昔マンガのシリーズ今回は、水野 英子 「ファイヤー!」 です。
左が厚紙のカバー、右が本体です。
裏 側
週間セブンティーンに連載時、私はぴったり高校生。リアルタイムで楽しみに読んでました。同級生達にも人気で、学校でも話題になっていた。第一部がセブンティーン1969年の1号から26号、第2部が41号~51号、第3部が1970年の3号~7月号。この年、1970年に第15回小学館漫画賞を受賞した、水野 英子先生の名作にして、代表作であります。ロック及び若者の反抗を描いた、60年代末を象徴する作品です。
こういう、自分にとってリアルタイムの名作って、今40歳代の人には 「ベルばら」 であったり、30歳代の人には 「ホットロード」 であったり、今10代前半の人には 「NANA」 や 「ハチクロ」 であったりするのでしょう。当時の私達も、主人公のアロンと一緒に泣き、笑い、人生を学んでいったのです。
私の持っているものは、㈱朝日ソノラマ刊、1972年12月18日初版の愛蔵本、2,000円也のもの。7月に連載は終わっているし、小学館漫画賞を受賞した事が書いてあるので、記念に出されたものでしょうか。当時としては、愛蔵本としても大変高価なのは、作者のサインがひとつひとつ書かれてあるから。
表紙を開けたところに有ります。
サイン付きだったなんて、今回、たんすの上から引っ張り出して、そういえばそうだったなぁとすっかり忘れてました。当時19歳の私にとって、決して安い本ではなかったと思いますが、地元の駅前のブティックでバイトして、頑張って買ったものでしょう。2,000円あったら、1週間学校へ通って、友達とランチもお茶もできたような。あれっ? はっきりしないな、う~ん老化現象 ? (笑)
あとがきに、水野先生が連載前後の心境をつづっていらっしゃいます。日付は1972年10月。少し引用させていただくと、
ビートルズは私には単純すぎて長年クラシックの複雑な和音に親しんでいた耳には・・・・・・
中略
だが、それに続いて沸き上がってきたアートロックの大きなうねりは初めて私が探し続けていた裸のままの世界を展開してくれたのである。
中略
連載が終了した時、私の中には何も残っていなかった。極言すれば、私もアロンのように発狂するか死ぬかしなければならなかったので・・・・
その後、連載中の作者のプライベートな事件にも少し触れ、作者にとっても大変な作品だった事が伺えます。
現在は秋田書店から2005年3月に発行された「特別企画 ファイヤー!」 1~3巻セット (1,810円) というのが出ていますが、今調べた所、ネット書店セブンαワイでは品切れとなっていますね。いつも行くブック ○フでも、流石に見かけたことはありません。でも、今読み返しても永久不滅の名作です。若い人にも読ませたい。水野作品はもっといろいろ復刊されても良いと思いますよ。 「素敵なコーラ」 とかね。