猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

COM 1968年10月号付録 「ぐらこん ⑥」

2007年02月26日 20時45分19秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
 ⑤は最初にアップ(2月16日)したので抜いて⑥です。

 表紙は 樋口 太郎氏 特集は 「新鋭まんが家3人集」 となっています。表紙見返しは 石森(当時)章太郎先生のイラストとポエム、懐かしいSHOのサイン。

ポエム引用します

ハートを頭に移植して描いてはいけない

掲載順にネタバレです。

1. 作 並 構成 みやわき 心太郎 ハートコレクションNo.「あざみ」

 兄の恋人雅子にほのかに憧れている高校生の敬二15歳。兄は雅子と結婚するつもりだったが、父親に政略結婚を強制される。父の会社がつぶれて500人の従業員が路頭に迷わないようにするためだ。苦悩する兄だったが他に道はなかった。雅子を避ける兄。
 敬二は雅子を慰めているうちに姉弟のように仲良くなる。雅子と敬二が一緒に撮った写真を見つけてしまった兄は雅子に受験の迫った敬二にかまわないように伝えに行く。それは自分の恋心も封印する行為だった。
 無事受験に受かった敬二が真っ先に雅子に知らせようと走る道で、引越しの荷物とともにトラックに乗る雅子が一瞬すれ違うのだった。

2. 宮谷 一彦 「第四間戦期に生きて おとうと」 

 先に他誌で発表した 「風に吹かれて」 の続きということで、私にはあまりよくわからない話でした。鑑別所にて、少年たちが話をしている。
 「前の部屋で一緒だった元映画の子役だったやつがね、雨降りに通行人がいるときを見計らって、おっかさ~んて叫ぶのを楽しみにしてんだよ・・・」 

3. 青柳 裕介 「梅雨の終わりに・・・・・」

 同じアパートの小学5年の少女 すず と仲良くなった一人暮らしの青年 涼。すずは母親と二人暮しだが母親が旅館の仲居の仕事をしていて忙しく、すずをかまってあげられないらしい。
 お兄ちゃん、お兄ちゃんと慕われて一緒に過ごすうち、母親に告げ口するものが現れて・・・。涼を慕う食堂の女店員も絡んで、少女の大人顔負けの気持ち、涼の本当の気持ち、母親の心配などが丁寧につづられていく。涼は女店員に あの子を女として見ていたんでしょ、と言われても言い返せない自分を見つけた。涼はアパートを引っ越すことにした。
 成人してすばらしい人に求められ幸せになっておくれ。でも思い出しておくれおぼえてておくれ、遠いあの日のことをほんの少しでいいから。

 
 月締めが忙しくなってまいりました。今回はあらすじだけにて失礼します。でもまんがは読んでます。萩尾先生 「バルパラ異界」 を読み終わり、今は 吉村 明美 「薔薇のために」 再読中。まんがじゃないけど 「昭和美少年手帖」 なんて本まで読んでます~。アップするのが追いつきません~。
 
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COM 1968年8月号付録 「ぐらこん ④」

2007年02月23日 11時22分43秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
          新鋭まんが家競作集 テーマは「晩夏」

 表紙の絵はどなたのかどこにも書いてないです ? 表紙の裏、見返しページには岡田 史子女史のイラストと詩 詩を引用させて頂きます。

くらいへや
ほこりっぽいまど
ちょうつがい
ひっそりとふくを
ぬいでみよう
いつまたなつが
くるのかな

 大きな窓の前にいすに腰掛けた多分裸 (いすの背もたれにかけた服で見えない) の少年。はかなげです。

 掲載順に説明します。黒字は作中からの引用です。

1. 晩夏  作・構成 みやわき 心太郎

 夏の終わり。しゃれた海の家 (良く見ると今でもなさそうなくらいおしゃれなつくりの海の家です) そこの息子がバイトの子達を送り出しながら回想する。
「とうとうこなかった!」
 昨年バイトで来た女の子の一人が気になってしょうがなかったのだ。今年もきっと来ると約束させたのに・・・。店じまいの支度をしながら去年の彼女との思い出をいろいろと蘇らせる息子。
「ばかだった・・・・。雇い主の息子という立場をふりまわさずにひとりの男としてはっきりうちあければよかったのだ・・・。」
 海の家を後にする父親と息子に顔見知りが今年は遅くまでがんばったねーと声をかける。いやせがれが商売っ気出しやがってなどと返す父親。遠くに去っていく後姿。
 知り合いの漁師さん、海の家の前を通りかかると女の子が一人。
「あの、ここはもうしめたのですか」
「ははは あんたもう夏は終わっただよ」
女の子のモノローグ
いまごろ気づいても遅いわ 人を愛するのにテクニックはいらない 自分に値打ちをつけようとして今頃来てもなにもならない ―略―  

