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気軽に発信します。

セクハラ訴訟 男は気をつけないとね。

2015-02-27 21:02:40 | 時事

 あれが最高裁までいくとはねえ。内容は今朝の新聞で報道されているから触れない。あの男二人は、男の風上にも置けない男で常識をわきまえていない。

 それが関西人ときた。私も関西出身だから恥ずかしい気もする。で、会社の処分が出勤停止と降格だった。それが不当だとして訴訟を起こした。

 この二人勘違いしているんじゃないかな。何様だと思っているのだろう。私だったら出勤停止どころか解雇するよ。しかも降格といっても係長に落ちただけ。甘えもいいところだ。

 最高裁の判決で会社側の勝訴に終わった。この二人、首になったわけじゃないから、のこのこと会社に出かけるのかな。まあ、普通は元の会社に勤められないよ。

 セクハラを受けた女性は、損害賠償の訴訟は出来ないのだろうか。二人の男には痛みを感じてもらおう。それで思うのは、最近やたらと痴漢が多い気がする。目撃したわけじゃないが、新聞紙上でよく報道されているから。

 うがった見方をすれば、職場のセクハラご法度で、電車でセクハラになったのかとも思うが。あれは病気だから、手術で去勢するしかない。

「ガソリン・ペーパー」をはじめて知った

2015-02-23 20:37:19 | 先端技術

 「ガソリン・ペーパー」の記事が新聞に載っていた。ガソリンを車に給油すときに給油口から立ちのぼる気化したガソリンのことだという。目に見えないがPM2.5や光化学スモッグの原因にもなるといわれる。

 アメリカでは発生を抑える装置を車に搭載することを義務付けているし、ヨーロッパでは多くのガソリンスタンドに揮発防止装置が設けられているという。

 では、日本ではどうだろう。ネットで検索してみると、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のホームページに行き当たった。

 そこにはこのガソリン・ペーパーについて詳しく解説してある。少し拾い出してみると、まず、装置はすでに開発済みで2012年現在では84台が全国に配置されているという。

 ガソリン・ペーパーについては、人体に有害性がある「揮発性有機化合物(VOC=Volatile Organic Compounds)」の一つです。VOCの排出削減には、国際的な取り組みが進んでいて、わが国でも2006年から改正大気汚染法が施行され、VOCについても排出規制が実施されています。
 ガソリンベーパーは、臭いや大気汚染に加えて、引火すると火災の原因にもなります。また、ガソリンスタンドにとって給油量の損失にもつながります。このガソリンベーパーをガソリンスタンドで液化、回収する装置を、給油計量機のトップメーカーである株式会社タツノがNEDOの委託で、開発、実用化しました。臭わない、大気を汚さない、引火防止により安全性も高い、そして経済的なスタンド経営も可能にするガソリンベーパー回収装置、その普及拡大が期待されています。 という説明がある。

 この回収装置は欧米とはかなり違った装置のようだ。欧米より数段上を行く装置らしい。欧米などで使われているガソリンベーパー回収システムでは、ベーパーを気体のまま回収するため回収率は80%台で、臭いを封じるまでには至っていない。しかし、タツノが開発した装置では、99,2%の回収率で臭気も吸収するという。

 それも今までどおり給油口にノズルを入れるだけでいいという。この特殊なノズルが秘密らしい。日本が先端を行っているようで喜ばしい。いずれにしてもすべてのガソリン・スタンドに配置できればいい。これも価格次第か。
              

ユアン・マクレガー悪役に挑戦「ガンズ&ゴールド’13」劇場公開2014年11月オーストラリア映画。

2015-02-21 21:42:04 | 映画

               
 ユアン・マクレガーは、一言で言えばこういう荒っぽい犯罪者には向かいだろう。私のイメージしていたのは、知的犯罪者ということ。例えば、投資会社の社員でIT技術を駆使して犯人を特定できないような巨額の横領とか……。

 こんな強面の野郎がいる刑務所の設定はちょっと無理な気がする。それが分かっているのかもしれないが、ブレンダン(ユアン・マクレガー)の周辺には親衛隊のような屈強な男たちがガードしている。ユアン・マクレガーも髭面で一応それなりの雰囲気は出ている。

