猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

堺屋太一 「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」

2020年10月13日 16時44分56秒 | 本の感想
         ↑ 文春文庫 上巻1993年4月10日 第一刷

ここのところ昔に買った、司馬遼太郎氏の歴史小説を様々読んでいました。
以前それに関連して 堺屋太一氏 の文庫も買っていて一緒に出て来たので再読しました。
読み比べというわけではないですが、やっぱり司馬氏とは着眼点・対象への見方が違うというか、面白かったです。

元々自分は歴史上の人物の中で 徳川家康の次男で有るのに出生時から不幸な「結城秀康」のその後とか、織田信長の直系の孫「三法師君」の清須会議後とかが気になる性分でして。
華やかな歴史上の人物に隠れていても、なーんか気になる人がいるんですよね。
その中の一人 豊臣秀長 もあまり小説の題材などにはならなくても充分波乱万丈な人生です。

豊臣秀長というのは豊臣秀吉の弟で、異父とも同父ともいわれていますが母親「なか」は同じで、堺屋氏は同父ではないかという意見を取っています。
司馬氏も「豊臣家の人々」という作品集の中でこの人の一編を書いています。
幼い頃は小竹(こちく)と呼ばれ、秀吉に小一郎と名をもらって家来になり、20年後には従五位下羽柴美濃守となった 小一郎秀長の人生。
私には短い小品だけではなくもっと知りたいと思わされるものでした。
で、たぶんこの文庫を買ったと思うんです。
二編とも多少の経歴、小一郎が秀吉に呼ばれて家来になった時期とかは違っていますが、古文書に乗っている事実はほぼ同じ資料を見ていると思われ、それがこの人についての資料がいかに少ないかを物語っているようです。
稀代の軍師 竹中半兵衛 に「影になりなされ」と言われたように、一生を兄秀吉の補佐役として、決して兄より脚光を浴びることなく過ごしたこの人の人生は何だったのだろう。

堺屋太一氏もこの点に興味を持ったらしく又、通産省官僚という経歴を持った堺屋氏ならではの視点が随所に見られる変わった小説となっています。
司馬氏の長編小説にはちょくちょく全くの創作と思われる人物とかエピソードが入って、本当に小説らしいなと思うのです。
司馬氏の創作は女性に関することが多く、それは当時の女性の消息が余り表に出ないから作りやすい事とか、自分の読者に多いであろうサラリーマンへのサービスかなとか私は思うんです。
この 堺屋秀長 にはそう言った創作はあまり入っていません。
それは女性には読みやすいかも。

調整家、民政家としての 秀長 の才能については両者とも褒め上げていて、それは当時からの評判からしてそうなんでしょう。
自分では自慢など一切言わなかったこの人ですが、少ない記録からでもおのずと分かるようです。
堺屋編秀長ではそこら辺をじっくり掘り下げて書いているので、秀長という人の性格がとても詳しく分かるようになっています。
又、現代のサラリーマンにも参考になる、というような比較考証もあって単なる 歴史小説 とはちょっと違うところが 堺屋氏 らしいです。
30年以上前の著作ですが、今の我々にも充分参考になる経済小説としても読めそうです。
コメント (2)
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司馬遼太郎 関ケ原 (文庫版 上中下巻)

2020年06月26日 17時37分34秒 | 本の感想
       ↑ 新潮文庫 発行は昭和49年6月ですが、これは39刷や38刷35刷です。

このコロナ期に、少し本棚の整理をしました。
ほっとくとどんどん増えますからね~。
前にはまっていた BL本 の中で好きな作家さんでも特に好きな作品以外は処分したり。
これ以上は無理か、とひと段落したときに聖域を発見してしまいました。
漫画じゃなくて、 司馬遼太郎氏の歴史小説の文庫の列。

