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「Justervesenet NORSK AKKREDITERING」こんな研究所に勤めるマリエ(アーネ・ダール・トルプ)。このノルウェー語は見当もつかない。「ノルウェー国立計量研究所」だそうだ。
ここの所長は、マリエの父アーンスト教授(スタイン・ヴィング)。父の口癖は「自分の人生をハカリにかけろ」。ハカリにかけるということは、重さを量ること。
人生の重さとは、愛の重さとは??? 推定で人の魂は、21グラムという。大さじ1杯半ぐらい。魂を計ることが出来るのか。結局この映画は、皮肉を込めた風刺としか言いようがない。
静謐な場面といってもいいほど、研究所もマリエの自宅も白を基調にした透明感と影に満ち溢れていた。マリエの計ることの人生には、文字通りハカリしれない問題も起こる。
パイロットと思しき夫は、マリエの留守中に自分の持ち物を運び出す。電気自動車で帰宅したとき、夫が荷物を車に積んでいるのを路傍で眺めている。走り去ったあと無人で暗い部屋に入り、ダブルベッドにも夜具は一人分だけ。侘しさがにじみ出る。
父から多くを学んだマリエは、時折郊外の父の家を訪れる。そういう父娘の時間も、父の心臓発作で病院に移る。パリで開かれる国際度量衡局主催の国際会議に、マリエが望んで父の代わりに出席する。そのパリで愛の重さを量ることになる。
国際度量衡局に勤めるパイ(ロラン・ストケル)との出会い。彼の腕の中で初めて笑顔を見せるマリエ。そして、部屋置きの浴槽の中で重なり合って「15,5センチ」とマリエ。すかさず「18センチ」とパイ。この意味は判っていただけると思う。
18センチは、かなりサバを読んでいる。何でも正しく計るという職業についていながらこのいい加減さ。男と女の間には、車のハンドルの遊びのように遊びが必要という。マリエの結婚生活の破綻は、この遊びがなかったからだと言いたいのかもしれない。そして、それをやっと理解したマリエ。
題名の1001グラムとは、父を火葬したあとの遺灰の重さ。ノルウェーの新緑の頃、鮮やかな緑の風景とマリエの笑顔が印象的だった。劇場公開2015年10月
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監督
ベント・ハーメル1956年12月ノルウェー生まれ。
キャスト
アーネ・ダール・トルプ1975年8月ノルウェー生まれ。ノルウェーで人気の女優らしい。
ロラン・ストケル1973年5月フランス生まれ。
スタイン・ヴィング1940年ノルウェー、オスロ生まれ。
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