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映画「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル  ’11」劇場公開2011年12月

2012-04-28 14:35:37 | 映画

                
 最初、IFMと聞いてえっ、と思ったが、国際通貨基金でなく米国極秘諜報機関のことだった。そのIMFからはずされたイーサン・ハント(トム・クルーズ)ほか、ウィリアム・ブラント( ジェレミー・レナー)、ベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)、ジェーン・カーター(ポーラ・パットン)の四人がなんとも奇想天外なアクションを展開する。

 核を信奉するヘンドリックス(ミカエル・ニグヴィスト)は、核戦争を勃発させようとしていた。それを阻止するイーサンたち。
 いきなり屋上に現れた追われる男。逃げ場は飛び降りるしかない。ジャンプしながら振り向きざま追ってきた二人の男を射殺する。着地してほっとする間もなく、前方から歩いてくる女殺し屋に銃弾二発を撃ち込まれこの男もあの世へ逝った。男が持っていた核爆弾発射コードがこの女殺し屋に渡った。オープニングか目が釘付けになるアクロバットな展開を見せる。

 圧巻は、なんと言ってもアラブ首長国連邦のドバイにある世界一高い828mのビル「ブルジュ・ハリーファ」130階あたりで展開されるアクションだろう。映画と分かっていながら、高所恐怖症の私には背筋がぞくぞくとしてはいるがやはり吸い込まれるように観ていた。
 かつて「スパイ大作戦」のテーマ曲が流れる中、映画のひと時を楽しめた。
             

             

             

             

             

なお、あまりにも印象深いブルジュ・ハリーファのシーンをここにYouTubeからリンクしておきます。
映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』特別映像
   

監督
ブラッド・バード1957年9月モンタナ州生まれ。’04「Mr インクレディブル」などのアニメを手がけていた。

キャスト
トム・クルーズ1962年7月ニューヨーク州シラキュース生まれ。すでに50歳近い年齢だが肉体が若々しい。
ジェレミー・レナー1971年1月カリフォルニア州モデスト生まれ。’08「ハート・ロッカー」でアカデミー主演男優賞ノミネート。全米批評家協会賞主演男優賞を受賞。
サイモン・ペッグ1970年2月イギリス生まれ。
ポーラ・パットン1975年12月ロサンジェルス生まれ。
ミカエル・エグヴィスト1960年11月スウェーデン生まれ。

映画「愛する人Mother and Child’09」劇場公開2011年1月

2012-04-22 11:27:28 | 映画

                
 実母カレン(アネット・ベニング)とその娘エリザベス(ナオミ・ワッツ)の皮肉な人生。14歳のときカレンは、子供を生んだ。母の強い意見でその子を養子に出した。カレンはその子のことが、どうしても忘れられなかった。その老いた母親を看ながら看護師として生計を立てていた。

 弁護士事務所の面接を受けているエリザベスは、ポール(サミュエル・L・ジャクソン)の質問「君の生い立ちを話してくれ」に答える。
「ここロサンゼルス生まれ。その日に養子に出されました。母は14歳で私を出産、実母のことは何も。10歳のとき養父が死亡養母とは疎遠。“エリザベス・ジョイス”は、中学のとき自分で選んだ名前。今では私の正式名です。17歳からずっと一人暮らし、結婚は一度も。今後もする気はありません。自立をもっとも大切と考え人生の目的に全力を注ぎます。つまり、自己を実現させること。それが望みです」

 エリザベスは、独力で人生を切り開いてきた。ストレートな物言いや感情の激しさに同性から「怖い」と言わせる。特異な性格のエリザベスもポールとの肉体関係で子供を宿す。自身卵管狭窄で不妊のはずが妊娠してしまった。
 この頃からエリザベスに気持ちの変化が現れる。母という立場から物事を見つめると実母の存在を身近なものにしたいという思いが強くなる。養子をテーマに皮肉なめぐり合わせを女の立場から輪廻のように描く。
           
           
           
           
           