 この髭面も、上映中のクリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーも髭面、メジャーリーグの多くの選手も同様の面構えだからワルが髭面と決め付けられない。少なくとも優男の顎の線だけは隠してくれる。

 新入りのJR(ブレントン・スウェイツ)がチェスの腕前が抜群に冴えているのが気に入り下心があって親切にする。やがてJRの出所となりブレンダンからの指示は脱獄の手助けだった。この辺も簡単にことが運ぶのがちょっと安っぽいかな。こういう連中がJRをおいそれと信用するんだろうか。そんな疑問があるからだ。

 そんなこんなでとにかく脱獄は成功する。後は金塊精錬所を襲って、出来立ての金塊を強奪となる。ところがこういうのには必ず裏があって、ここでも強奪の話を持ちかけてきたサム(ジャセック・コーマン)の悪巧みだった。

 裏切られたブレンダンも黙ってはいない。これからいろいろ話はあるが、そんなことはどうでもよい。とにかく最後は無精ひげのまるでサラリーマン。ユアン・マクレガー・ファンとしては、物足りない映画だった。
          
          
          
          

監督
ジュリアス・エイヴァリー出自不明

キャスト
ユアン・マクレガー1971年3月イギリス、スコットランド生まれ。
ブレントン・スウェイツ1989年8月オーストラリア、ケアンズ生まれ。
アリシア・ヴィキャンデル1988年10月スウェーデン生まれ。ジャセック・コーマン1956年8月ポーランド生まれ。

1970年代の同性愛者の悲哀「チョコレートドーナッツAny Day Now’12」劇場公開2014年4月

2015-02-19 17:01:21 | 政治

               
 今でこそ同性愛者を奇異な目で見なくなったようだが、今から40年以上前となると事情が異なる。

 1970年代カリフォルニア州ウェストハリウッドのゲイバーで、口パクの女装の歌手ルディ(アラン・カミング)が歌っているとき、カウンターに座る男ポール(ギャレット・ディラハンド)と目が合い、まるで電流が触れたように心に火花が散った。

 ルディのアパートの隣の部屋には、麻薬常習者の女と子供が住んでいて、毎日のように大音量の音楽を流している。苦々しく思っているルディは、ドアが開いたままの部屋に入りスイッチを切った。振り返ったとき、子供が一人ベッドに座っていた。母親はどこへ行ったか分からない。子供の名前は、マルコ(アイザック・レイヴァ)。しかもダウン症の子供だった。

 ポールは地方検事局の検事で、ルディは助けを求めた。こうして男のカップルは、麻薬所持で逮捕起訴され入所中の母親に監護権を一時的にもらいうける。マルコに愛情を注ぎながら、自分たちで育てる手続きを始めるが、意外に壁が厚かった。法律というよりも、当時の人々の心のありようがすべてを支配していた。

 ポールも同性愛者だと発覚、検事局はクビ。窮地に陥った二人は、白人の弁護士は誰も引き受けなかったが、黒人の弁護士に頼む。そして、個人に対し平等保護を否定してはならないという合衆国憲法修正第14条が強い味方になるはずだった。

 ところが地方検事局は、母親に監護権の回復申請を条件に出所させる。明らかにポールを狙った検事局の嫌がらせだった。しかし、腕利きの弁護士も母親が出てきてはお手上げだ「あきらめろ!」だった。

 自宅に戻った母親は相変わらず薬と男に溺れ目障りなマルコを自分の都合で外へ追い出す。 当てどもなくさまようマルコ。

 ポールは判事や検事に手紙を送った。「新聞記事を同封します。知的障害のあるマルコという少年が、3日間、家を捜し歩いた末、橋の下で独り死んだそうです。マルコは心の優しい賢く楽しい子供でした。チョコレートドーナッツに目がなくディスコダンスの達人でした。寝る前の物語が好きでせがむのはハッピーエンド。ハッピーエンドが大好きでした」そう、マルコは愛に飢えていたんだ。