 う~んいいなー。この人当時大好きでした。他にもアイドルと偶然付き合った男の子の話とか、年上の2号さんやってるような女の人にあこがれてしまった少年とか、ハートウォームな作品を次々COM紙上で発表してました。絵もすごく上手いんですよ。後に見たときには青年誌にちよっとエッチなものを発表していた。

2. それからの男  はせがわ ほうせい

 西部の男が現代の日本にタイムトラベルしてという話の続編。最後は又消えてしまっておしまい。

3. 包帯をまいたおばけ  川柳 敬太郎

 トラホームになった三つ目小僧が一人ぼっちの少女と出会って・・・・という、ちょっと古い絵柄ですが、ほのぼのタッチの作品。

4. 秋の使い BY 河 あきら

 夏の終わりに終わらない宿題を必死でしている少年。上の方からモミジと笑い声がはらりと。秋の使いというその声に美少女を思い浮かべ宿題も忘れて話し込んでしまったが、実は幼い少女が本と去年のモミジを元にお芝居をしていたというお話。彼はその後あの2時間を悔やみながら宿題をやっているというコマで終わりです。

5. 星は流れて  神江 里美

 大きな団地に引っ越してきた少年に少女ともう一人のヒロシという少年の友達ができる。3人で隠れ家を作って遊んでいた。思い込みの三角関係なども有りまして、ある日隠れ家がブルドーザーに壊されていた。悲しい終わりが待っている作品ですが、子供の気持ちになって描いている。この方、小池 一夫原作の 「弐十手物語」 の作画の人ね、当時からデッサン上手くて実力ありそう。

 この中ではやはり、「晩夏」 が一番と思いました。
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水野 英子 「エリザベート」

2007年02月22日 09時22分17秒 | マンガ家名 ま行
 原作 塚本 哲也 ㈱講談社刊 2002年9月2日初版 これは同年12月2日の第3刷
初出 雑誌「クレア」 1993年11月号~1996年2月号

 祖母は絶世の美女、かのルードヴィヒⅡ世に想われたオーストリア皇后“シシィ”エリザベート、祖父はオーストリア国父と謳われたフランツ・ヨーゼフ皇帝、父は皇太子ルドルフ、19世紀末のウィーンに生まれたハプスブルグ家最後の皇女エリザベートの生涯を描いた歴史絵巻。
 歴史物が読みたくてブック○フで手に取りました。しかも華麗な水野 英子先生の絵とくれば何も言うことありません。

 以下歴史実録物なので、大雑把ですが、ネタバレです。

 水野先生の絢爛たる筆致に乗せて描かれる前半の宮廷場面の豪華なこと庶民には想像もできません。しかし、彼女自身の物語は5歳の時に父の皇太子ルドルフを情死で亡くしてから波乱万丈の人生が幕開けとなります。「うたかたの恋」 として映画などでも有名なこの恋は、相手の年齢が17歳と言うことも有り、今だってセンセーショナルですよね。

 第一次大戦後にオーストリアとドイツは共和制に生まれ変わり、ハプスブルグ家のオーストリア帝国は崩壊します。(オーストリアはぐっと小さくなる) 大戦中に唯一の庇護者のおじい様 (フランツ・ヨーゼフ皇帝) も亡くしていたエリザベートはナチスの台頭、第2次大戦へと続く歴史の中で私生活も翻弄されて行きます。
 17歳で彼女の恋を実らせて、皇位継承権を捨ててまで結婚したオットー中尉とは次第に心が離れて行き、彼の浮気、自身の恋そして恋人の戦死、とオットーとの間にできた4人の子供を抱えて後半は苦難の人生を歩みます。

 息子二人にも先立たれたが、最晩年は生涯の伴侶オーストリア社民党のレオポルド・ペツネック (なんと孤児院育ちの貧農の息子です) と短い間だけでも小さな家で穏やかに暮らせたのが救いでしょうか。ペツネックも戦時中にはナチスの収容所に入れられて九死に一生を得ています。ペツネックと結婚 (始めは離婚が認められなかった為に同居) したため彼女は 「赤い皇女」 と呼ばれます。
 彼女の人生は当時の歴史と切り離して語ることはできないので、詳しくそしてわかりやすい解説がところどころに入り、地図も入って小学生高学年以上なら大体わかるでしょう。
 エリザベートは1883年9月2日生まれ、亡くなったのは1963年3月16日、79歳の生涯でした。墓石には名前も碑文もないということです。又遺品はハプスブルグ家の物は国に返すべきという考えから、すべて国に寄贈されたそうです。

