猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

良いお年を。

2006年12月28日 17時20分33秒 | 雑記
              皆様、良いお年をお迎え下さいませ。


 仕事の月締めで忙しく、ろくなブログ版お年賀状も作成できませんでした・・・。お休み中も皆様の所へはなるべく伺いたいと思っておりますが、自分のブログは多分更新できないのではないかと・・・。(いまから言っといた方が・・・ 汗 ) お休み中は、ネタ探しと下書きに精出す予定でございます。皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
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水野 英子 「白いトロイカ」

2006年12月27日 11時38分21秒 | マンガ家名 ま行
 先ず、水野 英子先生公認のファンサイト内の作品リストを貼り付けておきます。以前コメント欄に貼り付けておいたものですが、先生公認なので、たくさんの作品の表紙絵が見られます。残念ながらこの「白いトロイカ」は表紙絵が有りませんが、その前後の作品の表紙絵を見ると、その頃の絵柄がわかります。 ↓


                  水野英子の部屋


 夜さんにお借りしたのは1975年8月20日初版の花とゆめCOMICS全2巻。初出は1964年の52号(クリスマスの頃ね)から1965年の34号までの 「週間マーガレット」、当時小学生だった私は毎週楽しみに見てました。流石に42年経っていると、途中・途中しか覚えていませんが、覚えているコマは絵柄から情況から全て覚えているのですよ今回再見したコミックスと同じなのです。子供の時の記憶力って凄いのですね。
 
 ロシア革命より何十年も前のお話ながら、革命の萌芽漂うロシアが舞台となっています。数奇な運命を辿る少女ロザリンダと、彼女に思いを寄せる幼馴染のコザックの少年アドリアン、同じくロザリンダに恋する貴族のレオがからんで・・・。

 40年以上前の少女マンガなのに壮大なストーリー、出てくる大人のちゃんと大人の考えをしている事。もちろん主人公のたかが12~13歳の少女のしっかりして、芯の強いこと。今読んでもちゃんと通用します。時代背景もしっかりしていますし、登場人物一人ひとりの心の中まで描かれています。

 これ、違う人が描いたらコミックス10巻以上の長期連載になりますよ。コマのはしょり方とか無理ないし、今見ても当時から水野先生、上手いなあ。ファッションや建物などの背景には省略や想像の域を出ないものなどもありますが、当時の少女まんがとしては水準以上ではないでしょうか。

 小学生の私はドレス真似して描きました。この柔らかいドレープは水野先生ならでは。小学生が真似なんか出来ませんでしたよ。当時の少女はみんな憧れましたとも。

 何年か前に再販されていましたが、私知らなくて買っていませんでした。夜さんのおかげで42年ぶりにラストが分かりました。ありがとうございます
 再販ものが まんだらけ にあるのを見ました。
 
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竹宮 惠子 「私を月まで連れてって」 完全版

2006年12月26日 12時41分38秒 | マンガ家名 た行
          連載当時のカラーまで再現した完全版、全6巻です。

 ㈱白泉社 1冊 980円 2005年8月から出ていましたが、しばらく知りませんでした。中古で1~4巻まで売っていたのでとりあえず買い、5と6巻はセブンαワイで購入。ネットオークションで探すのは、私やったことないのですが、どっちがどっちなんでしょ。2冊くらいなら、送料かけるよりセブンイレブンにて手数料なしで受け渡し出来る新品の方が、今回はいいかなーと。

 「フォアレディ」 連載中は、リアルタイムで毎号楽しみに読んでいました。しかし、今回このコミックスを読んでいて、最初と最後の方は読んでいないなぁと思っていたら、「Vol.1 夢みるマーズポート」は、1977年『SFファンタジア 地上編』に載っていたのですね。そして、「Vol.48 ハリアンさんの日曜日」以後は『プチフラワー』1986年3月号からとなっているのを知りました。その間が 「フォアレディ」 連載らしいです。見たこと無いわけだ。

 巨匠、竹宮 惠子が「Fly me to the moon」 のメロディーに乗せて送るSFラブロマンス!!最初の頃は・・・そうだったのですが・・・????。
様々なSF作品やSF作家が例に出てきて、SF好きにはたまらないでしょう。連載が長くなってくると、内容がSFばかりではなくなってきますが、面白さは変わらず゛、特にハウスキーパーのおヤエさんの存在がーーー読んだ事ある方、わかりますよねー、最高でしょ後半は主役の年の差カップルを完全に食ってます。おませなESP11歳のニナと、A級アストロノウツ(宇宙飛行士)ダン・マイルド26歳のカップルも可愛いんだけどね。