 二人のゲイは、医師の「大学へ行けないし就職もできない。今の状態が続くよ」という言葉にもひるまず一途にマルコを愛し続けた。

 地声で歌うルディ。
「人は誰でも守られるべきだと言い 
 その一方で打ちのめされるという 
 はっきり見えるもう一人の私が 
 この壁を越えた遥か向こうに 
 私の光がやって来るのが見える 
 西から東へ輝きながら 
 だから もうすぐ今日にでも(Any Day Now) 
 私は解き放たれる」

 他人の辛苦は忘れがちになる。ポールとルディが住むアパートの部屋をあてがわれて、マルコが「ここは僕の家?」と聞く。ルディが「そうだよ」と言ったとたんマルコが泣き出す。嬉し涙だ。

 こちらも鼻の奥がつんとして涙もろくなる。時にはこういう映画を観て、今一度噛み締めるのもいいだろう。どんなに堅牢な涙腺でも、この映画にかかれば瞬時に崩れてしまう。
          
          
          
          
          
          

 印象的なテーマ曲をアラン・カミングが歌う「I shall be released」を、誰かの気の利いた字幕でどうぞ!
ついでながら、日記の歌詞は映画の字幕からの引用で、気の利いた字幕のほうが意味が分かりやすい。
 追って、この曲はボブ・ディランの作詞・作曲になるようだ。       
          
監督
トラビス・ファイン1968年6月ジョージア州アトランタ生まれ。

キャスト
アラン・カミング1965年1月イギリス、スコットランド生まれ。
ギャレット・ディラハンド1964年11月カリフォルニア州生まれ。
アイザック・レイヴァ出自不明

人間の狂気をえぐり出す舞台劇の映画化「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」1966年制作

2015-02-17 17:51:14 | 映画

              
 私たちには確実に狂気の部分が刷り込まれている。早い話が恋に落ちたとき一途に相手を思うのは、異常をきたした精神状態であることは確かなことだ。寝ても覚めても思うというのは普段ではありえないからだ。狂気の部分といってもいい。

 こんなセリフがある。「皮膚をはがし筋肉をはがす。内臓を取ると、その先は骨に突き当たる。だが、骨が終点ではない。骨の中には隋(ずい)がある」この髄が究極の本音の部分を言っているように思えてならない。もともと人間は仮面をかぶっている。決して本音を表に出さない。

 この地方の大学の総長の娘マーサー(エリザベス・テイラー)と結婚した歴史学教授ジョージ(リチャード・バートン)の家に夜中、生物学教授として新任のニック(ジョージ・シーガル)とその妻ハニー(サンディ・デニス)が訪れる。

 この四人が、真夜中から明け方まで延々とある種のゲームじみた会話を展開する。マーサーとジョージは、客の前でありながら相手をこき下ろしたり皮肉ったりする。ニックとハニーも徐々にそのペースに乗せられていく。

 真夜中、登場人物4人、ひっきりなしに酒を飲みながら、ほとんど部屋の中をモノクロの映像が左右にふれたり、広角のショットやズームアップで多様に語りかける。アルコールは仮面を徐々に剥ぎ取っていく。

 ジョージも総長の娘と結婚したのは、早く出世の階段を上り詰めたいからだし、ニックにしても妻の父が大金持ちが理由だった。男だけがこんな不遜な考えではない。ハニーにしても想像妊娠でニックを惹き付けたという。

 心の不安定なマーサーが放つ罵詈雑言と付き合い「想像上の息子」を作り上げてきたジョージは、マーサーがニックと寝たことを潮時と見て「息子は死んだ」と断言する。打ちひしがれるマーサー。

 さて、この夫婦の将来は? ジョージが出て行くという説もあるが、私はそうではないと思いたい。「オオカミなんかこわくない」と口ずさむジョージに「怖いわ」と言いながらジョージの手を握るマーサー。その先の夜明けのショットは、希望と見たがどうだろう。

 この映画の監督の演出で三幕の戯曲をブロードウェイで上演されたのを映画化したという。そしてこの表題については、劇中歌の「オオカミなんか怖くない」のオオカミ(wolf)をイギリスの有名な小説家ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)に置き換えたもので、劇中歌の駄洒落として登場するという解説がある。