 原作者の塚本 哲也氏はオーストラリアに毎日新聞社の支局長として赴任当時にエリザベートの死亡記事に出会い、まだこういう方が生きていたのかと興味を持って調べ始め本にまとめたそうです。水野氏もそれを読んでいたそうで、クレアのマンガ化の依頼も嬉しかったでしょう。

 以前読んだ池田 理代子氏のナポレオン伝記 「エロイカ」 と同じ位楽しめて勉強になりました。水野氏には又こういうものを描いて欲しい。
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COM 1968年7月号付録 「ぐらこん」 ③

2007年02月21日 09時18分19秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
              青春まんが作品集 表紙は はせがわ ほうせい氏

 
 収録作品

石森(当時)章太郎先生 「夜・・・小公園にて」
 恋人たちの行き違いと仲直りを描いた手馴れた小品。

宮谷 一彦氏 「若者のすべてPART3 セブンティーン」
 無軌道な男子高校生がやっとつかんだと思った真実は・・。かな ???

岡田 史子氏 「胸をだき 首をかしげるヘルマプロディトス」
 岡田氏いつもの独特の叙情的な作品。ヘルマプロディトスはギリシャ神話に出てくるヘルメスとアフロディーテの息子で両性具有神。泉の精サルマキスに一方的に愛されて体に乗り込まれ、溶け合って両性具有になってしまう逸話を描いています。

青柳 裕介氏 「陽炎」
 幼馴染のいとこのヨッコを恋して悩み苦しむ青年の愛の葛藤。

 巻末に 白浜 健一郎氏 (劇団 三色劇場 主催者) による 「現代青春論」 という評論有り。そこのイラストは 宮本 貞夫氏 (虫プロのアニメーター) のゴリラの絵。

 まんが4作品の中では、個人的に宮谷氏の 「セブンティーン」 が初めて読んだ時から衝撃的でずっと覚えている作品。私の中でCOMというとこの作品を思い出す程、好きというより衝撃を受けた作品。奔放な若者の行き着く顛末は・・・というような作品だと思うのだけど、映画 「イージーライダー」 を初めて見たときと同じ感覚かなあ。(ストーリーはぜんぜん違いますよ) 
 こんな青春は自分は選ばないけど自分じゃできないから喜んで見てるという感じ。これはCOMに発表された他の宮谷作品の中でも傑作と思うのだけど、どなたか賛同して (泣) 

 青柳氏は、その後商業誌に発表した 「土佐の一本釣り」 のような健康的な作品じゃなくて、この頃は少女に執着する青年とか、年上の女性と付き合ってる男性とか、この作品のように近くの女性への恋心を抑えられない男の子とか、恋愛もの、特にドロドロして読んでて気が重くなるようなものを描いていた。当時中学生の私には重すぎてあまり好きではなかった。
 その点、宮谷氏の絵柄はスマートで描いてる状況は青柳氏のそれより深刻なのに (自分が高校生なのに子供ができちゃったりしてます) カッコイイなぁと思ったものだ。当時COMの投稿作品に宮谷氏の亜流と岡田氏のそっくりまんががあふれていたっけ。


 裏表紙の裏側 (ここの場所はなんて言うんでしょうか) になんと青林堂 ガロ の特別増刊号の宣伝が半ページ載ってます。当時まんが界の双璧を成していた二つの雑誌、お互いに宣伝なんか乗っけていたのかしらん。
 「つげ 義春特集」 で、
「ねじ式」 (書き下ろし) となってますが、これが初出 ?
「紅い花」 これ好きな作品。
「李さん一家」 なんとなーく覚えているがウロだなー。
「通夜」
「チーコ」 これもかわいそうな話なんだけどすきすき。個人的に印象深い作品。
「運命」
「西部田村事件」
「海辺の叙景」
「山椒魚」
「初茸狩」
「沼」
「不思議な絵」
 収録となっています。 

 評論に唐 十郎氏や石子 順三氏、水木 しげる氏らのお名前も見える。これ見てない作品もあるなー、欲しいなー、今となってはどこにもないだろなー、あっても馬鹿高いだろなー、「つげ 義春全集」 みたいの買っても評論は載ってないだろうしなー、話がそれました。


