↑ 中央公論新社 1・2巻1999年7月1日 3巻1999年8月1日 文庫版
COM誌で1968年に「正午の教会へ」 という作品で漫画デビューの作家さんです。しかーし、私の知っている 長谷川 法世さんといったら、 「博多っ子純情」 「がんがらがん」 「走らんか!」 などの男っぽ~いイメージしかないんだけど。それが 源氏~ ?
原作は言わずもがなの古典中の古典ですが、詳しく知りたい方は下記なんてどうでしょう。
与謝野 晶子氏訳の 角川版 「源氏物語」 はこちら (少し読みずらい)→
「源氏物語」
國學院大學の岡野弘彦先生 「源氏物語全講会」 はこちら (詳しく解説してくれます) →
「源氏物語全講会」
宇治市源氏物語ミュージアムHPはこちら (行ってみたいですね~)→
宇治市源氏物語ミュージアム
江戸時代(1650)の貴重な源氏物語の絵をサイトで公開している方 →
楽天ブログ「源氏物語の世界」
アニメ界では今 出崎統 監督の 「源氏物語千年紀」 がいろいろと話題を呼んでますね。
映画では最近の2002年 「千年の恋 ひかる源氏物語」 吉永小百合(紫式部)、天海祐希(光源氏)、 常盤貴子等出演 を見ましたけど、これは大作で綺麗だったけれど、個人的にはちょっと・・・でした。
TVドラマでは、
『源氏物語』(1965年、毎日放送) で昔々白黒の 伊丹 十三源氏 を見た覚えがありますが、今思い出しても幻想的で傑作と思います。真木柱(まきばしら) の姫の巻と雪の中を 伊丹源氏 がゆっくりと歩いて行く場面を特に覚えています。
1980年にTBSテレビ系で3時間スペシャルドラマとしてやった「源氏物語 沢田研二」では、DVDの説明によると
藤壺 & 桐壺 八千草薫
渡辺美佐子 六条御息所
葵上 正妻 十朱幸代
朧月夜 倍賞美津子
夕顔 いしだあゆみ
末摘花 風吹ジュン
女三宮 藤真利子
紫上 叶和貴子
小侍従 岸本加世子
という女優陣配役の豪華さ。DVDは最近出たようですね。これもリアルで見ていたけれど良かったな~。
TBSの 橋田壽賀子スペシャル 源氏物語 上の巻・下の巻 (1991年12月、1992年1月)では、 光源氏・夕霧役を 東山 紀之くん がやっていました。今年のお正月に再放送があって見てましたよ。これも女優陣が良かったな~。ウィキペディアによる配役は下記の通り ↓
紫式部:三田佳子
光源氏:東山紀之(上の巻)→片岡孝夫(現・片岡仁左衛門 (15代目))(下の巻)
夕霧:東山紀之
藤壺女御:大原麗子
若紫→紫の上:尾羽智加子→大原麗子
葵の上:竹下景子
惟光:香川照之
頭中将:橋爪淳(上の巻)→竹脇無我(下の巻)
左大臣:北村和夫
左大臣の妻:若尾文子
桐壺帝:丹波哲郎
朱雀帝:三田村邦彦
弘徽殿女御:水谷良重(現・水谷八重子 (2代目))
玉命婦:波野久里子(現・波乃久里子)
六条御息所:長山藍子
六条御息所の姫:吉村涼
夕顔:沢口靖子
右近:音無美紀子
末摘花:泉ピン子
北山の尼君:森光子
朧月夜:岸本加世子
右大臣:加藤武
明石入道:藤岡琢也
明石の尼君:香川京子
明石の上:古手川祐子
明石のちい姫→明石の女御:安間千紘→八木小織
冷泉帝:市川染五郎 (7代目)
秋好中宮(梅壺女御):小高恵美
柏木:坂上忍
女三の宮:若村麻由美
雲居の雁:片岡京子
玉鬘:藤田朋子
衛門:岡本信人
蛍兵部卿の宮:榎本壮一(現・榎本たつお)
髭黒の右大将:ガッツ石松
少女:飯塚雅弓(上の巻)
女房かえで:山岡久乃
女房もみじ:東てる美
女房なづな:中田喜子
老女房おとど:赤木春恵
マンガになるとまたまた数が多くて、でも私の年代だとやっぱり
大和 和紀氏 「あさきゆめみし」 よね~~。あとは新しいところから行くと
きら氏 「GENJI源氏物語」 (これ未読なんですが、どなたか読んだ方います ?)