            ↓ 奥のも2/3くらいそうです。



日本人の日本史観を決定したとまで言われる 司馬遼太郎氏 の歴史小説の数々。
私も20代から30代にかけて電車通勤の中でも読むほど通読しました。
何度かは読み返したと思いますが、とにかく40年ほど前の本ですから、見てみたら中まで黄ばんでいて うわぁ読む気が起きん という感じ。(笑)
又読みたくなったら今は電子版とかあるだろうし、パラパラ見て、処分しようと思いました。

最近チビチビ読んでいた 

「ビジュアル日本の歴史」 (今は読書三昧 を参照)

がちょうど関ケ原の所だったので、最初はこれ、と読み始めたら、パラパラどころか、はまりました。(´-ω-`)

東西両軍の兵力実に10数万人。
日本歴史上最大の天下分け目の 関ケ原 を前後数年に渡って、事実であるいろいろなエピソードをちりばめながら、小説としての面白さもあり、やっぱりパラパラではすみませんわ。

本棚には、戦国時代の物だけでも

「新史太閤記」 全2巻 → 豊臣秀吉
「城塞」 全3巻 → 大阪冬の陣・夏の陣
「戦雲の夢」 1巻 → 大坂の陣時の長曾我部盛親
「豊臣家の人々」 1巻→ 豊臣秀次・小早川秀秋・宇喜多秀家・北ノ政所(ねね)・豊臣秀長・その他の人々
「覇王の家」 1巻 → 徳川家康
「功名が辻」 全4巻 → 山内一豊
「夏草の賦」 全2巻 → 長曾我部元親
「馬上少年過ぐ」 1巻のうち部分 → 伊達政宗
「故郷忘じがたく候」 1巻部分 → 朝鮮の役の時日本に拉致された朝鮮の民の話・細川ガラシャ・その他
「おれは権現」 1巻 → 福島正則・可児才蔵・豊臣秀家の家臣 花房助兵衛・他

幕末については、
「世に棲む日日」全4巻 → 吉田松陰・高杉晋作
「最後の将軍」 1巻 → 徳川慶喜
「幕末」 1巻 → 幕末12の事件について
「十一番目の志士」 2巻 → 長州藩出身 天堂晋助
「人斬り以蔵」 1巻 → 幕末 人斬り と呼ばれた 岡田以蔵・古田織部その他歴史に埋もれた人々の肖像
「酔って候」 1巻 → 幕末の賢候たち 山内容堂・島津久光・鍋島閑叟等
「大阪侍」 1巻 → 幕末大阪の武士と町人の気風・その他

その他
「箱根の坂」 全3巻 → 北条早雲
「項羽と劉邦」 全2巻 → 紀元前3世紀末 中国秦の始皇帝の死後、楚の項羽を破った劉邦が漢帝国を樹立するまでのお話
司馬氏ならではの歴史紀行文、エッセイ、考察文など5冊あり。

昔読んだ「坂の上の雲」「竜馬がゆく」は有りませんね~。
あーーしかし、又 これ全部 読むことになるのか("^ω^)・・・な ?

この中で特に私のお薦めといえば、「新史太閤記」 全2巻 と「覇王の家」 1巻かな。
秀吉と家康という二大英傑のお話は知っていても何回読んでも、面白いです。
太閤記 というと、普通卑賎の身から日本の覇者に成りあがった、庶民の夢のような煌びやかで楽しい物語・・・というのが一般的ですが。
特に江戸時代の すごろく などでは。
司馬氏の 「新史太閤記」 暗いんですよ。
どう暗いかというと。
ナリアガル にはそれ相当の苦労と辛酸と頭脳と権謀術数と。
特に初めの頃は読んでてちっとも楽しくない。
でも現実はこういうものなんだろう、というのも分かる。
司馬氏が 新史 と付けたのも分かる気がします。

「覇王の家」の家康も又我々が一般的に考える 秀吉存命のうちは律義者で通し、死後は手のひらを返したように豊臣家を潰しにかかった狸親父、というイメージももちろん有るけれど、それだけじゃない。
人間臭さが垣間見えていいですよ。
まだまだおうち時間が続く中、歴史好きな方はどれか一冊如何でしょうか。
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黒岩重吾 「天の川の太陽」 大海人皇子 壬申の乱