最近、拙ブログを新規にお訪ねして下さる方が増えて、大変うれしく思っています。作者順、あいうえお順にまとめていないので見づらいとは思いますが、左のカテゴリのマンガをチェックすると漫画関係だけ出てきます。又コメントの中には本文より詳しく参考になることを投稿してくださる方もいるのでそちらの方もできたらご覧になって下さいませ。
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COM 1968年6月号付録 「ぐらこん ②」

2007年02月20日 08時52分49秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
              珠玉デビュー作品集です。表紙は石森(当時)章太郎先生


 永島 慎二先生の 「愛犬タロ」 と石森(当時)章太郎先生の 「二級天使」 解説は峠 あかね氏 (真崎 守氏) 

 解説によりますと、「愛犬タロ」 は昭和31年雑誌 「少女」 (光文社) 連載、作者19歳の時の作品。これの前に単行本6冊、同誌に読み切り1編を発表した後の雑誌への本格的デビュー作品 となっています。
 これね、今読んでも物語りにぐっと引き込まれます。絵柄はさすがに古いし、なにしろ当時の少女マンガですから、お涙頂戴の箇所もある、しかし叙情が香る好編なのです。少女マンガなのに少年と犬の物語というのも珍しい。私が子供の頃 山田 えいじ氏の 「ペスよおをふれ」 という少女と犬の話はありましたけど。
 
 永島先生のまんがは後に少年マンガ雑誌に連載がいろいろ出た頃、少年マンガの中では結構好きで見かけると読んでいました。COMの中でも見ていましたけど、少年マンガでは少年マンガらしい絵柄で描いていて、器用で上手い絵を描く方だなあと思ってました。そしてなんというか、「柔道一直線」 みたいな男っぽい話でも景色とか時々叙情的な場面があるのです。本当はロマンティックな人なんじゃないかと思ってました。原作者の梶原 一騎氏と後に見解の相違があり、「柔道一直線」 を降りたというのもなんとなくわかるような気がします。
 
 同じく解説によると、石森(当時)章太郎 「二級天使」 は、昭和30年 雑誌 「漫画少年」 (学童社) に連載の作者17歳の時の作品。四コマの投稿マンガののち、発表した始めての長編物にしてデビュー作。連作読みきりで10話ある。一話ごとにテーマやジャンル、手法などを変えて大変実験的な作品です。
 ここでは 
「片目の虎」 ジャングルで片目の虎をカタキとねらう少年の話、

「時間を支配する人間」 古代から今までの時間の流れを見せる石森氏がよく描く、恐竜時代から次第に進化して人間が出てきてという絵巻物、

「雨」 チャップリンのような親父の、心温まる犬の親子との話

 の以上三話が載っています。

 映画の影響が強く、書き込みの多い絵で、ちょっと暗い感じもするのですが、初期手塚作品 「ロストワールド」 風の絵です。しかし、これ17歳の作品ですかー。絵も話も上手すぎてびっくりですよ。

 裏表紙に7名の漫画家および編集者の一言が載っていますが、手塚 治虫先生が 「二級天使」 について 「異常なまでの叙情性への追求は ~ 現在の ジュン にも見出すことができます。」 と褒めているのが印象的。ジュンの初めの頃は今でも語り草になっている 「あれはマンガじゃない」 発言があったと言われていますが。

          お二人とも、栴檀(せんだん)は双葉より芳し ですね。


 最近、古い漫画関係で拙ブログを新規にお訪ねして下さる方が増えて、大変うれしく思っています。作者順、あいうえお順にまとめていなくて見づらいとは思いますが、左のカテゴリのマンガをチェックすると漫画関係だけ出てきますので、60年代の石森作品や水野作品、またはCOMの書影など、写真のみでもごらんになっていってくださいませ。
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ノリノリでした。 「ドリームガールズ」

2007年02月19日 13時40分02秒 | 映画
          すごくよかったですよ、これ!!

 何が良いって、歌が良いですだんなも私も足の指がリズムを刻みっぱなしでした。全部ミュージカル用の新しい歌なんですが、当時の雰囲気ぷんぷん。
 1962年が始まりのお話で、黒人音楽、モータウンサウンド、R&Bとくればだんなの好みばっちりなので、早々に見に行きました。元は1981年初演、トニー賞6部門受賞の傑作ミュージカル作品です。
 スクリーンによみがえっても、ゴールデン・グローブ賞主要3部門受賞、アカデミー賞6部門ノミネートの実力映画です。いろいろ評判が良くても、自分で気に入らなきゃ私も褒めないですが、完成されててすばらしい映画だと思います。
 
