小学館 PFビックコミックス 1982年7月2日 初版
夜さん にお借りしています。
同時収録 「となりの学星人」 ← これが、これが… 奇想天外別冊 No.9 1980年1月 に載ったSFコメディ。ぷぷぷです。
この作品を懐かしいと思われるのは35歳以上でないと無理かな~ 1980年春の号 ~ 1982年1月号までプチフラワーに発表された、種類でくくるとすれば学園コメディーです。
作者あとがきによると… 美内 すずえさんに 「食物の名をタイトルにつけるとまんががヒットする確率が高い。」 と聞いてこういう題名をつけたそうな。
学園ものだから、ささや氏が少女の頃その作品群に衝撃を受けたという 西谷 祥子氏 の 「レモンとサクランボ」 も意識しているのかもしれない。しかし 「レモン~」 はレモンに例えられるキリッとした少女と さくら という名の少女が中心のストーリーだが、こちらはちっとも題名と内容がリンクしてない。
かろうじて主人公の名前が 苺野 (いちごの) という苗字なくらい。(笑)
作者も 「くだものの名前をいろいろ書いてゴロが良さそうなのを選んでつけただけだから別に内容とは全然関係ない。これがヒットしたかどうかは知らない。」 なんて言ってますがいえいえ、ささや氏の初期作品の中ではちゃんと読んでいない私でも題名に覚えのある 秀作 ですよ。
私がリアルタイムで読んで面白いと思った ささや氏 の作品はレディスコミック連載の 「おかめはちもく」 でその前の、たぶんちょっと不本意な思いで描いたであろう 乙女ちっく な初期少女まんがや中期のミステリー作品はこの度 夜さん にまとめてお借りして初めてしっかり読みました。
でも、やっぱり私の好みはこの人のこんなコメディーだなぁ。その後の 「おかめはちもく」 に繋がるものがこの 「グレープフルーツ ストロベリー」 に垣間見えるのですよ。
一応学園コメディーの形で主人公の 苺野 糖子 (とうこ) を取り囲む友人、3人組のトッポイ男の子たち、ハンサムで自信過剰な同級生男子、自意識過敏な 糖子の兄 (糖子の高校の新任教師) とかいろいろ出てきて学園生活に起こりそうな恋のさや当て、勘違いなどを楽しく見せてくれるのだが、それはいつの時代の少女マンガでも主題になるもの。
私が他のマンガとどこが違って気になるのかというと、この主人公が少女まんがのヒロイン像とかけ離れてるんです。性格が
すご~く鈍感 に描かれている。常識がないということではないが、奥手というより恋愛に対する感情にとにかく気がつかない子で、自分が誰を好きかも気づいてないという…。何事も 「ふ~ん」 と聞き流してしまう。
こんな主人公、何事にも
過敏で過剰に反応して走り去る 思春期の乙女 が大多数の当時の少女まんがにはいないですよ。この糖子も、「おかめ~」 のぽーっとした主人公の主婦も、作者の分身と私は見ました。
ささや氏のコミックスを今回20冊以上借りたけれど、今読んでも充分本の中に入って行けて面白かったです。夜さん ありがとうございました。m(_ _)m
ただいま、
ブックさん から 腐本 を借りておりまして、さっそく読んだのが 新田 祐克さん の 「春を抱いていた」 新装版 1~13巻。いや~どっかで麻薬のような作品という感想がありましたが、わかります。私も寸暇を惜しんで読むほどはまりました。あっという間に13巻読み終わって、作品はまだ連載されているので早く続きを読みたいわ~っと身もだえしております。(笑)
ご多分にもれず、読む前はこの人の絵柄がちょっと好きじゃありませんでした。お名前も ゆうか と読むなんて知らないくらいで。でも有名だし、長く続くからには人気があるのだろうと、BOで見かけてぱらぱら立ち読みしてみました。しかし1話完結形式で読みやすいとはいえ、やっぱり最初からまとめて読まないと面白さはわからないと思い、ブックさんにおねだりして今回お借りしてみました。
絵柄も全然今となってみれば気にならないどころか、岩城と香籐のこのお話には、 新田 祐克氏 のこの絵じゃなきゃだめっと思います。俳優という職業とお互いを命がけで大切に思う二人のお話、BLということを抜いても読ませます。
今度は声優に青春をかける男たちの 「僕の声」 を読んでみよう。