 さて、そんなに単純なんだろうか。 と思う。ヴァージニア・ウルフも精神を病んでいて最後には夫レナード・ウルフに「私の人生の幸せは、すべてあなたのおかげです」と書き残して家の近くの川に入水する。この辺が重なっているように思えてならない。いずれにしても名作に違いない。

 第39回アカデミー賞では主演女優賞にエリザベス・テイラー、助演女優賞にサンディ・デニスが受賞。ほかに撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞も受賞している。

 エリザベス・テイラーはこのとき34歳なのに体重を10キロも増やし髪の毛をグレイに染めメイキャプで中年女にしたという。「若草物語」の美しさと比べると、これがリズ? と疑いたくなる。けだし名演技だった。

 アメリカン・フィルム・インスティチュートの2007年歴代ベスト100の67位にランクされいる。なお、余計なことかもしれないが、この映画で性的な表現「Fuck」をはじめて使ったといわれる。
           
           
           

監督
マイク・ニコルズ1931年11月ドイツ、ベルリン生まれ。2014年11月没

キャスト
エリザベス・テイラー1932年2月イギリス、ロンドン生まれ。2011年3月没
リチャード・バートン1925年11月イギリス、ウェールズ生まれ。1984年8月没
ジョージ・シーガル1934年2月ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。
サンディ・デニス1937年4月ネブラスカ州リンカーン生まれ。1993年3月没。

たまにはダメな映画の話「友よ、さらばと言おう ’14」2014年8月公開のフランス映画

2015-02-15 16:04:38 | 映画

               
 ブログや日記に書くのは、観た映画に感動したり何かしら参考になったり、影響を受けた作品が主になる。でないと書く意欲が湧かない。しかし、徹底的にどうしよもないダメ映画も鬱憤晴らしもあるが、書きたくなるものだ。まさにこの映画がそれだ。

 お話というのは、飲酒運転で人身事故を起こした刑事が、有罪判決を受け刑務所での務めを終えて警備会社の仕事をしていた。当然家庭は破壊され別居状態。この元刑事は、毎週土曜日に息子と会えることになっている。息子と過ごす時間が唯一の慰めのひと時だった。

 ところが元妻とその恋人と息子とともに闘牛を観戦しているとき、運悪く息子がトイレでマフィアの殺人現場を目撃したことから事態は大きく転換してアクションの連続となる。息子思いの元刑事の活躍がメイン。

 この映画は、アクションシーンを撮るために作ったとしか思えないほど不自然さや矛盾がある。第一、刑事が飲酒運転で人身事故を起こし刑務所入りなんていう状況設定が薄っぺらだし共感できない。

 しかも、高速鉄道(高速鉄道だと思う。新幹線車両のような列車だ)で元刑事が付き添い母子を隠れ家へ移送するが、マフィアの連中がその列車に乗り込んだのを知った元同僚が車で次の駅まで追跡する。しかも、乗っているパトカーを追突させ、一般市民の車を強引に取り上げて走る。警察官の運転未熟を露呈。そういう腕なのに列車が急停車したところで追いつくという按配。いくら車が早いといっても高速列車に追いつくはずがない。お手軽もいいところだ。

 さらに、この列車内ではマフィアの連中と元刑事の銃撃戦が展開されている。当然鉄道関係者は、警察へ通報しているはず。それなのにヘリコプターも来ないし、もちろんパトカーや救急車の姿はない。

 こういう話は、当然マフィアが全滅することになっている。それはいいが、最後の一人のマフィアと元刑事の殴り合いの死闘は、対抗線の高速列車にマフィアが轢かれて死ぬというもの。驚いたことに、高速列車は急ブレーキもかけずそ知らぬ顔で爆走してしまった。いくら映画だといってもリアルな部分も入れてほしい。一事が万事いい加減な出来だった。

 よくもこんな映画を輸入して劇場で上映したなと思ってしまう。しかもDVD化までも。うんざり。で、監督の出自を調べてみると生年月日や出身地は不明で、ファッション関係の広告がもとの仕事のようだ。いうなれば、映画の素人だ。こんな映画なら、私にだってもっとうまく作れると思ってしまう。私の勝手な思い込みは、このなにやら男の友情を謳いあげるようなタイトルに騙された。