 4巻の後半くらいからおヤエさんにプロポーズ70回以上の大富豪の跡取り息子ハリアン・シェラトン氏がお出ましになります。それからの展開が又おかしいのよ。
 1度読んだものを買うのは、私よっぽどなのですが、これはずっと面白かったと言うのが頭に残っていて、「完全版」 と言う事もあり我慢できずに買ってしまいました。続編のハリアンとおヤエさんの双子の子供たちの物語、「ブライトの憂鬱」 全2巻も買うつもりになってます。
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雑誌 「BRUTUS」 

2006年12月25日 13時52分49秒 | 雑記
 現在発売中の雑誌 「BRUTUS」 2007年1月15日合併号 680円 (雑誌としてはお高いです。)

 表紙 大友 克洋、中に書き下ろしまんが作品が収録されている「大友 克洋BOOK」付いてます !

 よく伺うブログ、

ちゃととさんのブログ → 『BRUTUS特別付録 大友克洋BOOK』ファン必携

 で紹介されてて、慌てて買いに走りました。(笑) 大友ファンには絶対の保存版でしょ!
 BOOKの後ろの方で本人インタビューが有り、今回監督した 「蟲師」 について語っています。ロケ場所探しの苦労とか何を最重要と考えたとか、それによってちょっと話が変わってしまったとか、いろいろ。写真も小さいですが20点以上載っていてそれを見ると期待できそうですよ。

 映画「蟲師」 は、8月にヴェネチア国際映画祭に出品され、熱狂を起こしたそうで、まもなく公開されますっていつからだろう?最近映画館によく行きますけど、予告編始まっていないよ。系列が違うのか?なんにしても、楽しみに待っています

 雑誌としての特集は 「クールジャパン」 と題して海外で最近クール (かっこいい!) といわれている日本ブームについて特集しています。ロシアでは急激に日本のサブカルチャーが入っているそうで、メイドコスプレのロシア娘の写真とか、これも面白かったです。

 もうひとつ小冊子が挟まっているので見てみると、「TOKYO MIDTOWN」 の広告本でした。「TOKYO MIDTOWN」 は、六本木にあった(正確には赤坂6丁目) 防衛庁の跡地利用の再開発地域の事で、三井不動産レジデンシャル㈱が旗振りをしています。会社のそばなので何度か前を通っていますが、今はあっという間に高層ビルが立ち上がっていくのでびっくりしますよ。
 以前は2年も3年もかかっていた高層ビルが見る間に高くなり、上はまだクレーンが乗っているのに下の階では内装工事が始まっている。現場事務所も出来上がった階に入っていくので、当社のように現場事務所をリースしているプレハブ業界は、商売上がったり~だぜ。

 ビルの立ち上がりは早かったけど、基礎とそれ以前は苦労したんじゃないかな。なんたって、元を正せば毛利家跡地なので、埋蔵文化財の調査から始まって、明治以降は陸軍、太平洋戦後は米軍とその宿舎、日本に返還されてからは防衛庁、とずっと軍関係が使用していたので、防空壕などの施設も半端じゃなかったのでは。
 一度小道をはさんだビルの7階から建物だけ壊した更地を見たことありましたが、あちこち掘っくり返していた。そんな状態が1年以上、いやもっとか、続いていたんではないでしょうか。跡地利用がなかなか決まらなかった事も関係していたでしょうが・・・。

 来年3月には完成だそうです。六本木ヒルズにつづく、六本木の新名所となるでしょう。来てみてね!
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ちぃちゃんの告白

2006年12月22日 12時57分00秒 | 猫・犬・動物
 よく伺う猫ブログさんですが、あまりにも可愛いので見てやってくださいよ~。


             ちぃの告白。

 
 ああ、あたいにも、こんな時があった・・・っけ?
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NANA 2

