猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

山岸凉子先生 直筆サイン 当たりました !

2012年10月02日 09時26分57秒 | マンガ家名 やらわ行


       ↑  「日出処の天子」の色紙(印刷)に直筆サインの入ったものと、特製ポストカード



㈱メディアファクトリー刊「日出処の天子」完全版 全7巻 購入特典の特製ポストカードセットプレゼントに応募してから 早○ヶ月 。
各巻の帯についている応募券を切り取って送れば全員もらえるはずだからと、期待して応募してみました。
まだ来ないなぁ~、忘れてんじゃないのと思いつつ、待っておりましたらば ! 

来ましたよん !
同封のお知らせを読んだら、

おかげさまで多数のご応募をいただき、生産にお時間をいただきまして申し訳ございませんでした。大変お待たせをいたしましたが、特製ポストカードセットをご送付申し上げます。

とある。
そうでしょそうでしょ、山岸先生、人気有るんだからね。
見込み甘いわよ。

しかも ! 
厳正な抽選の結果、直筆サイン色紙プレゼントに当選されましたので、合わせてお送りいたします。
ときたもんだ。

はぁ~、待っててよかった。
最近夏バテしたのか、日々の疲れが出てきて昼寝しないとだめな体になっていたが、これを見てカツを入れ直さないといけないわ ! 
山岸先生の多分、最新刊「ケサランパサラン」も読んだのに感想書いてないわ。
先にご褒美貰っちゃったんだから、秋に向かって頑張んないとね~。




     色紙は当然秘蔵するとして、ポストカードを部屋に飾るかどうか悩むトミー。





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原作 宮崎 克・漫画 吉本 浩二「ブラック・ジャック創作秘話」 

2012年05月14日 10時29分23秒 | マンガ家名 やらわ行


    ↑ ㈱秋田書店 少年チャンピオン・コミックス 2011.7.20初版 これは6版
         
       
作画の吉本さんの名前でカテゴリーしています。  

宝島社「このマンガがすごい!2012 オトコ編」第一位です。
こういう賞を取った物って案外興味がなかったりする、ひねくれ者の私ですが、これは以前から見たかった。
なんたって「マンガの神様」手塚 治虫先生の創作の秘密が描かれているってんですから。

以前 朝日新聞社刊 の 伴 俊男 + 手塚プロダクション「手塚治虫物語」文庫版 Ⅰ~Ⅱ巻 を読みました。
そちらは手塚先生が生まれた1928年から亡くなられた1989年までの全人生を網羅したもので、大変読み応えが有る伝記(マンガ)作品です。
「ブラック・ジャック創作秘話」 を読んで興味を持った方は、こちらも合わせて読むと面白いですよ。    ↓








それに対しこちらは有る時期 (ブラック・ジャック創作時期前後) を切り取っています。
劇画ブームの到来で、手塚作品の人気は落ち込み、おまけに虫プロなどの経営悪化で窮地にあった手塚先生が「ブラック・ジャック」で再び大ヒットを飛ばすあたりを活写しています。
「手塚治虫物語」の一部分を、より詳しく描いて見せた、というところでしょうか。

どちらかと言うと「手塚治虫~」は先生を何でも努力もなしに出来るスーパースター、絵柄もカッコよく、スリムな先生像を描いてますが、「ブラック・ジャック~」は泥臭いまでにマンガに真剣、貧乏ゆすりしながら細かいところを描くときは眼鏡をはずし、眼で原稿を食らうように描く、ちょっとおなかの出た手塚先生の凄まじいマンガ創作の一端を見ることが出来ます。

あと、周辺のマンガ家達、元アシスタント達、編集者さん達の当時の事情なども詳しく載っていて興味深いです。
名物編集長の「週間少年チャンピオン」編集長 壁村 耐三氏がたびたび出てきます。
この方、藤子不二雄氏の「まんが道」、長谷邦夫氏の「マンガ編集者狂笑録」その他、たくさんのマンガや著作に逸話を残している方です。
他の雑誌の編集者も出てきますが、インパクト一番の人ですね。

元アシスタント(漫画家 三浦みつる)の言葉の中で印象に残っているのは、

「ええ!!徹夜も良くやりましたよ!!ねむくてね……
何度も何度も意識がなくなりそうになる日があってね…
えっ?つらかったって?とんでもないむしろ嬉しかったですよ
だって振り返ると…
そこに手塚治がいるんですよ!!」


