「やどり木」 新書館 ペーパームーンコミックス 1988年2月10日初版
「魔術師さがし」 小学館 PFコミックス 2000年12月20日初版
つるさんに佐藤 史生氏のコミックスを5冊と佐藤氏責任編集の本を1冊お借りしています。で、しばらく佐藤 (砂糖) と史生 (塩) 漬けになってます。(佐藤氏の世界で固まってます。笑)
「やどり木」
「やどり木」
表題作はグレープフルーツ1987年34~37号に掲載された作品。最初からどっぷり佐藤氏の作った世界に放り投げられるので、読む方もここはどこ、何がどうなってこうなるか、を読み解くのに大変だが、作者も自分の作った世界を説明するのに大変そう。自由経済と共産主義の話も入っていたりして・・・。
結構有名で人気のある作品らしいのですが、ちょっと消化不良のような終わり方だし、続編はあるのでしょうか ?
「まさかのときのハーレクイン・ロマンス」
上に比べれば、グレープフルーツ 1986年31号掲載 の本作は今の日本が舞台だし、SFじゃないし、分かりやすい。少女まんがらしい展開とも言える。
美貌の夫 (!) を養うのに疲れた母が亡くなった後、息子の ユキオ は今後の生活の画策を父の取り巻き中年有閑金持ち婦人連に託す。銀座に画廊を開いてもらい、そこでアルバイトをしていたユキオは客の年上の女性を気に入るが・・。
最後の1ページを使ったイラストは、これを描きたいがためにこの話を作ったんじゃないかと思う程気合が入っているし、綺麗で、そして・・・とても・・・素敵だった。
「バナナ・トリップに最良の日」 1985年 ASUKA 9月号掲載
これは、同じペーパームーンコミックス 「春を夢見し」 の中に入っている 「ミッドナイトフィーバー」 (1979年作品) の続編で学園物 ?
ここに出てくるちょっと見イケメン男の子、2見、3見すると男にも見えなくなる (!) 宝塚歌劇のような女の子をもっと見たいものです。
「魔術師さがし」
「魔術師さがし」
表題作は2000年5月発表と今のところ一番新しいのですが、いよいよ佐藤氏のSF世界は複雑で、ここまで来ると夜仕事から帰り、猫の介護作業も終わらせてぼーっとした頭で読むのは至難の業。
外伝含み3回くらい読んで何とか分かったようなわかんないような。佐藤氏がコンピューターにもの凄く興味があるのは分かった。表紙見返しにパソコンの前に座った作者が、早く本当の意味での人工知能が誕生して話をしてみたいと言ってます。
「やどり木」 もそうだったけれど、佐藤 史生の作った世界をここはどんな世界なの~と読み解いていくうちにもう物語の半分はすでに終わっている。
パンタレイ島に住む偉大な魔術師がいなくなってしまった。この島はその魔術師パングロスが創造し、しかも島から出られないように しばり が架けられていると言うのに。名だたる魔術師が3人、パングロスを探しにやってくるところからお話は始まります。。。が・・・。
昔々の中世の魔術師達のお話かと思っているとどうやらこの世界は今流行りの仮想世界、
「セカンドライフ」 やパソコンゲームのような世界の中らしい。コミックスだけに収められている描き下ろしの外伝を読まないと、本当の意味は分からりづらい。でもこの外伝が又哲学的で、はぁ~。
好きな人はこの何度も読まないとわからない、というところにも惹かれるのですね。私も 萩尾 望都氏の 「銀の三角」 は何度も読んでしまいますもの。
「まるたの女」 (○に た が入っている) プチフラワー 1988年7月号掲載
舞台になっている四国は私の勤めている会社の発祥の地であり、古きよき日本の残っているところに思えて個人的に大好きなところです。
本四架橋(本州四国連絡橋)が児島・坂出ルート (瀬戸大橋) に架かり、本州と四国がつながったために、千年にわたるある種族同士の戦いの封印がついに解かれてしまったのだった。
うっ凄い有りそうな話。人間の預かり知らぬところで、絶対あるよ~。対人間だけど、スタジオジブリの 「平成狸合戦ぽんぽこ」 を思い出してしまった・・・。