2017年08月09日 10時53分28秒 | 本の感想
     ↑ 中公文庫 上下巻 1982年9月10日初版 写真は上巻1993年の14版、下巻1992年9が20日11版。

以前に読んでた同じく

     黒岩重吾 「紅蓮の女王」 小説 推古女帝

推古女帝がこ即位したのが593年頃の事ですから、80年位 後の話 になるかな。
又、同じくその前に読んでた、

     黒岩重吾 「落日の王子」 蘇我入鹿

が蘇我入鹿30歳頃の話として640年頃、壬申の年が672年だから30年程前の話となる。
計算合っているかな ?

前後の話も載っているので、これらを読むと約100年の 黒岩古代史 が網羅できる。
今又「子麻呂が奔る」という同作者の 推古15年(607年)の頃の話を読んでいるのでもっと詳しくわかるかもしれない。
でも「子麻呂が奔る」は創作が多いミステリーのようなので、古代史ものとは違う感じ。
厩戸の王子出てきますよ~。

さて、歴史上名高い日本史上最大の兄弟げんか(叔父甥けんか?) 壬申の乱 はいかにして起きたか。
権力のある所、常に争い有り。
某国営放送の大河物語のように、民の為に今戦ってその後の平和を末永く???なんて欺瞞に満ちた考え方はしてないの。
流石現代物から作家活動を始め、現代人のエゴイズムにメスを入れてきた 黒岩重吾氏 ならではの古代史小説となっています。
それは「紅蓮の女王」の熱い恋愛ものとも、「落日の王子」の滅びる一族の悲哀とも違って荒々しいこれからの勢いがあるというか。

この本、分厚い上下巻なのでとっても読むのに時間が掛かっていたのですが、他にもこの時代の三韓(1世紀から5世紀にかけての朝鮮半島南部に存在した種族とその地域)と統一新羅についても詳しく語っていて読むのに手間取ってました。"(-""-)"
でも、日本のこの時代には中国と三韓がとっても絡んでくるんですよ。
強国が攻め込んでくるんではないかとの不安から右往左往する日本国の上層部。
それによって政治も変わらざるを得なくなる。
他国の干渉に振り回される、今の日本に似ていなくもない。

壬申の乱に勝ち、さあこれからというところで小説は終わります。
飛鳥浄御原令の制定、藤原京の造営を始め、『日本書紀』と『古事記』の編纂、などは天武天皇が始め、死後に完成した事業なのでそこいら辺の事情など、詳しく優しく小説で読みたくなりました。




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黒岩重吾 「紅蓮の女王」 小説 推古女帝

2017年03月19日 19時12分36秒 | 本の感想
     ↑ 中公文庫 1995年8月18日発行

初出は1978年6月 光文社刊 こちらは文庫版です。
推古女帝と言えば、我々マンガ読みにはお馴染み 「日出処の天子」にも出てくる 額田部の皇女(ぬかたべのひめみこ)、 炊屋姫(かしきやひめ)の事です。
この小説、「日出処の天子」と時代が少し重なっていて、ちらっと10代前半の厩戸の皇子も出てきたりしますが、ストーリーには絡まないし名前が出る程度。
でも周りには「処天」で覚えた名前がいっぱい出てきて妄想が膨らむ~ ! 

蘇我馬子 → 度胸の据わった忍耐力の強い、生まれながらの権謀術数に長けた大政治家の器

物部守屋 → 排仏派の軍事氏族の長

用明天皇 → 厩戸の皇子の父親 大王位に多少の執着有

穴穂部皇子 →単純で粗野な皇子。額田部の皇女に懸想しているのは同じ ?