それだけでマンガ家の卵さんたちは何でも出来たでしょうとも。
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山岸 凉子 「日出処の天子 完全版」

2011年11月24日 20時21分30秒 | マンガ家名 やらわ行


ついに出ましたね~。
いづれは出ると思ってましたが…。
新聞の広告を見た方も多いのでは。

メディアファクトリーさんから「日出処の天子」〈完全版〉/第1巻が出ています。(全7巻予定)


        ↓ メディアファクトリーさんのページ


             日出処の天子


厩戸の王子様関係は チェリッシュ・ギャラリーの画集1・2 も持っているので、カラー絵は大体あると思うのですが、やっぱり連載時の通りに読みたいと思う心は留められず。

早速新刊を注文いたしました。全7巻デマチメール登録済み。
最近はEブッ○オフで中古ばかり買っていたので、新刊を買うのは久しぶりです。
作者さんごめんなさい。

     


        新刊で売れないと作者さんにはお金が行かないと聞いたことあるけれど本当ですか? トミー。

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漫画家の和田慎二さん死去

2011年07月06日 23時34分11秒 | マンガ家名 やらわ行
Gooニュース より 

「スケバン刑事」漫画家の和田慎二さん死去

びっくりしました。まだお若いのに。
お悔やみ申し上げます。
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山下 和美 「天才 柳沢教授の生活」

2010年01月18日 11時57分54秒 | マンガ家名 やらわ行
 

          ↑ 講談社刊「週刊モーニング」月1回連載中 コミック1巻 (1989年09月発売) ~ 第28巻(2009/9/23発行)まで発刊中

第27回 平成15年度 講談社漫画賞一般部門 受賞

フジテレビ 水曜劇場 「天才柳沢教授の生活」 としてテレビドラマ化された。(2002.7.3 - 2002.9.18)


         満天さん にお借りしています。


 20年にわたる長期連載中のこのマンガを読んでいるとしみじみ感じることがある。

「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」

と思ってしまうのだ。
 御存じ 宮澤賢治の詩、『雨ニモ負ケズ』 の一節である。

 柳沢教授は某大学の経済学の教授である。年は60歳を少し過ぎたあたり。滅多なことでは表情を変えず、いつでも冷静沈着で、私には理想の大人に見える。いつもこのように泰然と世の中を過ごすことができればそれだけで人生の勝利者というものだ。
 50半ばを過ぎても人の評判を気に病み、いつも何かに怒りを覚えて暮らしている私なぞには到達できそうもない理想の生活に見える。

 だが、教授も初めからこういう性格ではなく、子供の頃は大変賢い子供ではあったが、今とは違う感情もたくさん持っていた。その頃のエピソードから読めるのも、長期連載ならではである。

 教授とて人間、現在でも不愉快な気持ちにさせられる学生もいるし、理解しがたい同僚、ご近所様もいる。大体最愛の (表立っては言っていないようだが) 妻のことも時々良く分からないようだ。(笑)

 しかし、教授の えらいところ は、分からないを分からないで済ませず興味を持った対象を研究しようとするところだ。人はなぜそういう行動をするのか、とわかろうと努力して対象を研究する。
 対象は多岐に渡り、愛猫やはては幽霊までと幅広い。経済学者なのに人間及び世界の不思議の観察が何よりも好きなのだ。経済活動も人間の行う行為なのだから、当然かもしれないが、度を越した観察・研究に読者はユーモアを覚え、大いに笑い、最後に考え込むことになる。

 コミックスの巻数が少ないうちは単に教授の生活の一般人離れした行動を楽しく読んで行くが、途中から教授を 狂言回し にした人間観察マンガになっていく。これは同じ作者の 


「不思議な少年」


 と同じ。そちらは不思議な少年を狂言回しにして人々の営みを見せている。人間が好きなのは結局作者なのだ。そして又、人間を見たいのが読者であるということか。


     人間より猫観察の方が楽しいトミー。



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やまだ 紫 「ゆらりうす色」

2009年09月04日 09時07分03秒 | マンガ家名 やらわ行
            ↑ ㈱筑摩書房 ちくま文庫 1995年7月24日第一刷発行 


 本年(2009年)5月5日突然亡くなられた やまだ紫さん の1984年6月、(講談社)上梓作品。その後1992年に筑摩書房から 「やまだ紫作品集1」 として出版され、又その中から2編を収録した文庫がこれである。