           
監督・脚本ロドリゴ・ガルシア1959年8月コロンビア、ボゴタ生まれ。父は1982年ノーベル文学賞受賞のガブリエル・ガルシア=マルケス

キャスト
ナオミ・ワッツ1968年9月イギリス・ショアハム生まれ。
アネット・ベニング1959年5月カンザス州トペカ生まれ。’99「アメリカン・ビューティ」でアカデミー主演女優賞ノミネート。
サミュエル・L・ジャクソン1948年12月ワシントンDC生まれ。

映画「フェア・ゲームFair Game ’10」劇場公開2011年10月

2012-04-19 13:02:56 | 映画

                
 2003年3月20日アメリカはイラクを攻撃した。イラクの武装解除問題、つまり大量破壊兵器(核兵器)の破棄義務違反を理由としたイラク戦争だった。
 後に分かったことだが、そもそもイラクには核兵器が存在しなかった。ブッシュ政権の大失態だったが、その事実がこの映画で明らかになる。
 そしてブッシュ政権は、法律を犯していないアメリカ一市民を見捨て、社会の敵のように仕向ける。巨大な権力と狡猾な手法を持つ政府と善良なだけが取り柄の夫婦の愛の物語である。

 CIA工作員の妻ヴァレリー・ブレイムをナオミ・ワッツが元大使の夫ジョー・ウィルソンをショーン・ペンが演じている。政府もCIAも自分たちにとって都合が悪くなると謀略をめぐらすか無視する。犠牲になったのがヴァレリーとジョー夫妻だった。

 後にヴァレリーは、下院監査・政府改革委員会での証言で「イラクの大量破壊兵器開発を突き止め上層部に報告する任務でした。世界各地で極秘裏に展開される作戦をワシントンのCIA本部から指揮すると同時に極めて重要な情報を得るために極秘任務で諸外国へも行きました。私は国を愛し、仕事を愛しました。CIA工作員として重要な責任を託されたことを誇りに思います」と述べた。

 そういう国家への献身も、ずる賢い政府や政府機関によって消し飛んでしまった。夫のジョーは、声を上げた。その結果妻の身分が公になる。と言っても政府が暴露したわけではない。アメリカには「情報部員身分保護令」という法律があり公に出来ない仕組みがあるとのこと。これは政府高官のリークしかない。意図的なリークだ。

 夫婦は追い詰められるけれどジョーはやめない。「政府の犯罪、国民に対する罪を守り通せるなら、国家の責任とは限られた権力者の手にあるのではない。我々は圧政に屈することはない。一人一人が国民としての義務を忘れない限り道路の穴の報告も一般教書の嘘を追及することも、 声を出せ! 質問するんだ。真実を要求しろ。民主主義は安易に与えられはしない。だが、我々は民主主義に生き義務を果たせば子供たちもこの国で暮らせる」 講堂に集まった人々を前に語るジョー。

 「フェア・ゲーム」この題名がなぜが皮肉に思えるのは私だけか?  なお、追い討ちをかけるように補佐官のリビーが有罪、禁固刑2年半、罰金25万ドルの判決だったのを、ブッシュ大統領は権限を行使して猶予の減刑を表明して国民の不興を買った。なんともお粗末だったなあ、ブッシュは。
             
             
             
              左ナオミ・ワッツ 右ヴァレリー・ブレイム本人
監督
タグ・リーマン1955年ニューヨーク生まれ。’02「ボーン・アインディティティ」’04「ボーン・スプレマシー」’07「ボーン・アルティメイタム」のボーン・シリーズがある。

キャスト
ナオミ・ワッツ1968年9月イギリス、ショアヘム生まれ。
ショーン・ペン1960年8月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。’03「ミスティック・リバー」’08「ミルク」でアカデミー主演男優賞受賞。

読書「五番目の女DEN FEMTE KVINNAN」ヘニング・マンケル 創元推理文庫2010年8月刊

2012-04-16 14:06:01 | 読書

                
1993年5月アルジェリア。教会で四人の尼僧が殺され偶然にも観光客の女性が五人目の犠牲者となった。
 スウェーデンで1994年9月から男が連続して三人殺される。イースタ警察の刑事クルト・ヴァランダーがその捜査を進める。