名前だけでも聖徳太子妃である、額田部の皇女の長女 菟道貝蛸の皇女(うじのかいだこのひめみこ)同じく長男の竹田の皇子などいっぱい見知った名前が出てきます。
残念ながら 先日読んだ黒岩氏の「落日の王子」 蘇我入鹿 では重要な役だった 入鹿の父 蘇我蝦夷(毛人)は出てきません。"(-""-)"
そうそう、マンガでは子供の トリ として出てくる仏師 鞍首止利仏師(くらのおびととり)の名も出てきます。

でも、最も重要なのは 額田部の皇女 の警護をしている 三輪君逆(みわのきみさかう)(処天ではさかし)です。
「処天」にもこれと同じ 訳語田の大君(おさだのおおきみ)と皇后の額田部の皇女の忠臣として出てきますが、最初の方に少しだし役柄としては狸親父的なちょっとねという感じ。
ここではなんと 額田部の皇女 の恋人役です (*´▽`*)
忠実な武人であった 三輪君逆(みわのきみさかう) が 額田部の皇女 を守っているうちに互いに…。的な ?

それにしてもここいら辺の古代史の小説を読んでいると、いかに 日出処の天子 が歴史を読み込んでそれに 山岸 凉子氏 が持論を組み込み、物語を構成しているか分かります。
やっぱり 日出処の天子 は名作だわ。
という結論で。(笑)
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黒岩重吾 「落日の王子」 蘇我入鹿

2017年03月08日 12時00分31秒 | 本の感想
↑ 上下巻 文春文庫 上巻第一刷は1985年4月25日

この前読んだ中村真理子氏の漫画

 「天智と天武」 -新説・日本書紀- 原案監修 園村昌弘 

で思い出して、久しぶりにこの本を出して再読(3度目くらいか)してみました。
というのは、「天智と天武」で見た目も人柄も良い、良い人全開の 蘇我入鹿 がこちらでは風体は恐ろし気、でも頭も切れる強靭な人物として描かれているからです。
父親の 蘇我蝦夷 も人生経験の分だけ老獪な古代の政治家として描かれています。

「日出処の天子」を夢中で読んだものとしては、あ…あの蝦夷(毛人)が~ とか一度死んで生き返った あの入鹿が~ とかいろいろと自分のイメージが崩れるというか思うところはあるが。
作者の歴史観に応じた創作物ということで、いろいろなパラレルストーリーを堪能できるのが歴史物小説、歴史物マンガの楽しみです。
真実は誰も見てないんだもんね。(´・ω・`)

蘇我入鹿が30歳を過ぎたばかりの舒明12年(西暦640年)から物語は始まり、大化の改新(乙巳の変またはクーデター 645年)で入鹿が暗殺され、その直後に蘇我本宗家が滅びるまでを描いています。
私としては、舒明天皇の皇后、宝皇女(たからのひめみこ)、後の皇極天皇・斉明天皇(日本史上、初めての重祚)の人物表現など、興味深かったです。
少しづつ時代が重なっている、うちにある「日出処の天子」と、この文庫と、次に「天智と天武」を続き読めば、古代歴史の中にエンドレスで遊べそうです。
同じ黒岩重吾氏の歴史小説で、「紅蓮の女王」(推古天皇の話)と「天の川の太陽」(大海人皇子の話)を足せば、欽明天皇15年(554年)から舒明天皇13年(641年)までの90年前後の激動の古代史がまるっとわかってよいと思います。
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山口 晃 「ヘンな日本美術史」

2017年02月07日 09時46分54秒 | 本の感想
     ↑ 平成24年11月10日初版 これは25年9月20日の第8刷 祥伝社

私の大好きなイラストレーター、山口 晃さんの日本美術史滅多切り ?
カルチャースクールで「私見 にっぽんの古い絵」として語られたことを元に内容を追加してまとめられたものだそうです。
中国や西洋から見て、現代人から見て「変わっている」日本美術。なぜこんな風に描いたのか、どうやればこんな風に描けたのか「ふしぎ」な日本美術を山口さんの考えで解説してくださってます。
ちょっと私の頭ではついていけないところもありましたが、目から鱗の箇所もあり、うんうんそうそうと思うところもあり。
参考の図版も載っていて、山口さんの解説図もありで飽きずに読めました。
今度は 山口晃作品集    ↓   を買う予定です。
  