2006年12月22日 10時10分07秒 | 映画
NANA2 - goo 映画

 12月20日の水曜日、レディースディに六本木ヴァージンシネマズにて 「NANA 2」 を見ました。小さ目の3番スクリーンだったので、(六本木ヴァージンシネマズには、7スクリーン有り) 二日前に予約した時は後ろ寄りの真ん中をゲット。ゆっくり5分前に行ったら、最高の場所が私の為にひとつだけ空いてましたわ。おーっほっほっほ。高飛車亜美嬢のルーツはママの私だったか・・・。ほんとに会社の近くに映画館が出来て嬉しいこと。予約も当日鑑賞もらくらくデス。

さて、「NANA」 のⅠは年がいもなく大感激して見てましたが、Ⅱともなると少し冷静になってまして。いえ、良くなかったと言うのではないのです。中島 美嘉は前より演技多少上手くなってました。ハチ役の市川 由衣ちゃん、最初見たときは、え~っオトナっぽくてハチに見えないかも (前作の宮崎あおいちゃん良かったから) と思いましたが、これが、だんだんハチ公に見えてくるから不思議です。背が宮崎 あおいちゃんより小さくて原作に近いし。ナナとのツーショットも可愛い。

 前作の感想はこちら → 映画「NANA」にどっぷり

 そして、前作に引き続きびったしはまっていたのが成宮 寛貴君のノブで、これはナナの中島とともに、このシリーズが終わるまでやって欲しい。でも、中島のナナはこれで最後とか。反対に違う誰かがナナをやって、シリーズは続くの?発表の仕方が微妙~。続ければドル箱シリーズになりそうだし、製作サイドも悩ましいのかも。
 
 お話も、Ⅱは連載のまだ途中で、続けようと思えばまだまだ。ただし、Ⅱは結構お話を整理していると言うか、原作長いのでしょうがないのですが、あっさりさっぱりしすぎて、ハチ公の結婚話がラッキーなシンデレラ物語になっているのが不満です。原作読んでいる人は、もっといっぱい、ごちゃごちゃあって、それでこうなったんだよ~。と思うはず。しょうがないですけど。

 前作よりお金はかけられたよう。新宿駅前でブラストのゲリラライブのシーンとか、英国風なお城の前でトラネスのミュージッククリップ撮りとか、見ているだけで楽しい場面の中で歌うナナやレイラ役、伊藤由奈の歌は素敵でした。中島 美嘉がナナとして最初で最後のCDを出してますが、これ欲しいな。

 前作の時は不覚にも青春に涙したおばさんの私でしたが、今回は隣の女の子が途中からずっと号泣してて、私は泣きそこないましたわ。この映画だけではそんなに泣けないよ、原作も思い出して泣いてんのかなこの子は・・・。なんて、さ~っと冷静になるおばさんは嫌だねぇ。

 明日、土曜日は 「硫黄島からの手紙」 をだんなに付き合って見てきます。ちょっと気が重い。
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佐藤 史生 「ワン・ゼロ」

2006年12月20日 17時06分33秒 | マンガ家名 さ行
 これは、現在売っている小学館文庫の方の表紙。私は夜さんにお借りした1985年発行の方を読みました。

 これはマンガなの? いや、確かにマンガだが。ひとつ部屋で登場人物たちが延々としゃべっている場面が続いたりすると、マンガを見いてるというよりも、小説を読んでいる感じ。しかしイメージ映像のような綺麗なイラストも有るし。話はSF好きならたまらない、コンピューターと、神と魔の話。?こう書くとどう繋がるのという感じですけど。繋がるんだよね。神と魔の戦いというと、萩尾 望都氏の 「百億の昼と千億の夜」 を思い出しますけど、戦いってもなんかぴりぴりしてるのは一部の神様だけでトップ同士は仲良くクラブでお酒飲んでたり、話し合ったりしてるし。変な展開といえば変。
 
 ここまで来ると哲学ですよ。「風の谷のナウシカ」 の原作と並ぶ哲学と思いました。ナウシカは始めの頃はそうでもなくて、巻が進むにしたがって哲学入ってくるんだけど、これはきっちり最初から揺るがない佐藤 史生の哲学問答。

 「0と1の間をどんなにこまかく分割してっても埋めることできないってことをね」

 「1と0の間には何も存在しないんだよ」

 これを哲学と言わずして何を言う? 個人的には、前に読んだ 「夢見る惑星」 のほうが題名どおり夢があって好きです。ハッピーエンドな終わり方だし。
 「ワン・ゼロ」の方は主要な女の子の登場人物が死んじゃうし、ちょっと寂しい終わり方。佐藤氏の作品の中で、これを一番と押す人と、「夢見る~」を一番とする人で分かれそうです。
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木村 拓哉 「武士の一分」

