地位ある男の思わぬ暴力行為、ヤクを飲み込んだ女の運命、18時間後の死刑執行の留保を待つ死刑囚、子供二人を殺した男、ベンツでひき逃げした男、ギャングの掟の暴行死、殺人事件をめぐって恋人で検事のヘレン(ララ・フリン・ボイル)と激しく対立して破局を迎えるボビー(ディラン・マクダーモット)など、裁判に係わる検事や弁護士、それに裁判官も毎日どろどろとした人間の恥部にまみれながらも職責を果たそうとする。
時にはボビーの事務所でも激しいやりとりと罵声も飛ぶ。そうこうしているうちに、リンジー(ケリー・ウィリアムズ)の強烈なストレートのパンチは、ボビーにとっても驚愕の出来事だった。
なにせリンジーは、持分を要求してきたのだから。ボビーにとって、開業したのは自分であり協力者は事務員のレベッカ(リザ・ゲイ・ハミルトン)だったからだ。「事務所を作ったのは俺なんだぞ!」と思うボビー。
リンジーは事務所の改革が必要だと訴える。リンジーは告白する。かつて肉体を許したボビーに今でも思いを募らせていると。個人的感情もそれに何よりこの事務所の仲間が好きだと。
それぞれの思いを胸に毎日の弁護士活動は続けられる。ボビーは、各人の持分を発表し、やり方も今までと変わる事はないと宣言する。ジミーは不平を言ったし、レベッカは嬉しそうに礼を言った。
この映画の監督は信頼できると思った。それは、中国人のクリーニング店のやりとりに現れている。ユージーン(スティーヴ・ハリス)が持ち込んだワイシャツが縮んだと不平を店主に告げた。店主が「あなたが太ったんだ」という。押し問答のあと、他人のワイシャツを誤ってユージーンに渡したことがハッキリする。それでも店主は謝らない。
むしろユージーンを非難する。今の日中の関係とよく似ていて面白い。この監督は、中国人ばかりでなく日本人もよく見ているようだ。ユージーンが事務所で、中国人の訛りを笑っていると、ジミーが言う。「日本人だってなまってる。スシ・バーでサケを頼む日本人は笑えるよな」というものだ。訛りがきついぜ! というところだろうか。
事務所を発展させたいリンジーは、事務所の模様替えを断行する。そこで出てきたのが、大手法律事務所からの依頼だった。原告1300人のアスベスト訴訟だった。リンジーは、辣腕を発揮して思うような条件でそれを事務所にもたらす。
エレノア(カムリン・マンハイム)も加わって、リンジー、ジミー、リザは抱き合って喜ぶ。シーズン3からは、それが描かれるのか。楽しみではある。
製作総指揮
デイビッド・E・ケリー1956年4月メイン州ウォーターヴィル生まれ。妻は、ミシェル・ファイファー
キャスト
ディラン・マクダーモット1961年10月コネチカット州ウォーターベリー生まれ。
マイケル・パダルコ1954年12月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
リザ・ゲイ・ハミルトン1964年3月ロサンゼルス生まれ。
スティーヴ・ハリス1965年12月イリノイ州シカゴ生まれ。
カムリン・マンハイム1961年3月ニュージャージー州キャルドウェル生まれ。
ケリー・ウィリアムズ1970年6月ロサンゼルス生まれ。
ララ・フリン・ボイル1970年3月アイオワ州ダヴェンポート生まれ。