 スウェーデン作家のミステリーを読むのは初めてであるが、精細でキャラクターが等身大に描かれ、スウェーデンの灰色の秋を背景にぐいぐいと読者を引き込んでいく。特に捜査の過程が詳細で繰り返しの文脈も気にならない。むしろ、理解を助けてくれる。

 主人公のクルト・ヴァランダーは、40代後半で離婚経験者で独身、娘が一人いる有能な捜査官ではある。生涯で初めて父親との楽しかったイタリア旅行の余韻を楽しむ暇もなくこの殺人事件の指揮をとることになった。
 捜査会議が延々と続き的確な指示のもとに捜査員が街に散っていく。土曜も日曜もない仕事の連続に気力も萎えようとする。
 睡眠時間の少ない朝、無理に体を引き起こす。靴下に穴が開いているのに気がついたり、警察官と言う職業が嫌いになったりする瞬間もある。そういうごく人間的な側面を見せながらも犯人逮捕に執念を燃やす。

 私の読んだ範囲内のアメリカン・ミステリーでは、こういう人間的弱さを描くことにお目にかかったことがない。犯人は男か女か? 五番目の女を示唆する展開を楽しんだ。

映画「カンパニー・メンThe Company Men ’10」劇場公開2011年9月

2012-04-13 11:16:45 | 映画

                 
 2008年9月15日アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻がきっかけとなって世界同時不況に陥った。その余波を受けて多角企業のGTX社の造船部門の赤字化とともに株価も低迷、会社の立て直しのためにリストラが断行された。

 若い販売責任者ボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)は、今朝も豪邸からポルシェで出勤、口笛を吹きながら個室へ。ところが人事部門からの呼び出しでクビを宣告される。
 再就職なんてすぐに決まると思い込んでいたボビーにも、そのチャンスが一向にめぐってこない。報酬の提示も今までの半分以下で、家のローンや車の維持、子供の教育費が重くのしかかる。それでもボビーのプライドが許さず、あくまでも現状の報酬である年収1千万円を受け入れる企業を求め続ける。
             
             
             ボビーの邸
 現実は甘くなかった。会社はリストラを続けていてCEO経営最高責任者の友人と自認していたジーン・マクラリー(トミー・リー・ジョーンズ)も例外ではなかった。それに造船部門の工員からの叩き上げの責任者フィル・ウッドワード(クリス・クーパー)にも解雇通告が下される。
             
             フィルの邸
             
             
             ジーンの邸
             
             
             
             
             
             


 この三人の男、仕事場でのエネルギッシュな態度に比べ、出勤の必要のないウィークデイの新聞しか読まない手持ち無沙汰の様子は、無気力の象徴みたいに見える。広大な地所と誰もが羨む御殿のような屋敷。どんなところに住もうと男から仕事を取り上げると、なんともひ弱で頼りにならない存在と化すのか?ジーンとフィルの妻は冷たい態度になった。

 その中で、ボビーの妻マギー(ローズマリー・デウィット)は、ポルシェや豪邸を売り払ってはいるが自らパートで働き自分の兄ジャック(ケヴィン・コスナー)の建築業の仕事も悪くないわよ。と慰める。このあたり、なんだか日本人的内助の趣に見えた。
 ボビーも行くところがなく妻の助言でジャックに頭を下げた。しかし、残念ながらボビーには適応できない。そうこするうちにフィルが自殺しその葬儀の日、ジーンが話があると連れ出したのは今は廃墟と化したかつての造船所の跡地だった。ジーンは過去を語りながら将来を見つめていた。

 その後ボビーにも協力の依頼があり、ネクタイにスーツのボビーは活きのいい魚のように、いきいきと販売部員に檄を飛ばしていた。

 結末は少し甘いかなという印象だが、ここから何を学べばいいのだろうか。つまり年収1千万円が永遠に続くことはないということ。従って、ポルシェや無駄な豪邸にうつつを抜かすより、収入の5割か7割の範囲内の生活を心がけるべし。それが教訓ではないだろうか。
 ボビーの生活も今や収入はかつての半分になった。ボビーの両親と同居しているが、いずれ独立して身の丈の生活が出来る筈。そう、過去の栄光は忘れなさい!