監督は、フレッド・カヴァイエという。警備会社に勤める元刑事にヴァンサン・ランドン1959年7月フランス生まれ。元パートナーを組んでいた刑事にジル・ルルーシュ出自不明。ランドンの元妻にナディーン・ラバキー1974年2月ベイルート生まれ。

殺し屋同士の結婚があらぬ方向へ「女と男の名誉」1985年制作

2015-02-13 21:02:30 | 映画

               
 チャーリー(ジャック・ニコルソン)は中年男で、ニューヨーク最大のマフィア、プリッツイ一家の殺し屋だった。そしてファミリーの幹部の娘メイローズ(アンジェリカ・ヒューストン)とは結婚したこともあったが、今は家名を汚したとして勘当の身のメイローズとは慰め慰められる間柄で、いうなれば浅からぬ因縁がある。

 マフィアのドン・コラード・プリッツイ(ウィリアム・ヒッキー)の孫娘の結婚式当日、チャーリーはラベンダー色の服の女アイリーン(キャスリーン・ターナー)に一目惚れ。このアイリーンも殺し屋であることが判明する。殺し屋という同業の男と女。しかも結婚までした殺し屋同士。

 プリッツイが25%の株を持つ銀行の頭取の横領が密告される。策を講じるマフィアは、頭取誘拐をチャーリーに命じる。アイリーンは適切なプランを提供する。その実行当日アクシデントが起こる。不意にエレベータが開き中年の女性が現れる。顔を見られたといってアイリーンは即座に射殺する。

 ところがこの女性は、警察幹部の妻だった。警察は仲間の不幸を見逃すはずがない。執拗な捜査が行われる。頭取の誘拐がプリッツイの疑惑とほのめかされる。

 ここから話はややこしくなるが、映画ではすっきりと語られる。結論は、チャーリーとアイリーンの騙しあいの末殺し合いにまで発展する。この終盤がなかなかいい。

 アイリーンは化粧室で拳銃に消音器をつける。チャーリーは、ベッドでナイフを隠し持つ。化粧室から出てきたアイリーンは、即座に銃を発射する。寸刻も置かずアイリーンの喉にチャーリーのナイフが突き刺さる。

 自宅でチャーリーの電話を受けるメイローズの口元がかすかに微笑む。そう彼女が名誉のために画策した結末だった。 と、私は理解している。

 ドン・コラード・プリッツイを演じたウィリアム・ヒッキーの老いぼれてよぼよぼの男が鋭い目とあまり舌が廻らない独特の口調で存在感があった。

 メイローズ役のジョン・ヒューストンの娘アンジェリカ・ヒューストンも顔立ちがいわゆるアメリカ人とは少し違う感じがある。アジアのDNAが混じったようなフランス的な風貌は、あでやかな服装をするとかなり目立つ。

 そしてキャスリーン・ターナーの演じるアイリーンの乗る車は、真っ赤なクラシックな感じのオープンカーで、説明によると日本が中東向けに作った車だという。そういう車があったのかなあ、とは思う。

 このギャングとかやくざという人種は、日ごろ穏やかで笑ってはいてもいざ真剣な状況になると目の鋭さが増す。刑事も同様だが。ジャック・ニコルソンもその辺は心得たもので瞬時に険しい表情に変わる。
 とにかく皆さん役者じゃのう。とにかく面白い映画だった。  
            
            
            
            
            
            

監督
ジョン・ヒューストン1906年8月ミズーリ州ネバダ生まれ。1987年8月没

キャスト
ジャック・ニコルソン1937年4月ニュージャージー州ネプチューン生まれ。
キャスリーン・ターナー1954年6月ミズーリ州スプリングフィールド生まれ。
アンジェリカ・ヒューストン1951年7月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。
ウィリアム・ヒッキー1927年9月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。1997年6月没。

人気のヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレットの「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト’13」

