5月10日の土曜日、上野の森の 東京国立博物館に 「国宝 薬師寺展」 を見に行ってきました。度々このブログで記事にしているように我々夫婦のお気に入り博物館です。 →
東京国立博物館
薬師寺展についてはこちら →
東京国立博物館 特別展 平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」
なんと言ってもお目当ては国宝の 「日光菩薩立像」 と 「月光菩薩立像」 それにやはり国宝の 「吉祥天像」。
初めて揃って寺の外に出て展示される日光・月光ですが、ともに光背 (後光を表すもの) をはずされ、薬師寺のお坊様たちでさえ見たことのないお背中が拝めるのです。奈良の薬師寺は好きで、学生の頃からもう4度くらい行ってますが、こんなチャンスは一生一度、何があっても行かなくちゃ。3月25日からやっていましたが、やっと行けました。
これが…これが…すんばらしかった~。
思ったよりも大きく、台座を入れると4m以上になりそうなお二人をじっくり眺めてつい比べてしまう。日光菩薩は男性的、月光菩薩は女性的、と称されていますが、お二人ともお胸がないので一応男性のお姿をしています。しかしお腹の辺りの肉感は女性的。全体的に中性的なつくりです。菩薩様には男とか女とかないのですね。
初公開のお背中は微妙に違って見えるけれど、お二人とも惚れ惚れするような曲線を描き、ずっと見ていたくなる。ああ触りたい。
触りたいといえば、この大きな鋳造物は銅製で、(青銅製ではない) 台座から頭まで一本で鋳られているのです
しかもつるつる
これは鋳物屋の娘である私にとっては驚愕の事実。
こ・こんな大きな像を一本で鋳るなんて、当時の人たちのなんと高度な鋳造技術
実家の知り合いで、美術鋳物で活路を見出した鋳物工場を知っているが、こんなのは今でも作れないと思うぞ。
月光菩薩様の後ろ姿の写真はこちらでチラッと見られます。 →
NHKスペシャル|日光・月光菩薩 はじめての二人旅 ~薬師寺1300年の祈り~ とても良い番組でした。見た方も多かったのでは。
今回の展示で気がついたこと。毎回特別展では土日に観客が殺到し、息も出来ないくらいに混んで歩くのも疲れるのですが、今回は朝から入場制限をしていて、この写真が朝10時過ぎ、私たちが行って平成館の行列に並んだ所です。 ↓
実際、朝からこんななの~と怖気づいたのですが、少し待つと入れてくれて、どうやら本当に混む前に制限していると分かりました。並んでいるときは職員の方が日傘を貸し出してくれたり、いろいろ気を使ってくれている模様。ジジババの観客が多いものねここは。
展示もゆったりと余裕を持ってしてあり、壁際にぴっちり、従って人波も壁際にトロトロという感じではなく、遠目からでもゆったり見られるような展示方法でした。当然展示物の数は少なくなりますが、だんなと二人で
「お目当てがいくつかあって、後はちょろちょろでも、どうせいつもは疲れて全部見られたものじゃないし、こういった方がいいよね」
と意見の一致を見ました。
特に日光・月光の展示は段差をつくって上から見られるようにしてあったり、端に椅子が置いてあってぼーっと眺めていられたり、前からも後ろからも見られたり、良かったですね~。
博物館も進化している、考えている、と感じた1日でした。
ところで、東京国立博物館の正面から入って本館の左手、大きなユリノキがあるのご存知ですか ? 私はこの木が (特にここの木が) 大好きなんですが、この日は季節柄花がたくさん咲いていました。 ↓
ユリノキはモクレン科で明治8、9年頃渡来した30粒の種子から育った1本の苗木が明治14年に現在地に植えられたといわれ、以来博物館の歴史を見守り続けている。(樹下の看板から抜粋) とても由緒ある木なのです もの凄く太い幹で、100年以上立っているとはいえ、流石に北米原産の木は大きいな、と思います。こちらに来たときには、ぜひぜひこの木も近くで見上げてくださいね。
国宝薬師寺展は、6月8日(日)までの展覧です。