
人間は嘘をつき見栄を張る生き物という皮肉がたっぷり詰まっている。ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、お金になに不自由ない生活でブランド物の衣装に身を包み、やれパーティや一流レストランでのディナーが日常だった。
ところが夫のハル(アレック・ボールドウィン)が営む投資会社はインチキで詐欺犯だった。司法当局から身ぐるみ剥ぎ取られてニューヨークからサンフランシスコに住む妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のアパートに転がり込む。
ハイクラスな生活になれたジャスミンは、それ以下の生活に適応できない。しかし、何とか生きていかねばならない。仕事に役立つと思われるパソコン教室にも通う。
そこで知り合った女性の誘いであるパーティに妹と参加した。二人とも出会いもあって楽しい時間を過ごしたが……嘘がどんな結末へと流れるのか皮肉の利いたエンディングまで楽しい映画だった。
この映画はハイクラスからの転落を描いてあるが、我々庶民の生活も無関係かといえばそうでもなさそうだ。
早い話が、車を手放せるか。携帯電話やテレビも同様。ということは、今の水準の生活レベルはなかなか落とせないということ。それほど人間というのは困った生き物だ。
映画を観て笑っていると自分を笑っているのと同じ。 という皮肉が込められている気がするが。
なんでもないどこにでもあるお話ながら、ケイト・ブランシェットは、この映画で’13年アカデミー主演女優賞を受賞しているので一見の価値はある。


監督
ウディ・アレン1935年12月ニューヨーク生まれ。
キャスト
ケイト・ブランシェット1969年5月オーストラリア、メルボルン生まれ。
アレック・ボールドウィン1958年4月ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。
サリー・ホーキンスイギリス、ロンドン生まれ。
ピーター・サースガード1971年3月イリノイ州生まれ。