2015-02-11 17:24:41 | 政治

               
 日ごろクラシック音楽とは縁遠い私でもデヴィッド・ギャレットの超絶技法には驚いた。私の貧弱な知識では説明の仕様がない。

 とにかく、「悪魔のヴァイオリニスト」と言われたニコロ・パガニーニ本人は、俗に言う変人だったんでしょう。要するにヴァイオリンの演奏以外は世間の常識からは逸脱しているからだろう。したがって女好きで酒飲みですべてが度が過ぎるというのだろう。

 1830年、無名時代にウルバーニ(ジャレッド・ハリス)が「その才能を世間に知らしめて有名にしてやる」という話を持ちかけて来たのがものの発端だった。ニコロ・パガニーニ(デヴィッド・ギャレット)は、その話に乗る。卓越した技法を持つパガニーニは、当然のように一世を風靡する。

 観客の若い女性たちは、まるでエルビス・プレスリーのコンサート会場のような黄色い声を張り上げる。とにかく映画を観るか、デヴィッド・ギャレットのCDでも聴くほうが早い。

 パガニーニを演じたデヴィッド・ギャレットは製作、音楽、主演をこなし、男の目から見てもなかなかセクシーに見えた。ドイツ人弁護士の父親とアメリカ人のプリマバレリーナの母親から生まれたとは思えないラテン系のような色気を漂わせている。女性が夢中になるのも当然かなと思う。

 もう一人注目すべき可愛い女優がいた。アンドレア・デックと言いアメリカ出身でロンドン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートを2011年に卒業。その後、リドリー・スコットの「悪の法則」にも出ているが端役だった。本作が本格的出演といっていい。

 アンドレア・デック演じるシャーロットとの恋が破れ、悲しみのうちにこの世を去るパガニーニ。そしてデヴィッド・ギャレット自身は「僕の野望はクロスオーバーな楽曲をクラシックの作品のように高いレベルにアレンジすることだ」と語る。劇場公開2014年7月
          
          
          
          

失神する女性も出る演奏会場のカプリース24番を映画からどうぞ!

監督
バナード・ローズ1960年8月ロンドン生まれ。

キャスト
デヴィッド・ギャレット1980年9月ドイツ生まれ。
ジャレッド・ハリス1961年8月ロンドン生まれ。
アンドレア・デックアメリカ生まれ。クリスチャン・マッケイ1973年イギリス生まれ。

真実の愛を求める中年男「ジゴロ・イン・ニューヨーク’13」劇場公開2014年7月

2015-02-09 20:38:17 | 映画

               
 監督・脚本・主演のジョン・タートゥーロについてはまったく知らなかった。今までに観た映画の中にその名前が見られるが印象に残っていない。

 自作自演の趣でウディ・アレンと中年のおばさんになったシャロン・ストーン、それにフランスからヴァネッサ・パラディを持ってきて、絶倫男と初々しい心で女性を愛する男を演じる。この両立が面白い。

 大都会ニューヨークの片隅に起こったユダヤ教徒の女性との恋。その恋はユダヤ教でない男にとっては鉄の壁のように厚い。その女性アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)は、フォオラヴァンテ(ジョン・タートゥーロ)と笑顔で別れる。

 フォオラバンテにとっては、傷心の出来事ではあるが元の絶倫男に返り咲くことも……そういうことで中年男の哀愁が滲む。

 ことの起こりは、マレー(ウディ・アレン)の代々の古書店が時代の流れに抗しきれず廃業を余儀なくされた。たまたまうまい具合に通っている皮膚科の女医Dr、パーカー(シャロン・ストーン)から力強い男を求められ、ほいほいと受けてしまう。友人のフォオラヴァンテにこの話を持ちかけた。
 マレーのジゴロ業の開店だ。マレーはポン引き、フォオラヴァンテは男娼というわけ。一回に2000ドルの収入は6対4で、マレーの分け前が4にしてもこんな美味しい商売はない。古代から延々と続き未来まで安泰な商売。ただ一つ、警察だけが邪魔な存在。いったん踏み入れると抜け出せないのがこの商売。恋を失ったとはいえ、フォオラバンテの顔には不敵な表情が浮かんでいたようだ。

