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日本語と英語

2005-06-30 20:50:03 | 雑記
 新聞の投書欄を見ていて、注目した投書があった。19年アメリカ暮らしの女性の方で、一部を引用すると“私の偏見かもしれませんが、全体的に英語は知的な部分で遊べる言語で、日本語は情緒的な部分で遊べる言語のような気がします。米国の新聞を読んでいると、硬い内容でも「ウフフ」といいたくなる部分がよくあります。逆に日本語の新聞では、淡々とした事実が並べられているだけで、なんだか味気ないと感じます”あと天声人語を例に挙げて情緒的な面を書いていらっしゃいます。この方の意見に同感。

 この「ウフフ」をユーモアと解すると、ここで思い出すことが二つある。松井秀喜がヤンキースに入ったとき、ジョー・トーリ監督は「彼はユーモアも理解するようだ」とコメントしている。ユーモアに対するアメリカでの位置づけが分るような気がする。

 もう一つもヤンキースの話題で、当時はドン・ジマーがベンチ・コーチでいつもトーリ監督の横に座っていた。試合でボールかバットか忘れたが、ベンチの中に飛んできて、危うく逃れたことがあった。その翌日ドン・ジマーは、野球のヘルメットではなく、軍隊で使うようなライトグリーンの鉄兜をNYのマークを貼り付けて、ベンチに座り笑いを誘っていた。このユーモア感覚は好ましいと思ったものだ。

 日本人で思いつくだろうか。そしてなぜ出来ないのだろうと考えると、それは、そういう環境で育たなかったことがあげられるだろう。日本の伝統がそうなんだから、それでいいのではないか。という意見もありそうな気がする。このユーモアを一種の遊びつまり余裕と考えると、人間関係の潤滑油の役割を果たすはずだ。国際化も今以上に進むはずだし、やはりユーモア感覚はあったほうが得だろう。

 ここで、はたと心配事が浮かんだ。いつも翻訳した本を読んでいるので、本の真髄が的確に表現されているのだろうかということだ。翻訳者によって全く違うニュアンスの本にならないとも限らない。翻訳者にユーモア感覚があればと願わずにいられない。そういう私の文章は、全くユーモアのかけらもない。最悪の見本になってしまった。

ニューヨーク、ニューヨーク

2005-06-27 20:31:17 | スポーツ
 ヤンキー・スタジアムにフランク・シナトラが歌う「ニューヨーク、ニューヨーク」が流れる。

 26日のメッツとの試合にジオンビーのサヨナラ・ヒットが出て逆転勝ちのヤンキース。サブウエイ・シリーズ、あわやスイープの憂き目にあうかと思っていたら、なんとか1勝をものにした。テレビの音声を現地のアナウンスで聞いていたら、ジオンビーがヒットを打ったとき、確か“サヨナラ”の言葉を聞いたように思う。気のせいだろうか。

 また、分らない言葉がある。ホームランが出たときアナウンサーが“goodby baseball”と言っているのを聞くときがある。あれはどんな意味なんだろうかといつも思う。勝っても負けてもシナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」なんだけど、逆転勝ちの陶酔感の中では心なしかよりいい歌に聞こえる。

 ところで、この「ニューヨーク、ニューヨーク」はシナトラの最初からの持ち歌と信じていたが、そうではなかった。アメリカ映画協会製作の「アメリカ映画音楽ベスト100」を衛星放送で見ていて、1977年「ニューヨーク、ニューヨーク」の主題歌でライザ・ミネリが歌った曲と分った。

 この試合の松井秀喜は、ノーヒットに終わったが、最終回敬遠の四球で出塁したのが唯一の存在感か。また、ベンチは非常に暑そうで、扇風機が回っていたようだ。試合が終わって画面に映し出された時計は、午後11時36分を指していた。

映画 ジョン・トラボルタ「ソードフィッシュ」(01)

2005-06-25 11:28:49 | 映画
 アクション場面をちりばめた何も考えずに見る映画。謎の男ガブリエル(ジョン・トラボルタ)が密かに狙うのは、ソードフィッシュ計画と言われ、麻薬資金の流れをつかむため、80年代に麻薬取締局が作ったダミー会社の口座に眠る95億ドル(約10兆円)の金である。

 上院議員や美女も絡み、TVRタスカン(スポーツカー、60年代各地のレースを席巻した)での派手なカーチェイスや人質にC-4爆弾(プラスチック爆弾)のベストを着せて爆発させたり、爆発のあと血染めのベアリングがころころと転がってきたり、バスを大型ヘリコプターで吊り上げて見せたりする。ほとんどロケで撮影されていて、60年代に建てられたフランク・シナトラの家やロスアンジェルスの街路が使われている。

 大型ヘリコプターでバスを吊り上げ、街の上空を飛ぶ許可も得られたそうだ。監督は奇跡だという。ロスアンジェルスには、ハリウッドがある関係で理解があるのかもしれない。あるいは、使用料が取れるからか。まあ、どうでもいいけど。

