大物ですね~。ついに記事にしちゃいましたよ。
それには理由が有ります。1巻と2巻は自分で持っていたのですが、適当な3巻 (初版でなくても汚くても可、安くねという条件) がなかったのです。3巻を読みたいと泣いていたら、心優しい くまさん より貸して頂けました。
くまさん → くまのお気楽日記 初めて最後まで読むことが出来ました。ありがとうございます。
1巻 1985年9月10日 初版 写真のものは1988年9月10日 10版
2巻 1985年10月9日 初版 写真のものは1987年10月25日 8版
3巻 1986年10月8日 初版 お借りしているものも初版
3巻は初版なのに私の持っているものより凄く綺麗で、さすが くまさん の蔵書。大切に扱っております。
お借りしているものだから早く記事書かなくちゃとあせるほど、この難解といえる作品は感想が書けなくて・・・。ストーリーは簡単なんですけど、作者の当時考えてる事やら興味のあることやらを登場人物に言わせていて、なかなかお話そのものは進まないのです。 もっともストーリーをバンバン読ませるまんがではないのですが。
ロシアの亡命貴族の末裔らしく、大金持ちの息子であるウラジーミル。旅ばかりして一つ場所に落ち着いた事のあまりない彼が2年ぶりに帰ってきた大都会。そこにはヒューという友人が住んでいた。ヒューはみんなとは違うのだと言うことが、彼の女友達とウラジーミルによって語られる。ウラジーミルはヒューにBLなのかと私など勘違いしそうなほどヒューに関心があるらしい。ヒューは何がみんなと違うのか
ヒューは繰り返しある家の夢を見る。ヴィクトリアンハウスのその家には、チャイナ原産の珍しい金木犀の木が植わっている。ある日いつものようにその家の夢を見ていると 美少女 が現れる。初めは少しだけだったのにだんだんと少女の現れる時間が多くなり、話をするようになる。彼女によるとヒューはこの家に居る幽霊で、彼女の方は月の出ている間ここに遊びに来るのだと言う。
「だってあなたはすぐに消えてしまうのだもの」
1巻はほとんどヒューとウラジーミル、その友人達の取り留めのない会話で埋まっている。夢の解釈や禅問答じみたものもある。2巻ではヒューが夢を見ている時に無呼吸になることから、医学的な話や自然破壊の話やら出てくる。読者は話がこれからどうなるのかイラッとしたりする。(だろう)
3巻でやっとストーリーは動き出す。夢の家を求めて、ヒューとウラジーミルは旅に出るのだ。3巻も中盤になり、やっと見つけたハウスで彼らが出会ったものは・・・。いや無くしたものは・・・。それどころか永遠を見つけたのか・・・ ?
途中でなんとなくわかるように仕組まれた結末だが、最後はため息が止まらない。
それにしても、内田氏の紅毛碧眼 (こうもうへきがん) の美男子達は見ているだけでうっとりですわ~~。ブルーアイのヒューも、商業デザイナーをしていたヒューのアシスタントのロアルドも、17歳のバスケット選手ジョン・ピーターも、ロシア人の顔そのもののウラジーミルもみ~んな素敵。にっぽん女子のコンプレックス出しまくりで眺めてました。他の内田氏の本同様、イラスト集として眺めるだけでも価値ありの愛蔵本です。3巻やっぱりなんとかして揃えなくちゃなぁ。