 何でこんな映画を作ったんだろうと考える。ジョン・タートゥーロは言う「Drパーカーは、何もかも手に入れたと思うかもしれないが、しかし、彼女は籠の鳥なんだ。新しい発見を求めて自由を得たいと思う。手助けする男が必要だった」うーん、どうだろう? 
 それにウディ・アレンもかなりお盛んなようだから、男しか作れないテーマだと思ったのかもしれない。

 で、この映画で一点だけ疑問が解けた場面があった。それはフォークとスプーンで1尾のムニエルした魚をどのように取り分けるかということ。そうか、ついフォークとナイフでどう取るかと考えるから難しい。

 アヴィガルの説明は「魚をフォークで押さえるの。スプーンはギザギザなし。スプーンを身の下にソッと潜り込ませる。身を骨から引き剥がし、大きな切り身を取るのよ。そしてお皿に仰向けに寝かせる。次に背骨がついたままの尾を持ち上げて外すの。そうすると下の身が現れる。それを取り分けるの」フォオラヴァンテは「本当の魚好きはホホを食べる。美味だよ。王様の食事だ」日本でもホホの部分が美味しいと言われるから、これは世界共通の認識というわけか。
          
          
          
          
          


監督
ジョン・タートゥーロ1957年2月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。

キャスト
ジョン・タートゥーロ 
ウディ・アレン1935年12月ニューヨーク生まれ。
ヴァネッサ・パラディ1972年12月フランス生まれ。
シャロン・ストーン1958年3月ペンシルヴェニア州生まれ。
リーブ・シュレイバー1967年10月サンフランシスコ生まれ。
ソフィア・ベルガラ1972年7月コロンビア生まれ。

1960年代の懐かしき歌声「ジャージー・ボーイズ’14」劇場公開2014年9月

2015-02-07 18:27:42 | 映画

               
 かつてのロック・ロール・グループ、フォーシーズンズの栄光と挫折、そしてリード・ヴォーカルだったフランキー・ヴァリの復活を、クリント・イーストウッドが楽しみながら作ったと思える。

 2005年から始まったブロードウェイのジュークボックス・ミュージカルを映画化したといわれる。2006年にトニー賞のミュージカル作品賞を含む4部門を受賞していて、フォーシーズンズのオリジナル・メンバーのフランキー・ヴァリ、トミー・デヴィート、ニック・マッシ、ボブ・コーディオは、1990年ロックの殿堂に、1999年にはヴォーカル・グループとして殿堂入りを果たした。

 なんといってもこのグループの特色はリード・ヴォーカルのフランキー・ヴァリの存在だろう。彼のファルセットの特徴が受けたのだろう。このフランキー・ヴァリをジョン・ロイド・ヤングが演じていてヒット曲「シェリー」やソロでヒットした「君の瞳に恋してる」を聞きながら、うきうきとした心地よい時間を過ごすことが出来る。

 ちなみにフランキー・ヴァリ本人は、1934年5月に生まれて現在も80歳で往年の面影を残している。私はジョン・ロイド・ヤングの歌唱が気に入った。
           
           
           
           

それでは「シェリー」と「君の瞳に恋してる」をどうぞ!
「シェリー」


「君の瞳に恋してる」


フィナーレのダンス・シーンもどうぞ!

監督
クリント・イーストウッド1930年5月サンフランシスコ生まれ。

キャスト
ジョン・ロイド・ヤング1975年7月アメリカ生まれ。
エリック・バーゲン1985年12月ニューヨーク生まれ。
マイケル・ロメンダ出自不明。
ヴィンセント・ピアッツアニューヨーク、ミドルヴィレッジ生まれ。
以上の四人は、テレビで活躍しているようだ。クリント・イーストウッドはこれらの若手を育てる意図もあったのかもしれない。

 そして、存在感を持つクリストファー・ウォーケン1943年3月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。ダカルロというギャングの親玉になるが「ディア・ハンター」当時の面影は過去のもので、独特の老けかたの優しいギャングを好演していた。歌を聴きながら涙を流すんだから。