 監督は、「全編を通じガブリエルは、愛国者振りを発揮していない。具体的に愛国者の証明をすることが重要だ、最後の最後で船を爆破させて暗殺(逃亡中のテロリスト ビン・ハザード)を成功させた」という。そんな必要があったのだろうか。気が遠くなるような金をせしめていて、何が愛国者かと言いたくなる。ドロボウはドロボウだよ。

 映画は娯楽だから、ポップコーン片手に楽しく見たい。とは監督の弁。出演者はトラボルタの他に、ヒュー・ジャックマン(ハッカーの役、00年のXメンで頭角を現す)、ハリー・ベリー(ガブリエルの共謀者で愛人の役、「チョコレート」で第74回アカデミー賞主演女優賞を受賞、なかなか魅力的で胸をあらわにする場面がある。いいオッパイだった)

映画 ジョージ・クルーニ「オー ブラザー!」(00)

2005-06-22 21:20:32 | 映画
 「ファーゴ」「レディ・キラーズ」のジョエル・コーエン、イーサン・コーエン兄弟の風変わりな犯罪映画。

 エヴェレット(ジョージ・クルーニ)ビート(ジョン・タートゥーロ)デルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)の三人は脱獄する。ダムに沈む前に隠してある大金を掘り出すのが目当て。だがそれはエヴェレットのうそだった。本当の目的は、エヴェレットが妻を取り戻したいからだった。

 1930年代のブルーグラス、カントリー、ゴスペルなどの土地の匂いがする素朴な音楽が、アメリカ人なら郷愁を誘うだろう。アリソン・クラウスの澄んだ声で歌われるゴスペルも印象に残る。

映画 ロバート・デ・ニーロ ビリー・クリスタル「アナライズ・ユー」(02)

2005-06-20 14:30:42 | 映画
 前作「アナライズ・ミー」の評判がよかったらしい。というわけで、この映画を作ったのだろう。

 マフィアの組長ポール(ロバート・デ・ニーロ)は刑務所で殺されかけ、精神科医のベン(ビリー・クリスタル)に電話で救助を求めるが、ベンは父親の葬儀でそれどころではなく電話を切る。ポールは一計を案じ、気がふてた振りをする。FBIはベンが預かる条件で仮出所を許可する。ポールが殺されかけたのは、縄張り争いをしている二組の組織だった。ベンはポールにまともな職を与えようと奮闘するが、マフィアにどっぷりと漬かっていて、最早つぶしが利かない。ポールは二組の組織を潰すため、金塊の強奪という罠を仕掛ける。楽しく見たけれど後に残るというほどでもない。

 作家のローバート・B・パーカーは、マフィアの呼び名について“Morte Alla Francia Italia Anela!”「フランス人皆殺しはイタリアの叫び」‥‥この頭文字をとったギャングのことだという。

 俳優にも得手があるのだろう、マフィア映画にしか出ない俳優もいるように思う。この映画のポールの子分ジェリー役のジョー・ヴィテレッリだ。よく見る顔で、いまは故人となっている。

 姐御役のキャシー・モリアーティ=ジェンタイルもルックス、ボディとも役にぴったりの俳優で、最近はあまり映画に出ていない2児の母だそうだ。

 ジョン・トラボルタとの映画「ラッキー・ナンバー」で悪女を演じたリサ・クウドローも、ベンの勝気な妻役で出ている。

 ビリー・クリスタルはヤンキースの熱心なファンで、その縁なのかジョー・トーリ監督もチラッと出て、すこしセリフもあるサービスをしている。

 ビリー・クリスタルはアリゾナ・ダイアモンド・バックスにも関係していて、2001年のワールド・シリーズ、ヤンキーす対ダイアモンド・バックスは気が揉めたそうだ。結局ダイアモンド・バックスがワールド・チャンピオンに輝いた。その時のピッチャーの一人、ランディ・ジョンソンが、いまヤンキースのワールド・チャンピオンへの鍵を握っている。

大リーグ 野茂、松井(秀)、イチロー

2005-06-17 21:29:55 | スポーツ
 野茂はようやく日米通算200勝に到達した。ようやくと言っては、失礼だな。野茂の上を見ると、そうそうたるピッチャーが並んでいる。堂々と胸を張っていても、誰も文句は言うまい。よくも大リーグで11年もやってきたなーとつくづく思う。カリフォルニアの高く抜けるような青空を背景に、スリムになった体を、ドジャーブルーのユニフォームで包んだ初登板の場面が、脳裏から消え去ることはない。今年は今一つ調子に乗らないように見える。正念場の年であることに変わりはない。


 怪我をしてからの松井秀喜は調子がいい。11打数5安打、2ホームランだ。怪我の功名か。テークバックの頂点を変えたそうだから、しばらく続くと見ていいかもしれない。続かないと、ヤンキースのポスト・シーズンがなくなってしまう。

 イチローは1,000本安打を達成したが、打撃の調子はかつての姿はない。長いスランプだろうか。相手もかなり研究している跡もある。四割の声もあったがチョット無理かな。6月16日のフィリーズとの試合で、久しぶりのマルチヒットを記録している。暑くなれば調子は戻るのだろうか。