 やまだ作品は版権先がいろいろと変わったらしいが、詳しくは御夫君のブログ 

白取特急検車場【闘病バージョン】

 に詳しい。

 「ゆらりうす色」 
 6ページの短編連作で24話
 「Second Hand Love -セコハン ラブ」 やはり短編の連作作品。

 二つとも不倫中及びその後の女性が主人公の、モノローグに近い作品だが、発表当時の時代の雰囲気がぷんぷんする。バブルに向ってどんどんと登って行くあの時の高揚する様な、でも退廃的な感覚は、今となってはどこを探してもないものだ。

 背景に高級なシティホテルや豪華な食事風景とかが出てくるのでなく、そっけないともいえる、けれどもこれしかない、というラインで引かれたバックは主人公のアパートだったり会社だったり実家だったりする。
 出てくるのも女性とその相手の既婚男性が主で、他に友人・親など数人のみ。それでもあの時のあの感覚が蘇ってくるのは、倦怠感たっぷりの会話のせいなのか…。

 今、同じ題材で旬の女性作家が描いても同じにならないのはわかっている。もしかしたら、同じ時に他の作家が描いても違っているのだろう。あの頃はレディースコミックで不倫ものは他にもいっぱいあったもの。やっぱりこれは やまだ 紫 という作家しか出せない世界なのだろう。

 個人的には2編目の 「セコハン ラブ」 の方が好き。あの頃の自分ならこっちの方が共感できるような、話としてまとまっているというか。



           


 アンニュイなら私の方も負けてないわよ。 ゆらり 亜美色 もしくは 裸のマハ猫 なんちて。


  亜美にゃ~ん… 投薬が嫌で頭隠して体隠さずの図でしょ。


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山岸 凉子 「ツタンカーメン」

2009年08月06日 15時54分28秒 | マンガ家名 やらわ行
            ↑ 「ツタンカーメン」 1~4巻 潮出版社 希望コミックス 1997年7月~9月各第一刷

初出 第一巻 LaLa 1994年7月号~12月号
   第二巻 LaLa 1995年1月 ~ 7月号
     以上 「封印」 を改題
  第三巻 「月刊コミックトム」 1996年5月号~11月号
   第四巻 「月刊コミックトム」 1996年12月号~1997年1・3・4月号


 「封印」 の頃出た 花とゆめコミックス の1巻 (1995年2月1日初版)を買ってから2巻を見つけることができずに (本当は1995年9月1日に初版) 1巻も処分してしまっていました。
 「ツタンカーメン」 がそれと同じで、しかも完結しているということを何年か前に知り、いづれ手に入れようと思っていたが、最近やっとネットで中古を手に入れました。
 途中1年くらい間が空きながら掲載誌を変えて描き続けられていたんですね。

 山岸 凉子氏は実在の人物の伝記に近いものを結構描いてますが、

自身の出身地である北海道で運命観相家として昭和20年代~40年代始めに有名だった 白眼子 という男性について描いた 

→ 「白眼子」

横溝正史の推理小説『八つ墓村』(1949年)の原作になった事件「村人32人殺し」(岡山県で実際に起こった津山事件がモデル) の犯人を描いた、

「負の暗示」(1991年「YOU-all」8号)

バレエものでは、1953年にバレリーナとしては初めて 「ウーマン・オブ・ジ・イヤー」 に輝いた マリア・トールチーフ と ジョージ・バランシン の関係を描いた、
 
→ 「黒鳥 ブラック・スワン」「セリエミステリー」1994年4月号
(あまり内容には触れてませんm(_ _)m)


稀代の天才ダンサー ヴァーツラフ・ニジンスキー を振付師のミハイル・フォーキンの目から見て描いた 

「牧神の午後」(「ぶ〜け」1989年11月号-12月号)

などがあります。

 今回はエジプト、20世紀に至るまでほとんど盗掘を受けなかった極めて珍しい王墓を発掘したとして名高い (以下リンク先はすべてウィキペディア)
考古学者ハワード・カーター
が主人公です。 

 発掘されたほうは有名な
ツタンカーメン 
ですが、作品には謎の人物として生まれ変わりのような形で出てきます。私の好きな 処天 (日出処の天子) の厩戸の王子様に似ていて素敵よん。性格は始め良くないように描かれてますが。

 カーターの考古局首席監督官の時代からその後の不遇時代を経て、
カーナヴォン卿 
の援助でエジプトの王家の谷の発掘を始め、援助の契約が切れる1922年、「世紀の発見」と言われるツタンカーメン王の墓を発見するまで丁寧に彼の事績を追っています。しかしそれだけでは普通の子供向け伝記マンガでしかないわけで、もちろん山岸 凉子氏はそれプラスさっき言ったような謎の人物を出したり、周りの人物もふくらませて描いているわけです。