 「ソールトレイン」を毎週土曜日の夕方楽しみに見ていただんな達、(3歳年下の私はその後の 巨泉さん の 「ビート・ポップ」 でしたが)、1960年代の東京の高校生はR&Bに夢中だったようです。
 私が埼玉の中学で タイガースならトッポの花の首飾りだけど、エメ伝 (エメラルドの伝説) のテンプ (テンプターズ) よりなんたって大人のモップスよね~なんぞと生意気言ってた頃、だんな達都会の子達はモータウンレコードをジュークボツクスでかけたり、ジャズ喫茶で首振ってダンモ (モダンジャズ) を聞いていたんですねー。

 この映画、当時の音楽業界事情が次々と出てきます。モータ○ンレコードみたいなレインボーレコードとか、この3人組はシュープ○ームスそのものでしょ、とかこれ、ダイア○・ロスよねとか、きゃ~ジャク○ン・ファイブよーとか、あの人のあのエピソード、この人のこの事件、いっぱい出てきます。
 そっくり事実じゃない、でも全部嘘じゃないよね。
 複数の人のエピソードを一人でやってたりしますから、こういう人がいたんだと思われても困るでしょうけど、当時絶対あったはずというエピソードがわかって覗き趣味的にも面白いのです。
 
 映画としても、途中でいろいろあってもグループとしてはテンポよく進む成功譚としての前半、もちろんそれだけじゃすまないツケの回ってくる中盤、すべてわかって大団円の終盤と息もつかせず見せます、魅せます。当時のことを知らない若い人にも音楽業界裏話として面白いと思いますよ~。もちろん50歳台の方で音楽好きは絶対見ておきたい映画でしょう。
 台詞がそのまま歌になってという、私はあまり好きじゃないミュージカル映画の進み方も、この映画は自然に歌う場面になって違和感ないのがとても好感持てました。

 出演者がまたすごいのですがジェイミーフォックス、「ディスティニーズ・チャイルド」としてデビューし、その後ソロに転身したビヨンセ・ノウルズ、幅広い活躍を見せるエディ・マーフィの他にも一流キャストが目白押しですが、なんと言っても新人ジェニファー・ハドソンがすごかった~~。すごい歌唱力で、アメリカの歌手をよく知らない私はすでに有名な人なのかと思ってたくらいです。


 昨年暮れからわたしが見た映画 「武士の一分」 「NANA2」 「硫黄島からの手紙」 「007 カジノロワイヤル」 「墨攻」 (アンディ・ラウ素敵だったけど) の中ではこれが1番でした。あれっ、一昨年の3月にも レイ・チャールスの伝記映画 ジェイミーフォックス主演の 『Ray/レイ』 を褒めてますね。この頃の音楽題材の映画なら何でも好みなのか・・・。いえ、この映画はいいですよ~~ (汗汗)


         映画の情報はこちら   →   ドリームガールズ
               

 映画を見に行った当日 (2月18日日曜日) は第一回東京マラソンの日でした。銀座の地下鉄から上に上がると、沿道で振る旗を配っていて、ちょうど最初の車椅子の先頭選手がシューンと目の前の道路を通っていきました。映画を見終わると銀座方面はすべて通り終えていてもう見られませんでしたけど。帰りの車中にもボランティア帰りの人々がいっぱい乗っていました。雨の中、皆様ご苦労様でした。

                
           
              配っていた旗



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COM 昭和48年(1968年) 9月号付録 「ぐらこん 5」

2007年02月16日 13時08分20秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
   COM 昭和43年(1968)9月号付録の小冊子 同人誌優秀作品集となっています。

 
 先日、左にリンク先のある ちゃととさん のブログ → シネマるマンガぁ?byちゃとと で私にとって衝撃的にためになるHPのBBSを発見させて頂きまして、ただいまきゃ~きゃ~言って読んでるところです。笹生 那実氏という元まんが家の方。 (笹生 なおこ・さそう なみ 名でも 別マ などでご活躍 私はすいません未見です。) 三原 順先生好きには1997年に「三原 順さん追悼本」 の作者として有名かも。現在は同人活動をしていらっしゃいます。
 
 そちらのHP → 笹生那実先生のHP の掲示板はどれもすごい内容がつづられていますが、【No.1370 米澤さんが亡くなりました。合掌。(06/10/02)】 とその後のスレッドの中に、COMぐらこんの話が出ていまして、私も引っ張り出してみました。 (あー写真の説明にこれだけかかった。)


