この映画の原題は、Hacker。そして4月25日の紙面を賑わせたのが「チケット販売大手のぴあは25日、同社がプラットフォームを提供し運営を受託しているプロバスケットボール・Bリーグのチケットサイトとファンクラブのサイトがサイバー攻撃による不正アクセスを受け、個人情報約15万件が流出した可能性があると発表した」というもの。
こういう悪さをするのは「特殊なソフトを使わないと接続できず、発信元の特定が困難な「ダークウェブ」と呼ばれるインターネット上のサイト」らしい。
この映画でもダークウェッブと称する「銀行を攻撃する」と言う覆面の男がテレビに映し出されていた。
カナダの田舎町に住むアレックス(カラン・マッコーリフ)は、子供の頃からパソコン・オタクで夜中までちまちまとクリックして、塵も積もれば山となるの喩えどおりに靴箱に現金を貯め込んでいた。アレックスの両親は、父親が働かず銀行に勤める母親が家計を支えていた。夫婦喧嘩が絶えることがない。
そういう口げんかを聞きたくないアレックスは、夜半にふらりとカフェで時間をつぶす。ひと気の少ない店内にテレビは「ダークウェブ」の犯行を伝えていた。帰宅して知ったのは、母が銀行をクビになったことだった。そうなると家のローンが払えない。悲嘆にくれる母親。
アレックスは靴箱を母親に差し出す。「当面はなんとかなる。後は任せて」とアレックス。アレックスにはパソコンを使う違法取引の才能があるが、今最終目標を母をクビにした巨大銀行をぶっ潰すことを決意する。そのためには、「ダークウェブ」とコンタクトを取る必要がある。すべてはここから始まり可愛らしい恋人キーラ(ロレイン・ニコルソン)を得、闇世界から足を洗うというお話。
一応ミステリー風に作ってあるが、ラブストーリーとアクション混合がよかったんじゃないかと思う。トロントで知り合った三人。アレックスとサイ(ダニエル・エリックゴールド)それにキーラ。ビジネスを始めるとキーラが買い手を見つけてくるが、トラック一杯の商品もすぐに売れてしまう。疑問を持つが「叔父の紹介よ」というだけ。
実は、当局の手先がキーラ。当局はダークウェブ解明にやっきになっていると言うこと。これをアレックスが知るのは、タイで偽造カード使用の罪で2年の刑期を終えて出所、待っていたキーラが明かしたときだった。
これを最初から観客に知らせて構成すれば、スリルとサスペンス味も加えられ甘いラブーストーリにもなったかも。一般の劇場公開にしなかったのは、こういう切れ味が欠けているからだろう。
出演の三人、カラン・マッコーリフ、ロレイン・ニコルソン、ダニエル・エリックゴールドは、将来有望という話だから注目していこう。ロレイン・ニコルソンを見ていると、どうして白人系はこんなに透き通るような白い肌なのかと思わざるを得ない。鏡に映る自分の顔を見ながらいつも思うんだよね。この歳になっても……。
ニコルソンは可愛いがこういう女優は一杯いる。どういう風に抜け出すか楽しみ。男たちもルックスは悪くないから、これからの成長を期待しよう。エリックゴールドは、ちょっと歳を食っているかな。
この映画は、「未体験ゾーンの映画たち2017」と銘打った日本未公開作品ばかりが集結する劇場型映画祭で上映された。上映劇場の数は少ない。2015年制作 劇場未公開
監督
アカン・サタイエフ1971年12月カザフスタン生まれ。
キャスト
カラン・マッコーリフ1995年1月オーストラリア生まれ。
ロレイン・ニコルソン1990年4月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
ダニエル・エリックゴールド1975年9月ロサンジェルス生まれ。
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