2006年12月19日 14時00分15秒 | 映画
 gooの映画情報はこちら → 武士の一分 - goo 映画

 12月17日(日)、早くも年末の熱気に溢れた銀座の、マリオン内丸の内ピカデリー2にて、「武士の一分」 を見てまいりました。混んでましたよ。先週のうちに私が途中下車してわざわざ座席指定の前売りを買っておいて正解でした。マリオン内の劇場では何日か前に前売りで席を指定できます。しかも夫婦50割引で一人1,000円だし、助かります。朝一の10時40分始まりでしたが、劇場に着いた時には窓口は長蛇の列、しかもマイク片手のお兄さんが 「初回の席は売り切れました」 と叫んでいるし。ゆったり見たかったら、事前に工作しないとダメですね~。東京は人が多い。

 あらすじはあちこちで言っているので省くとして、思ったより主演のキムタクが・・・・心がすさんでいる時の凄みがお~っ、これはキムタクっ?て感じで良かったです。

 妻役の壇 れいさんて、うちの叔母がTVで見て綺麗だ綺麗だってお気に入りで確かに綺麗な方です。うちの叔母は女でも男でも顔のことばかりあげつらうのが好きなのですが、この人は気に入ったようで。この映画に出演する為に宝塚をおやめになったとか・・・。宝塚にいたとは知りませんでした。これからTV、映画にどんどん出てくるのでしょうか。この映画では、楚々とした日本女性ですが、これからどんな活躍をするか注目です。

 敵役の坂東 三津五郎は、笑顔がいつものように優しくて、凄みがちょっとないけど流石に所作は綺麗ですね~。そのうち時代劇は歌舞伎役者さんしか出来なくなるのでは。この役も敵役ではあるけれど、最後に武士の意地を見せるのですよ。

 うちのだんなは剣道やってたのですが、キムタクの素振りはまあまあだったようで、いつもは文句つけしいなのに言わなかったですね。キムタクは子供の頃剣道習っていたとか、この映画では通常より重い木刀を使用してリアルさを出したとか、言われていますが、剣道7段のうちの親父が見たらどう言うだろうか、なんて意地悪く考えてました。邦画は1年くらいたったらTVでやるからぜひ親父に見せようっと。
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少年のための 「マンガ家入門」 石森 章太郎(当時)

2006年12月18日 11時41分33秒 | マンガ家名 あ行
          出た当時、喜んで買いました。

     秋田書店 刊 1965年8月15日初版 これは1967年10月30日 刊の18版   

 しかし、マンガ家に到底なれないと分かり始めた (つまりオトナになった) 頃、処分してしまいました。何でここにあるかというと、先月 かの まんだらけ へ行った折、見つけてしまったのですね~。箱の程度が悪いので、当時の定価より100円高いくらいだったので、たまらなくなり購入。ほんとに、自分で処分しておいて買いなおすなんて、マンガファンの風上にも置けませんね。(泣)
 人にはいるものなんてほんの少しですよ、とか言っといて・・・。

 内容は、道具や道具の使い方、話の考え方など当時はこんなもの有りませんでしたから、大変参考になったのですが、今回読んでみると 第一部入門編の第2章、「マンガ家への道」 という自己紹介の部分が興味深いです。
 投稿時代や、まんが家になった後、つまり 「トキワ荘」 の前後の事が書いてあるのです。

 
 投稿者の間では既に有名だった16歳の夏、手塚先生から 「テツダイタノム」 と電報が来て上京した話とか、福井 英一氏(イガグリくんの作者) が亡くなった時、親友の手塚氏からヨレヨレのハガキをもらって、仕事に殺されたようなものだと書いてあったとか、デビュー作の 「二級天使」 のこととか、当時の様子が分かります。
 高校を卒業し、世間知らずにも大学とまんが家を両立しようと (後でやはりだめだと思い知らされます) 不安を抱いて東京へ出てきて、西新宿の二畳半の部屋へ下宿したとあります。ところが唯一の頼りの 「漫画少年」 が廃刊となり、早くも後悔し始めた頃に届いた母と姉の手紙とお金の有り難さ。
 再びお金が底を付き始めた頃、「少女クラブ」 の編集者丸山 昭氏から救いの手が伸びて、「少女クラブ」 に新しい実験的な作品を発表し始めた事。丸山氏は少女まんがに何か新鮮な、当時は少女まんがにはタブーだったミステリーものとかを描いて欲しいということだった、と回想しています。