監督
ジョン・ウェルズ1957年生まれ。テレビドラマ「ER緊急救命室」や「ザ・ホワイトハウス」を制作。

キャスト
ベン・アフレック1972年8月カリフォルニア州バークレー生まれ。
クリス・クーパー1951年7月ミズーリ州カンザスシティ生まれ。’02「アダプテーション」でアカデミー助演男優賞受賞。
ケヴィン・コスナー1955年1月カリフォルニア州リジフッド生まれ。’90「ダンス・ウィズ・ウルブス」でアカデミー作品・監督賞を受賞。
ローズマリー・デウィット1974年10月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。
トミー・リー・ジョーンズ1946年9月テキサス州サンサバ生まれ。’93「逃亡者」でアカデミー助演男優賞受賞。

映画「リミットレス Limitless '11」劇場公開2011年10月

2012-04-10 17:16:28 | 映画

                
 誰でも明晰な頭脳を持ちたいと願っているだろう。その願いが叶ったとしたら? ここに100%頭脳を回転させる薬がある。この薬は、ただ単に明晰というわけではない。過去の記憶をつなぎ合わせそれを取り込んで瞬時に役立たせる。
 例えば、ゴロツキ数人に囲まれ喧嘩を売られる。生涯一度も経験のない状況だ。昔観たブルース・リーの格闘場面が即座に応用されゴロツキどもを血祭りに揚げる。これはかなり痛快な経験だろう。

 何日経っても一行も文章が書けない小説家エディ・モーラ(ブラッドリー・クーパー)は、まるでホームレスのような汚れた姿で昼間からアルコールの匂いを発散させていた。ある日、街頭で元妻の弟に呼び止められ近くのバーで近況を語るうち、弟がその薬の話をした。しかし、エディは信用しない。弟は一錠置き土産に立ち去った。

 エディはこわごわその薬を飲んでみた。なんだか世の中がばら色に見えて、パソコンの前に座ると同時に言葉が大嵐のように降り注いできた。その原稿を読んだ、いつもの編集者は驚嘆した。
 それからというもの株式相場の予想が的中するのをはじめとして、企業の合併や買収にも力を発揮したり、短期間で外国語を習得したり出来る。
 
 ただ、薬が切れると能無し男に逆戻り。考えてみれば、誰しも大金持ちになりたいし、社会的地位も欲しい。副作用さえなければこの薬が欲しい。エディはそれを解決して上院議員へ立候補した。

 私がこの映画が気に入ったのは「そんな薬があったならそれに頼るかもしれないが、人生はそんなものじゃない。地道な努力が大きな果実を得る最短距離だ」というよな教訓的エンディングでなかった点だ。
 薬に頼ってもいいじゃないか。とにかく上を目指そうよ!主役を演じたブラッドリー・クーパー、無精ひげの顔で髪の毛が多すぎるかな。ところが、上院議員候補者の顔や服装は、すっきりとした髪型、真っ白いワイシャツにブルー・スーツ、恋人の待つ中華レストランへ。席ではウェイター相手に流暢な中国語で冗談を飛ばす。この薬は実にいい!
           
           
           
           
           
監督
ニール・バーガー

キャスト
ブラッドリー・クーパー1975年1月ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。
ロバート・デ・ニーロ1943年8月ニューヨーク市生まれ。
アビー・コーニッシュ1982年8月オーストラリア生まれ。

映画「スリーデイズ The next three days ’10」劇場公開2011年9月

2012-04-06 18:06:16 | 映画

               
 皆さん、突然妻が殺人容疑で逮捕され弁護士から「証拠や目撃者もいることだし無罪は無理だ」といわれたら、どうしますか? 