江川 達也 「源氏物語」 (マンガ喫茶で途中まで。全文漏らさずマンガ化しているのでかえって読みずらいかも)
牧 美也子 「源氏物語」 (未読)
清水 好子, みはし まり 「マンガ 源氏物語 」 (平安美女が池上遼一風、頭の中将その他が、高橋留美子風っていうコメントが。。。気になる ! )
寺館 和子 「妖変源氏物語」 (これも未読)
魔夜 峰央 「パタリロ源氏物語! 」 なんてのまであるよ !
岸田 恋 「マンガ源氏物語」
佐々木 みすず 「千年の恋―ひかる源氏物語」 (映画 千年の恋 のマンガ版)
赤塚 不二夫 「源氏物語」 (赤塚不二夫氏の古典入門)
井出 智香恵 「源氏物語美しの花乱 紫式部 」 (まー、懐かしいお名前)
にしお てつや 「マンガ源氏物語」 (知らない作家さんです。)
いっぱいありますね~ふぅ~。
しかし、この長谷川版は上のどれとも違うと思うんですよね。説明書きによると、
吹抜屋台、逆遠近などの伝統描法を大胆に取り入れて描いた平成版源氏物語絵巻
そのまま絵巻物を見ているような上空から俯瞰した大ゴマがあるかと思えば普通に今のマンガのコマもあります。顔は現代的にしておらず、画面を引いて人物を小さく描くときはまったくの引き目カギ鼻です。顔を大きく描くときにやっと、目もとで、あっやっぱりこの絵は 長谷川 法世さん なんだ~とわかるくらい絵巻物風に描いています。
御自分のラインを消して描くってとても大変なことだと思うのですが、全3巻見事にその画風で描き切っていて、意欲的な大作と言っていいと思います。
源氏物語そのものが、たとえば うちのだんな のように興味のない人には全然興味がないもので、この長丁場の3巻をそういう人が面白く読めるかといえば疑問に思うのですが、それは現代語訳の 「源氏」 でも同じことで、反対に興味のある方がこれを見るとビジュアルで表現されている分、狂喜乱舞するかも。
何といっても頭の中で想像するしかなかった小物類や、屋敷の光景が細かいところまできっちりと調べ上げられて、屋根を抜いた絵巻物の描き方で俯瞰した目線で見られるのです。こういくら説明しても見てもらうのが一番良く分かるので →
こんな感じ。
ところで、とーーーーっても気になる個所が 「空蝉」 のラストにあって、源氏さんったら年の頃 十そこそこの少年 と一緒に寝ていて、しかも
「そなたは私を見捨てないでおくれ」
なんて頭をかきいだいて囁いているでないの ! 源氏の君 少年愛疑惑
この 小舎人童(こどねりわらわ 貴人の雑用をする子供) は 小君 と言って、空蝉 の弟なんですが、空蝉と源氏の間の文の御用をしているのです。空蝉がなかなか色よい返事をくれないので源氏が嘆いているのですが、それにしても二人とも掛けものの下は裸らしいし、なにしてんの ?
他にも、兵部卿の宮といって、藤壺の女御 (源氏の父親の寵愛を受けているのに源氏の子を産む人) のお兄さんと出会った時には、お互いを
「それにしてもこのなよやかさ、女にしてお相手したいものだ」
「見事なご様子 女にして逢いたいものよ」
なんてお互い思っているし…。
そう思ってみると 源氏 ってそっちのツボもいっぱいあるかも。(笑)
せっかく格調高く 「源氏物語」 を語っていたのに、最後はやっぱり 腐道 に迷い込んでしまうのは、私の不徳の致すところか…。お目よごし、失礼いたしました。 m(_ _)m