 カーナヴォン卿の娘の イーヴリン が カーター を慕う素直な娘として描かれ、お話に多少のラブを添えています。なにしろ砂漠の中の発掘現場が舞台ですから、埃っぽくてラブ要素が少ないんですよね。ここら辺、この作品に描かれたように本当に両思いだったのか、結局プラトニックだったのかなどは深く詮索しないように。(笑)

 作者がみっちり調べ上げたことが、ツタンカーメンに関する本を読むよりも早く、詳しく、(なにしろ絵で出てくるわけですから) とても勉強になって好奇心を満足させてくれる力作でした。
 個人的に残念なのは、例の謎のツタンカーメンの生まれ変わりの彼が後半になるとほとんど出て来なくなってつまんなかったことくらいですか…。もうちょっと後半まで絡んでくれると良かったのに、カーターだけには正体が分かった、という処理の仕方でした。

 実はこの後すぐ手に取ったマンガは tooru_itouさんにお借りしている 波津 彬子さん の 「女神さまと私」 。
 時代はこれよりちょっと後だけれどほぼ同じ、作品中にエジプトの猫型女神様が ! この女神様 波津氏 がいつも描くぽっちゃり可愛い猫じゃなくて不気味可愛いのが又…いい感じだったりして。(笑)
 引き続いてエジプトの歴史に思いを馳せることが出来ました。

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やまだ 紫 マンガ日本の古典-21 「御伽草紙」

2009年07月24日 10時27分13秒 | マンガ家名 やらわ行
         

           ↑ 中央公論社 1997年4月25日初版


 今年5月、悲しく惜しくも永眠なさった やまだ 紫さん の10年以上前になりますがこのシリーズの為の描き下ろし作品。

 やまださんの亡くなる前後についてはパートナーでいらした 白取さんのブログ → 白取特急検車場【闘病バージョン】 にて詳しいです。


 御伽草子については、前書きによると室町から江戸時代初期にかけて書かれた短編読み物を一般に 「御伽草子」 と呼ぶそうですが、そのうちの23作品を江戸中期までに大阪の 渋川 清右衛門が出版したと推定されるそうです。
 この作品には 「一寸法師」 「鉢かづき」 「長谷雄草紙」 「ものくさ太郎」 「酒呑童子」 「猫の草紙」 の6話が描かれています。

 おとぎ話とバカにするなかれ、「酒呑童子」 はハラハラワクワクドキドキの英雄譚、 「一寸法師」 「ものくさ太郎」 は現在でも絵本になっていてよく知られた話です。
 「鉢かづき」 は元祖まま子いじめのお話ですね。
大きな鉢が取れずにいじめられる → お屋敷に拾われるが下使いで苦労 → その家の末子に愛され大逆転 
 というシンデレラストーリー。今はあまり絵本では見ないけれど、私の小さい頃は絵本でも見ましたよ。今はディズニーのシンデレラの方がドレスとかお城とか小さい子には夢がありますからね~、まま子いじめも洋物の方が隆盛しているようです。(笑)

 名前を知らなかった 「長谷雄草紙」 は、平安時代 妖しの者 が貴族の男と賭けをし、負けた鬼が 美女 を貴族に呉れてやると連れてくる。しかしその 美女 はたくさんの死人の中から良いところだけを選りすぐって作ったものだったという、何やら後世の他の話にも影響を与えたような 絵物語 からのお話。

 「猫の草紙」 これだけ江戸初期の成立だそうです。高僧の夢の中にネズミや  猫  が表れて、それぞれ勝手なことを言い合うという、立場が違えば言い分も違うというちょっと哲学的な匂いのするお話。

                              
 
 作者あとがきによると何度かの入院などあり、刊行にあしかけ3~4年かかったとか。作者は言い訳はよしましょう、なんて言ってますが実は眺めていて、絵柄も絶頂の頃と比べてしまうとちょっと粗い気もするのです。大変な時期と重なっていたんではないかと推測します。

 やまだ氏はあまり脚色せずに淡々と描かれているようですが、最後に必ず神仏がどうとか出てきて、読んでいて説教臭い~と思っていたのです。ところがやまだ氏も原作を読んでそう思ったらしく、

 ― 宗教の苦手な私は一話完成の度に 「なんかナァ…」 といったふうでした。 ―

 と言っています。いずれも布教の為の説話だから、と言っていますがお坊さんや親が子供たちに興味を持つように面白可笑しく語って聞かせた人生訓のようなものなんでしょうか。
 現代の我々の感覚とはずいぶん違うと感じます。それだけ今の日本は神も仏も信じていないばち当たりな人間ばかりということか ? 
 