 ぱっと出した付録群の中でチラ見して、最初は同人の話なんだからこれが良いかと出してきたのが No⑤ のこちら。表紙絵はプロの方だと思いますが、表紙見返しに 向後 つぐお氏のイラスト、まだ10代だと思うのに、達者なもんです。向後氏は村岡栄一氏や三橋乙揶(みつはしまこと)氏とともに永島 慎二氏のアシスタントを経て漫画家として独立。主にガロ等で活躍した方ですね。

 掲載順に

1. 武蔵野漫画研究会所属 なかしま あきら氏 「金色のハート」 12P 最後に1968.7月の日付あり
   魔女と死神、猫の話シャープな絵柄ながら今見るとちょっと古い感じ

2. ミュータントプロ所属 しま あきと氏 「白いお馬と青い騎士」 8P 最後に1968.7.28の日付入り
   古い やしろまさこ氏 風の絵柄、兵士と少女のお話。

3. つれづれ草所属 新宅善光氏(しんたく よしみつ) 「逃がしの報酬」 10P
古い石森章太郎風の絵柄、題材も初期SFタイムマシンもの

4. 作画集団所属 置田 進氏 「アングラ男」 4P 
ナンセンスものというか、それは映画でした・・・というオチ。

5. ぐら・こん中部支部所属 小川 茂氏 「人工天使」 8P
もろ、岡田 史子氏風の作画及びイメージ

6. ファンタスト所属 (あっと今お名前わからないや後で直しときます) 「わるもの君ほか四コマまんが」 6P
ちっともワルじゃないわるもの君という高校生?のほのぼの4コマその他の4コマ。くすっとさせる。 

7. 武蔵野漫画研究会所属 ガンケ・オンム氏 「よわむしゴリラ」 11P 1968.7の日付入り
永島 慎二氏風の絵柄。16歳という年の割りに絵もアイデアも達者と巻末の作品評で石森氏に褒められている。私も初めて読んだ時、この中ではダントツと思いました。

 その後で第一回COM同人誌賞が発表されており、といっても同人誌賞は該当なしとなっています。
特別奨励賞に 「ふァん」 武蔵野漫画研究会 東京
        「墨汁三滴」 ミュータントプロ 東京
特別努力賞に 「ぐるーぷ」 ぐら・こん関西支部 (東京とあるが多分ミスプリで大阪か京都でしょう)
         「一番電車」 ぐら・こん中部支部 愛知
         「すーりーる」 法政大学漫画研究会 東京

 となっています。その後のページでこの小冊子に掲載の作品に対する作品評が石森(当時)章太郎氏と峠 あかね氏によってされています。さらにその後のページで、峠 あかね氏が 「まんがごっこ族」 と題してたくさんの同人誌を見て感じたことを述べています。
 「今日は、いくつかの優れた同人と多くの決して優れているとはいいかねる同人誌の混合ダブルスによる空前の同人誌ごっこブームである」 と斬っています。

 内容は、同人といっても力のない人同士が集まりやすいとか、ただ反対意見を述べているだけのまんがゴロとか、先人を平気で呼び捨てにして口論する輩とか、ジプシーのように同人を渡り歩いて数を自慢するものとかが多いと会員の資質を憂えていると思うと、作品についてもたかが3~4ページの作品をまとめることもできないまま以下次号とかつづくにして処理できない会員を批判している。
 また、同人が多すぎる、それは会長になりたがる人がいかに多いかということだ、とも言っています。

 これは当時の自分の思い出ともダブリますねー。まんがのほうでは同人活動はしていませんでしたが、当時流行のフォークソング同好会のようなものを当時の彼氏が首突っ込んでまして、駅前の喫茶店にたむろってはごちゃごちゃしょうもない話をだべっていたり、東京の大学の同好会をまとめようとして船頭多くて船が山の上に登っていたり、ちょっと危ないべ平連 (ベトナムに平和を連合会) の会合に顔出して見たり、二人でいろいろ行ったなー。
 当時の雰囲気は今でも懐かしく思い出します。団塊の世代より5つくらい下だったから、雰囲気を感じていただけですが。それで幸いにも浅間山荘にいなくてすんだわけで・・・ハハハ。

 閑話休題

 最後に峠氏は、 「目標を持ちなさい」 といってます。それは会誌を作るというだけでは不十分とも言っている。ブームだと喜んでいられない状況が、今年の選考感想のすべてだとおっしゃっている。「顔を洗いなさい」 とも。

 昨今の、商業誌と変わらぬ同人誌の隆盛とは雲泥の差と思うか、それともまた違う意味で最初の同人誌とは違ってしまって個人誌となっている現在の同人誌に顔を洗いなさいとおっしゃるだろうか、峠 あかね = 真崎 守氏は39年たった今、どう考えておられるかしら。


