「プライド&グローリー(‘08)」劇場未公開
警察官一家の思わぬ破滅の危機。上級警官のジョン・ヴォイドの長男は、ニューヨーク市警の署長、次男のエドワード・ノートンも警官で、二年前の事件のトラウマを背負っている。長女は、警官のコリン・ファレルと結婚。ただ長男の妻が、がんによる放射線治療中で、丸坊主になっていて一家の心配事の一つだった。
あるアパートで四人の警官が殺される事件が発生する。ニューヨーク市警にとっては、重大な局面に立たされ、特別捜査隊が編成された。父ジョン・ヴォイドの説得し応じた、エドワード・ノートンも参加する。
エドワード・ノートン
発砲事件に遭遇したエドワードが入手した情報は、警官四人の殺害に悪徳警官が絡んでいることだった。さらに糸を手繰っていくと、長女の夫コリン・ファレルに行き着く。
コリン・ファレル
複雑な様相を見せるストーリー展開であるが、いまひとつインパクトに欠ける。総花的に描いてあって、題名の誇りと栄光があまり伝わってこない。
コリン・ファレルの「フォーン・ブース」の演技に注目して借りたDVDであるが期待はずれだった。レイを演じたエドワード・ノートンもやや線が細い。タフな警官役は無理があるか。
監督ギャヴィン・オコナー
エドワード・ノートン1969年メリーランド州生まれ。‘96「真実の行方」のオーディションで採用され、しかもその役でアカデミー賞助演男優賞候補にノミネートされた。
コリン・ファレル1976年アイルランド・ダブリン生まれ。’00「タイガーランド」でハリウッド・デビュー各方面で絶賛を浴びる。「フォーン・ブース」でトップ・スターの仲間入り。
ジョン・ヴォイド「真夜中のカウボーイ」で有名。
「ライフ・ドア 黄昏のウォール街(‘08)」劇場未公開
兄弟でIT企業を立ち上げ三百五十六億円にまで資産が膨れた。しかし、株の暴落ですべてを失う。成り上がり者の特質、尊大で自分勝手で思いやりに欠ける兄ジョシュ・ハートネットは、恋人に去られ緩やかな提携話も断り最終的に何も残らなかった。過剰な自信がすべてを消し去った。
そんな映画にも何か取り柄があるものだ。この映画のラスト・シーン、ヌードダンサーの踊る酒場でピンボールに打ち興じる兄弟。裸の女より、子供のころ遊んだピンボールがよほど楽しいのだろう。なりは大きいがまだ未成熟さが残る。
カメラがゆっくりと引いていってエンディングになる。ピンボールに興じる兄弟と横で踊る裸の女の対比が、原因と結果を暗示しているようだった。
監督オースティン・チック1974年生まれ。
ジョシュ・ハートネット
ジョシュ・ハートネット 1978年サンフランシスコ生まれ。‘98年「パラサイト」で注目を浴びる。若き日のトミー・リー・ジョーンズに似た風貌が、一部ファン間で話題になった。
デヴィッド・ボウイが買収企業のオーナーのチョイ役で出ている。
「プライド&グローリー」と「ライフ・ドア」にも元妻役や恋人役に黒人女優だった。しかも、「ライフ・ドア」では控えめながらセックス・シーンもあった。
これは人種偏見の溶解を示唆しているのだろうか。あるいは、主張しているのか。まあ、チョット面白い偶然と言えなくもない。