 以上独断と偏見のレポートをお届けします。

横山秀夫「真相」

2005-06-15 11:49:08 | 読書
 5話を収めた短編集。いずれも殺人にまつわる話。図書館で著者の検索をすると、ほとんどの著作が貸出中となっている。そんな中で、この本が在庫していたので借りる。ベストセラー作家というので、興味本位で読んでみた。

 結論は、二度と読みたくない。週刊誌の「事件ファイル」「事件簿」といって、ある事件を小説風に書いたのがあるが、あれと同じで登場人物に個性が感じられないし、E県やN市、K大などおよそリアリティとは程遠い表現。

 私はミステリーにリアリティ、余情、ユーモアを求めるタイプだから、これらがないと読書欲は全く起こらなくなる。プロットは悪くないので残念な気がする。他の著書は読んでいないので分らないが、たまたま手にした不運なのかもしれない。

映画 マット・デイモン「ボーン・アイデンティティー」(02)

2005-06-11 17:29:34 | 映画
 嵐の夜、瀕死で海に浮かんでいたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、イタリアの漁船に助けられる。弾丸を数発うけていて、船長が摘出し尻に埋め込まれたマイクロカプセルにスイスの銀行口座番号があった。
しかし、ボーンは記憶を失っていた。ボーンを狙う暗殺者の目を逃れながら、自分探しの行動をスイスの銀行から始める。

 暗殺者との格闘や銃撃、カーチェイスとアクション映画には欠かせない要素が織り込まれているが,見終わって今ひとつ印象に残らない。考えてみると、なぜボーンが暗殺者に追われなければならないのかという点が、はっきりしていないせいだ。allcinema onlineのユーザーコメントを読むと、原作を読んだ人がこの点を指摘していた。映画としては、非常に肝心なことだと思う。

 さて、むしろ監督の解説のほうが面白かった。厳寒の地でのロケーションやマット・デイモンのすぐれた面として、フランス語やオランダ語などのセリフの習得方法とその完璧さだそうだ。そうであっても、この映画でのデイモンの演技がいいのかそうでないのか私には分らない。

 監督はダグ・ライマンで、監督の父はイラン・コントラ事件(アメリカのレーガン政権が、イランへの武器売却代金をニカラグアの反共ゲリラ援助に流用していた事件。イランは当時イラクと戦争を行っており、アメリカ政府関係者が、イランに対し武器を売却した収益をニカラグアで反サンディニスタ活動を行うコントラ・ゲリラに与えていた)の検察官の一人だった。父からいろいろ聞いていて映画作りの参考になったと言う。これはボーン・シリーズの第一作目で、二作目の「ボーン・スレマシー」が出来ている

犯罪が減ったニューヨーク!

2005-06-08 21:09:35 | 社会
 ニューヨーク市が2004年の犯罪発生率が対前年比で4%減少したと発表したという記事があった。

 FBIの2004年度の年次報告によるものだそうで、ニューヨークのブルームバーグ市長は、「米国でもっとも安全な大都市は2004年にさらに安全になった」と勝利宣言し一層努力することを表明している。

 殺人4.5%減(全米3,6%減)レイプ犯11.2%減(全米0.3%減)強盗6.2%減(全米3.6%減)侵入盗7.8%減(全米1.4%減)となっていて成果が上がっているようだ。人口10万人当たりの殺人発生率は7人でロサンゼルス13.5人、シカゴ15.5人のほぼ半分。このため人口10万人以上の240都市の中で危険度(犯罪発生率)は221番目、人口100万人以上の10大都市の中では10番目でもっとも安全な都市となっているそうだ。

 減少した理由について、この記事は触れていないので分らないが、景気回復による失業率の改善や施策の徹底などがあるのかもしれない。しかし、家庭内犯罪が増えているという。日本でも子供に対する虐待が後を絶たない。おそらく家庭内暴力も頻繁にあるのだろう。憂慮すべき事態だ。

 犯罪と言えば、いま全米でいや全米どころか世界的に注目を浴びているマイケル・ジャクソンの裁判がある。有名人の裁判として注目を集めたのは、プロフットボール選手のO・J・シンプソン事件で無罪を勝ち取った。当時のアメリカで最高のメンバーで構成された弁護団は、1ヶ月1人1000万円の報酬で4人揃えた。弁護側は、人種差別的なロサンゼルス市警の事件でっち上げの捜査のずさんさを押し立てた。陪審評決は、検察側の小さなミスが重なり、弁護側の提起する合理的な疑いを払拭しきれなかった。

 果たしてマイケル・ジャクソン事件は小児性愛を始め10の罪に問われている。間接証拠を陪審員がどのように判断するのだろうか。いま協議中という。

 日本でも陪審制の導入が決まっている。12人の陪審員ではないが、その精神は変わらないだろう。素人のいいところは、世の常識にのっとって判断するという点だ。国民が最高裁判所判事を選ぶばかりでなく、司法に参画するという大きな意味もある。そんなわけで、マイケル・ジャクソン裁判を注視している。写真はN.Y.Loves Youからのものです