロークバック・マウンテン」、2012年「ライフ・オブ・バイ/トラと漂流した227日」でアカデミー賞監督賞受賞。本作は1996年ベルリン国際映画祭で金熊賞受賞。
音楽
パトリック・ドイル1953年4月イギリス、スコットランド、アッディンストン生まれ。本作でアカデミー音楽賞にノミネート。
キャスト
エマ・トンプソン1959年4月イギリス、ロンドン生まれ。1992年「ハワーズ・エンド」でアカデミー主演女優賞受賞。本作では脚色賞を受賞。
アラン・リックマン1946年2月イギリス・ロンドン生まれ。2016年1月没。
ケイト・ウィンスレット1975年10月イギリス、イングランド、バークシャーレディング生まれ。2008年「愛を読むひと」でアカデミー主演女優賞受賞。
ヒュー・グラント1960年9月イギリス、ロンドン生まれ。
グレッグ・ワイズ1966年5月イギリス、ニューキャッスル生まれ。エマ・トンプソンは妻。テレビ界から映画に初出演。妻の威光を借りたか。
ヒュー・ローリー1959年6月イギリス、オックスフォード生まれ。
エミリー・フランソワ出自不詳。
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