猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

マンガ日本の古典 1 「古事記」 石ノ森章太郎

2009年05月15日 16時18分02秒 | マンガ家名 あ行
          ↑ 中央公論新社 1996年6月1日 初版 文庫版


 マンガ日本の古典シリーズの栄えある1巻目、「古事記」 を描いているのは 石ノ森章太郎先生。「古事記」 の中でももっとも面白い 「上巻(かみつまき)」 いわゆる 日本神話 を描いています。

 石森氏の歴史ものというと、私は 「マンガ日本の歴史」 をディアゴスティーニ出版の、本の上半分だけマンガという縮小版で持っていますが、この 「古事記」 はそれを描き終えた直後のお仕事らしい。

 作者あとがきによれば、
  「マンガ日本の歴史」 全55巻を終えた直後、ということもあり、「古事記」 上巻は気の楽な仕事となった。 
 と有る。
  - 日本の歴史の方は - 分かっていることだけでも、出来るだけ正確に、ミスリードは許されない、という当然のプレッシャーも、予想以上に大きかったようだ。  - 中略 -  歴史はマンガ的ではあっても、マンガではないからだ。マンガ的につられて、マンガ家的発想を展開し、本当のマンガにするわけにはいかない。
 そう そこへいくと 「古事記」 上巻は、確たる原本が存在するとはいうものの、自由に『マンガ家的発想』で処理が出来た。なにしろ
 幼少のみぎりから慣れ親しんできた、楽しいムカシバナシの世界、である。そのムカシを思い出しながら、大いに楽しんだ、というわけである。もっとも
 苦労が全然なかったわけではない。中でも最大の苦労は……、「古事記」 上巻そのものが、すでにおおいなる マンガ だったことである。


 うふふ、石ノ森先生らしい文章。読んでみると本当に楽しく描いてあるのです。 
 アマテラスを天の岩戸から引っ張り出そうとして踊る、アメノウズメのストリップの色っぽいこと。ヨモツヒラサカでのイザナギ・イザナミのホラーや、スサノオノミコトとヤマタノオロチとの大活劇や、途中ミュージカル風にヒーロー・ヒロインが歌いだしたり。 (なんと原作もそうなっているそう) 
 良く知っているおとぎ話や、あら、ほんとはこんな話だったのね、というオオクニヌシノミコトの話など、これなら小学生から大人まで、読んで聞かせれば幼稚園児だって楽しめます。
 絵本ではなく一度通しで日本神話をちゃんと読みたい人は、難しい漢字の神様が並ぶ現代語訳より、これを見た方が手っ取り早いと思われます。(笑)

 1998年(平成10年)1月28日亡くなっているので、1994年作のこの作品は亡くなる4年前の最晩年時期の作となります。もっともっと描いてほしかった…。ファンは誰もそう思ったことでしょう。

 


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6 コメント

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(トミー。)さんの記事を読んでこのマンガを読みたくなりました(^o^)。 (tooru_itou)
2009-05-16 15:35:16
>「古事記」上巻そのものが、すでにおおいなる『マンガ』だったことである。
~「日本神話」は『マンガ』だった♪(笑)。
>(なんと原作もそうなっているそう) 
~だものねー(笑)。
>一度通しで日本神話をちゃんと読みたい人は、難しい漢字の神様が並ぶ現代語訳より、
これを見た方が手っ取り早いと思われます。(笑)
~色っぽい、アメノウズメのストリップが見たいでふ(笑)。

「マンガ日本の古典」シリーズ全32巻、いいですねー!
先日お亡くなりになった(やまだ 紫)さんも 「御伽草子」を
描いておられたんですねー!。ご冥福を。
私も読みたい作品を(夜)さんを見習って古本でさがそ。
返信する
結構面白くて読めます。 (トミー。(管理人))
2009-05-18 11:12:50
  tooru_itou様
 このシリーズね、意外な人が意外な作品を取り上げてて、10年以上前のシリーズですが楽しい作品群です。

 しかも、図書館用に今もセットで新刊が売れてるらしくて隠れたロングセラーになってるみたい。単品では中古もあるので、自分の好きな作家だけでも読むと面白いですよ~。
返信する
石の森氏の古事記 (満天)
2009-05-18 12:16:34
なぜだろう?
なんか絵を見ないでも…
色っぽい踊りのシーンなんかが目に浮かぶ
多分…手塚氏の火の鳥のシーンと重なっているのかな~?(笑)
それとも…日本の歴史の中の卑弥呼のシーンで
似たような場面があり
それでチラっと見たのかもしれない
それとも石ノ森氏の漫画に親しみ過ぎて
見ていないのに見たと思っているのかも(笑)
それほど好きな作家さんだからな~

まだまだ沢山の漫画を描いてゴルフも沢山して欲しかった
作者あとがきが、エエな~
紹介してくれて、ありがとう~~~
返信する
古事記は・・・ (たれぞ~)
2009-05-18 14:58:34
色んなお話がありますよね~

改めて読んでいなくても何かかにかでストーリーを知っている話もあるし。

考えてみればどの話も一流のドラマチックというかエンターテーメント性もあるかも
「すでにマンガであった」という表現になるほどな~と思いました

ほんと・・・先生にはもっともっと色んな作品ほーを残して頂きたかったです
返信する
日本の歴史 (トミー。(管理人))
2009-05-19 14:34:16
 満天様
 「日本の歴史」 の方読んだ ? 私は最初マンガ喫茶で読んでたけれど膨大な55巻なので全部は無理だった。それがディアゴスティーニ社で上マンガ、下に文章と写真などを付けた週刊の雑誌が出て、楽しみに毎週買って、厚紙の表紙も買って整理して、我が家の永久保存版歴史書として大事にとってある。(笑)

 あれもなかなかの大作で面白かった。うん、神話の部分もまじめっぽく描いてあったが、そこでウメノウズメ見たのかも。
返信する
昔話。 (トミー。(管理人))
2009-05-19 14:39:01
 たれぞ~様
 子供のころ絵本で読んだ オオクニヌシノミコト の話はほんの一部分なんだってわかりますよ。
 海彦・山彦の話も長い話があるし、知ってるようで知らない日本の神話がとっても勉強になってしかも面白く読みました。

 そのうち回すので待っててね~。

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