 正式に原稿依頼を受けた足で、石森氏は赤塚氏の下宿に直行しています。自慢したいのもあったが、一緒に喜んでもらいたかったと書いています。「トキワ荘物語⑧ 赤塚不二夫」 の巻 「トキワ荘物語 ⑧ 赤塚 不二夫」

 のように、二人はデビュー当時から固い友情で結ばれていたのですね。

 それから 石森 章太郎 選集 第2巻 「青い月の夜」 で紹介したような少女マンガらしからぬマンガが描かれていくわけですが、後に石森氏は、当時の作品は自分の能力が足りずに失敗したと言ってます。そしてそれを挽回すべく、 「龍神沼」 のような作品を描いたと・・・。

 「少女クラブ」 に 「幽霊少女」 の連載が始まるとまもなく、西落合の二畳半を出て、トキワ荘へと移ります。それからの話は 「トキワ荘物語 ①~⑪」 に詳しいですね。

 トキワ荘後の話として、寺田ヒロオに「君は10年間たいした苦労もなくマンガを描き続けられるだろう。しかしその後は才能だけでは描けなくなる。苦しい勉強をしなければならなくなる。」と言われ、まさにそのとおりでした。と書いています。
 新しいマンガを描きたいという思いのままに実験的な作品を描きはじめては途中で次の作品を描きたくなって放り出したり、絵柄を毎号変えてみたり、それでも伸び盛りのマンガ業界からは依頼が来て次々に発表していた頃。考えれば、商業雑誌で実験をするなんてもってのほかでした。ボクはあまりにも早くマンガ家になり過ぎたのです。そうこうしているうちに10年目が目の前に迫り、逃げ出す為に世界一周旅行に出た石森氏。しかし帰って来たとたんにスランプに陥り、脱出するのに1年半もかかったと、そして、ときおり立ち止まって周囲を見回す事だ、と書かれています。それからこの本の出された当時(1965年)の忙しい情況などを紹介して、

 ひとりのマンガ家の才能には、限度がある。気をつけよう。

 と終わっています。本当はこれからいよいよ忙しくなっていく石森氏ですが、当時の石森氏の考えていたこともわかって面白いですね。
 
 
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佐藤 史生 「夢見る惑星」

2006年12月15日 10時20分53秒 | マンガ家名 さ行
 まだ夢見心地で、「夢見る惑星」 1巻~4巻 読了。  再販されているものの表紙等はこちら               ↓


              セブンアンドワイ 「夢見る惑星」


 一応再販されて、今も文庫の新しいものが買えますね。どうしようか検討します。今 「ワン・ゼロ」 も読んでいるので、いっしょ買いか



 佐藤 史生氏の物語世界で表面に出ているものは氷山の一角のようです。そしてその下の氷山は揺るぎ無い大きな塊となって佐藤氏の中にあるようです。登場人物の全てにその人の人生が垣間見えます。現実の人間の人生は、自分が主人公で脇役なんて事は無いですが、まんがに出てくる一人一人にもそれが見えるのが凄い。
 
 主人公イリスの父、モデスコ王の一代記、王と王妃の愛憎劇(レディースコミック風に)、イリスの弟タジオンとその妃になったフェーベのその後の話、フェーベの片思いの歴史、イリスの従者、カラの失われた国の再興の話、舞姫シリンとイリスの後日談、幾らでも外伝の1巻や2巻出来てしまいそうです。読みたい~。

 もうひとつ佐藤氏の凄い所は、宗教が分かっているところ。これを描かれたのが多分20歳代でしょう? まだオウムも話題にないころですもの。こんな物描けるなんて凄いな 
 今読んでいる 「ワン・ゼロ」 も20年前の作品なのにコンピューターから、古代宗教から、情報量がものすごい。色々な本を凄くいっぱい読んでいる人だと感じます。だから寡作なのかいったん資料を分析して、自分の物語を構築して、じっくり作ってからマンガにするのでしょう。でなければこんなに深い話にはならない。

 夜さんにお借りして読みました。

            やはり、もう少し評価が上がって欲しい人です。
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