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やまだ 紫さんが亡くなられました。

2009年05月11日 12時53分52秒 | マンガ家名 やらわ行
 私もつい先ほど、ちゃととさんのブログ で知ったのですが、漫画家・エッセイストの やまだ 紫さん が5月5日に亡くなられました。

 以前から、やまださんの御夫君である 白取氏のブログ → 白取特急検車場【闘病バージョン】 を愛読していたのに、GW連休中はパソコンを開かず、知るのが遅くなりました。

 先ほどからそちらで やまださん が倒れられてから亡くなるまでの詳細を読んでいるところですが、自分も家人が病気持ちということもあり、とても人ごととは思えずに読んでいます。途中たまらず、いったんこの記事を書いてから又読もうと思った次第です。

 やまだ氏のマンガやエッセイが好きな方は多数いらっしゃるはず。どうぞ白取氏のブログを読み、やまださんのご冥福をお祈りしてください。


合掌。


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マンガ日本の古典 23 安彦 良和 「三河物語」

2009年05月01日 12時51分37秒 | マンガ家名 やらわ行
      ↑ 中央公論新社 1991年2月25日 初版 文庫版

 このシリーズでは女性作家の紹介が続いたので、男性作家もご紹介します。シリーズの中には 「源氏物語」 を長谷川 法世さんが変わった趣向で描いていたりして、まだまだ楽しい作品がいっぱいあります。


 原作の 「三河物語」 は講談・歌舞伎作品で知られる徳川三代に仕えた 大久保 彦左衛門こと 大久保 忠教 (おおくぼ ただたか) 1560年-1639年 という幕府旗本が自家用に書いた本。江戸時代のベストセラーだそうだ。しかも版木で印刷したものでなくすべて手で写したものが流布したそう。

 講談や歌舞伎芝居の中では「天下のご意見番」などと持ち上げられ、魚屋の 一心 太助 とのコンビで3代の各将軍にもズケズケと意見を言ったというのは後世の創作らしい。
 ただ浪人を食客として多数養ったり、筋の通らない話には命を賭けても抵抗するなど、「三河物語」 の中のエピソードを見ると頑固な義侠の士というのは本当らしい。又、八男ということでけして嫡流の出ではなく、大久保家の本家も長兄の子が継いでいる。

 原作は絵師の 安彦 良和氏 があとがきで言っているように、家康公の合戦譚や自分の一族の活躍自慢、太平の世になってからの一族の不遇振りの愚痴など、今の我々が読んでもさして面白くないことがつづられており、どうマンガにするか困ったそうだ。
 ところが実在の太助が彦左衛門の草履取りをしていたということを知り、安彦氏 はそれを手がかりにしてこの作品を描ける ! と思ったそうだ。
 又、港区白銀 立行寺 に彦左衛門の墓と背中合わせに 一心 太助 の墓がある。
 
 原作の 「三河物語」 にも太助のことはなにも書いていない。しかしこの作品では、侍の主人へのご奉公の理不尽さを織り込みながら 太助 から見た彦左衛門を描いている。しかも少年マンガ雑誌で連載されてもおかしくないような面白い作品に仕あげているのだ。ほとんど氏の創作作品と言っても良い。
 この中では剛直、強情、気骨まんまん、しかし稚気あふれる彦左衛門や 侍になりたくてなりきれなかった 太助 が生き生きと動いている。

 「機動戦士ガンダム」 のキャラクターデザインと作画ディレクターを担当したことで有名な 安彦氏 だが、私がマンガ喫茶で読んだ少ない氏のマンガ作品からでも骨太の作品作りはわかり、マンガ作家としても評価の高い人だ。
 これも、氏の作品の中ではあまり有名ではないのがもったいないと思う程、しっかりした作品だった。ガンダムを知らない子供たちにも図書館などで長く読まれる作品としたら、かえっていいかもしれない。

 これを読んで改めてマンガ作家としての 安彦 良和氏 に興味がわいたので、またまたマンガ喫茶へ行ってあさってみようかな。
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