 裁判の様子や警察の捜査の状況も描かずに夫ジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)の脱獄準備を克明に描いていく。ただひたすら妻ララ(エリザベス・バンクス)の無実を確信して。私にはこれほどの愛があるだろうか? と思ってしまう。

 一体どういう風に脱獄を成し遂げるのだろうと画面を見ながら考えていると、三日後に別の刑務所に移送されるというものだった。ジョンの計画のシナリオは完璧に出来ていない。焦るジョン。家の売買予約は受けていたが、今すぐ代金決済が無理と判明。

 どうすのかと思っていると、かなり過激な手法をとった。麻薬売人を襲って金を巻き上げるというものだった。この辺は脚本の暴走気味なところか。真面目な大学教授のジョンには出来るとも思われない。
 しかし、背に腹はかえられない。男の行く道だとばかり突っ走る。ハラハラドキドキの結果、ベネズエラに逃れる。映画はちゃんと妻の無実も証明してくれる。いくら映画でも殺人者を巷に放り出すわけに行かないからね。
 ラストシーンでは、ジョンがベッドで添い寝をしている妻と息子の寝顔をデジカメで撮るところが、やっと家族が一緒になって安息の日がやってきた。という雰囲気が観るものに心地よい余韻を残す。女性にとっては、これほど一途に愛され果敢に行動する男にめぐり合いたいと願うはず。
           
           
           
           
監督
ポール・ハギス1953年3月カナダ、オンタリオ州生まれ。’04「クラッシュ」でアカデミー作品賞受賞。

キャスト
ラッセル・クロウ1964年4月ニュージランド、ウェリントン生まれ。’00「グラディエーター」でアカデミー主演男優賞受賞。
エリザベス・バンクス1074年2月マサチューセッツ州ピッツフィールド生まれ。
タイ・シンプキンス(ルーク役)

映画「キラー・インサイド・ミーThe killer inside me ’10」劇場公開2011年4月

2012-04-03 11:44:23 | 映画

               
 人間の深層心理に残虐性が潜むのを否定できない。誰もが持つ二面性の表と裏。普通の人は裏の部分を理性でコントロールしているが、このルー・フォード保安官助手(ケイシー・アフレック)は突如としてその激情を解き放った。

 1950年代のテキサスの田舎町。保安官から町外れにいる売春婦ジョイス・レイクランド(ジェシカ・アルバ)に、控え目にするよう警告してくるようルーは命じられる。
 ルーは、真面目で純朴な好青年と見られていた。最初は客なのかもしれないと思っていたジョイスが、ルーが保安官だと知りしかも退去を宣告することに怒りを爆発させルーに激しく殴りかかる。
 最初はルーも「おいおい どうしただい?」という表情で笑みを浮かべていたが、殴打がいっそう激しくなった。ルーはいきなりジョイスをベッドに叩きつけ殴り始めた。
 アドレナリンがどう作用したのか、気がついてみるとジョイスとセックスをしていた。これがすべての発端だった。

 やがてこの暴力性がエスカレートしていき、ジョイスを瀕死の重傷を負わせ、客の男を射殺する。付き合っていたエイミー(ケイト・ハドソン)や、友達のジョニーをも殺すという精神異常も現出する。どろどろとした暗部を抉り出し、最後まで目が離せなかった。

 ルーを演じたケイシー・アフレックは、多分テキサス訛りなのだろう、気だるい独特の口調でサスペンスを盛り上げていたのが印象的だった。独特の訛りのせいか、このDVDには吹き替えが収録されていない。それも当然か。この口調を日本語で表現するのは至難の業だ。
          
          
          
          
監督
マイケル・ウィンターボトム1961年3月イギリス/イングランド ランカシャー州ブラックバーン生まれ。’02「イン・ディス・ワールド」でベルリン国際映画祭の金熊賞受賞。

キャスト
ケイシー・アフレック1975年8月 マサチューセッツ州生まれ。
ケイト・ハドソン1979年4月ロサンジェルス生まれ。
ジェシカ・アルバ1981年4月カリフォルニア州ボモーナ生まれ。