                

               ぐらこん ②~⑤  

 
 さて、写真をとった後で 「ぐらこん ①」 がないのに気がついた。ごそごそ探したら⑥~⑧はあったが、肝心の①がないではないかーーーえーっ全部COM関係は残しておいたと思っていたのにーー。実家においてもらっていたときに失くしたのか ????? う~ん一生の不覚である。


 最近、古い漫画関係で拙ブログを新規にお訪ねして下さる方が増えて、大変うれしく思っています。あいうえお順とかにちゃんとまとめてなくて見づらいとは思いますが、左のカテゴリのマンガとCOMをチェックすると漫画関係だけ出てきますので、60年代の石森作品や水野作品、またはCOMの書影など、写真のみでもごらんになっていってくださいませ。
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川原 泉 「笑う大天使 ミカエル」 文庫1~2巻

2007年02月15日 13時33分04秒 | マンガ家名 か行
      川原 泉先生の代表作、去年映画にもなったそうですが、私は未見、実写でしたよね。


                

                 第2巻


 実写だとこのおとぼけ雰囲気が出るんだろうか。制服が違うだの、ストーリーも少し違うだの、例によってマンガの実写版には皆さん厳しいご意見をいろいろなところで目にしました。私は見てないのでなんとも言えない・・・。

 超お嬢様学校に通いながら、猫をかぶって生活しなければならない (ほんとに猫が頭の上に乗っかっていたりする) 3人の女子高校生が主人公。それぞれ事情はあるけれど、3人仲良くなれたことで窮屈だった学校生活が楽しいものに変わってきた。もちろん、それだけじゃなくて事件勃発となるのだが。
 主人公のお兄ちゃまや育ての青年 (親じゃない) や学校の先生など出てくる男性陣も当然美形で大変よろしい。書評で仕入れた情報ですが、本橋慶子さんの描く給仕の男の子が超絶美形でした。

 この方も、今回初めてじっくり読んでみましたが、前回の 吉野 朔美さんとはぜんぜん逆の意味で、おもしろ~かった。ぼけ~と読んでてもそれなりに楽しめる。文章も七・五調でテンポ良く軽快で、でもこれってネーム作るとき大変だろうなぁ。楽しく読めるということは、作るほうはそれだけ大変というこっちゃ。
 
 そして、この方の博学な事といったらこんな可愛らしい絵を描きながら、何を考えていらっしゃるのやらこの人は・・・。
 時々超難しい文章にぶち当たったりして、しばらくじっくり考え込んだりしながら読みました

 「無知の知」 「無知の無知」 「知の無知」 はっ??????

 それぞれ、「知らないが、知らないということを知っている」 「知らないし、それを知らないという事もわかっていない」 「知っているが、知ってて知らんふりしている」 というような事かなー と考えてみるけれど、すいませんはっきりとはわかりません。

2巻の後半は番外編というか、3人の女子高校生がそれぞれ主役を張ってその後のことなど描かれています。これもそれぞれ良かったなー。最後のページの3人の25年後くらいの経歴が面白かった。子供が何人とか誰と結婚したとか書いてあるんだけど、初出 (昭和62年 1987)を考えるとちょうど今現在のことだよなーと思って読んでました。

 他に、この方の短編集なども同時に満点さんからお借りしましたが、やはりこの 「笑う大天使」 が一番面白かったです。あっまだ 「バビロンまで何マイル」 が残ってたっけ。今日帰ったら楽しみに読みましょう。ルンルン (古!)
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二人でお昼寝中。

2007年02月14日 09時51分16秒 | 猫・犬・動物
             あるポカポカと暖かい休日の午後、


 3階の窓辺のソファで一人 (だんな) と一匹お昼寝中。私は犬のお散歩から帰ったところ。ああ羨ましい。猫とお昼寝なんてもう何年もやらせて頂いてませんわ。しかし、写真撮ってても二人して爆睡変わらず。


                


                そこ ! 伸びするな伸び !


 亜美ちゃんの下に敷いてあるのはフリース生地のひざ掛けを亜美のお年玉に買ってあげたもの。その又下に猫用暖房器具が置いてあります。1日中ほとんどこの上にいますね。ほんとにご飯とおトイレの時だけ出て行きます。(笑) 

 PS.本日はバレンタインとかいう日ですが、会社のうちの部では2~3年前より義理なしになってます。やってる部署もあるようですし、うちも3年前くらい前までは男性部員全員に女子3名でお金集めてやってました。デモねー、男性陣もお返しが大変そうだし、メンバーもそう変わらないから、やめました。ああすっきり。
 だんなには、チョコレートケーキでも買って帰ろう。毎年ほとんど自分で食べちゃうけど。
 よく伺うブログさんにおいしそうなお店が → 2月13日付けです。 猫ず
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吉野 朔美 「記憶の技法」

2007年02月13日 14時17分24秒 | マンガ家名 やらわ行
          私が読んだのは、小学館文庫 2006年9月 のもの

 私にとって、新しい作家さんを又読むことが出来ました。流石に満天さんが選んで送ってくれたマンガですわ、表紙絵のかわいらしい少女の絵に騙される所でした。
 
 この方、まんだらけ で表紙絵だけ見てるとちょっと内田 善美氏風の綺麗なカラーイラストで、どんなマンガを描く人か興味有りました。読んで見ると、あーっこの絵はちらちら見たことあるけど、雑誌の立ち読みとかで連載の一部を見たくらいだなぁと思い当たりました。

 表題作 「記憶の技法」  初出 月刊fiowers 2002年6月~10月号 はミステリーというか、心の旅路というか、アイデンティテイー探しというようなことだと思うのですが、怖い。絵柄は全然怖くなくて可愛いのに恐い。最近の少女マンガってこんなにリアルなのか ? 
 
 文化 (マンガ) は世相を映す物だから、今の世の中が恐いのか ??? 

 自分の出生と過去の記憶に疑問を抱いた高校生 華蓮(かれん) は封印された記憶を取り戻す為、同級生の 穂刈 怜(さとい) と福岡へ旅立つ。この怜君が大人っぽくて、世事に長けてて、バーテンのバイトなんかしててこの子の家庭もいろいろありそうだ。
 調べるうちに分かってくる事は過去の事件。覚えてなくてよかったと言えるくらい悲惨な 華蓮 の本当の家族のこと。いや、5歳だった 華蓮 はあまりのことに自分で記憶を封印してしまったのだろうか。

 「お母さん・・・? もう ―思い出してもいいんだ― 」

 ラスト近くはっきりと思い出す事実はひどい思い出だったけれど、全てが分かった事で 華蓮 は納得でき、 怜 の寂しさにも思い当たる余裕が出来て、元の生活に戻っていく事が出来る。前とはちょっと違う生活だけれど。

 この文庫380Pの半分近くを占める中篇。後は短編6本が入っていて、短い物は8Pのものも。 

 2つ目、「霜柱の森」 初出 月刊fiowers 2003年3月号 は、前の 「記憶の技法」 に出てきた 穂刈 怜(さとい) 君の子供の頃のお話。家庭環境や母との関係が明らかに。宗教まがいの料理や縫い物の教室に没頭する母親って結構あちこちにいそうでこれ又、恐~い。

 「アンナ O」  初出 月刊fiowers 2003年4月号 は夢の不条理、

 「女子高校生殺人日記」 初出 月刊fiowers 2003年5月号 は現実の不条理と言うところか ???

 「粉ミルク」 初出 月刊fiowers 2003年6月号 は 怜 の兄 円(まどか) の話しだと思うんだけど、小さな天使が出てきて、可愛い姿で言う事悪魔。精神を病んでいく 円 の心象風景か ???

  「透明人間の失踪」 初出 月刊fiowers 2003年7月号 
 約束した時間に現れない恋人を下宿に訪ねて行った女の子。(最後まで名前が出てこない ! ) 調べていくうちに次々と彼のウソが分かってきて名前だけでも幾つも出てくるわ、お金を渡してそれっきりの女もいるわ、もうめちゃめちゃ。探しつかれて家に戻ると彼がいる。

 「あなた・・・一体誰 ? 」 

 そりゃ言うよね。これも恐いわー。彼女は最後に痛烈なしっぺ返しをするんだけど、やっぱり女の方が恐い生き物かいな。

 「恋愛家族」 初出 「たとえば恋愛コミックはこう読む」 同文書院 2000年刊 表紙を入れて8Pの短編ながら、この人のエッセンスたっぷりで笑って恐かった。6人家族の秘密がこの短いページの中で次々と明らかにされて・・・。あー可笑しい、みんな自分の悩みに一生懸命だよね、家族だろうが人の悩みなんか知ったこっちゃない。

 家族なんて、人生なんて一生悩みを抱えていくこんなものか。

 絵柄に騙されましたー 面白いじゃないのこの人。何度も読み返したくなる作品ばかりでした。満天さんありがとう 
コメント (11)
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