               山口晃作品集
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記憶が道をやってくる レイ・ブラッツドベリ 「何かが道をやってくる」

2015年12月15日 19時25分21秒 | 本の感想
     ↑ ㈱東京創元新社 1970年3月27日発行 10版 大久保康雄 訳 1970年のレシートが挟まってました。

萩尾望都さんの対談集、「コトパのあなた☆マンガのわたし」を読んだら、レイ・ブラッドベリが久しぶりに読みたくなってしまった私。
本棚に2冊ありました。
私が10代の頃から引っ越ししても、本棚整理しても処分せずに残っていた2冊のブラッドベリの文庫が。
そのうちの創元推理文庫から 大久保康雄氏 訳の「何かが道をやってくる」をチョイス。
あんなに好きだった「火星年代記」が何で残ってないんだろうな~。

中を開けると廻りが焼けている年代物です。
本体とカバーの間から何かがハラリと落ちたので拾ってみたら!
1970年の日付のある書店のレシートでした。
えっ、これこの本の?と本の奥付を見ると、1970年3月27日10版の文字があるのでこの本のでしょうね。
はぁ~、45年前ですか。
私17歳ですね。
アレ?
ブラッドベリは確か中学の頃から読んでいたはずだが。
本の後ろに1962年の発表と書いてありました。
そっか、その前発表の他の作品を読んでいたのね。
ちなみに「火星年代記」「刺青の男」は1950年、
「太陽の黄金の林檎」「華氏451度」は1953年、
「十月はたそがれの国」は1955年、
「メランコリイの妙薬」は1959年、
「ウは宇宙船のウ」1962年です。

「何かが道をやってくる」を読み始めてすぐにちょっと後悔しました。
これ、長編だったわ。
私ブラッドベリの短編が特に好きだったんだっけ。
「火星年代記」は短編が集まって一つの大きな物語になっているので好きですが。
廻りくどい表現で比喩と暗喩を繰り返し、年取って短気に拍車がかかっている自分には、「だからなんやねん!」はよ進め!!
と思わせる文章なんですが、こういう表現が好きな時期ってあるんですよね。若い頃には。
でも、少し読んでいたらだんだん引き込まれていきました。

流石に登場人物とか細かい所は忘れてました。
カーニバルがやって来て鏡の迷路に迷い、回転木馬に乗ると回転によって年取ったり、若くなったり…。
そんなところはすぐに思い出しました。
幻想的なSFというか、スリラー的な要素もたっぷりあってハラハラドキドキ。
なんのかんの言ってもやっぱりブラッドベリはエンターティメントあふれる誰にでも読みやすい人気作家だな、と思わせる本でした。






         今度は短編集の「ウは宇宙船のウ」、厚表紙の「メランコリイの妙薬」「たんぽぽのお酒」を読んでみようと思うトミー。





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「仮面ライダー青春譜 もう一つの昭和マンガ史」 すがやみつる 

2015年10月28日 10時08分18秒 | 本の感想
        ↑ ポット出版 2011年8月18日第一版第一刷 定価1,900円+税

Eブッ○オフ(ウェブ上のブッ○オフ)にブックマークしてしばらくほっとき、送料無料になる金額に合わせる為他のマンガと一緒に購入。
手に入れてからもしばらく 積読 になっていたこの本。
読み始めたら私にとって面白く、勉強になる本でした。
お値段見ても分かるように、結構厚い本なんですよ。
夜中の3時まで読んで、あっという間に読了しました。(眠れなかったのもあるけど)
もともと1960~1970年代のマンガをちょこちょこブログに書いていた私の参考に、と資料のつもりで買ったものでしたが読み物としても大変面白かったです。

作者の すがやみつる さん。
もちろん、お名前と代表作の 「ゲームセンターあらし」 の題名くらいは知ってました。
が、「ゲームセンタ~」の載っていたコロコロコミックもろくに読んだことないし、すがやさんがどういう経歴の持ち主であるとか、ましてや現在は ? なんて全然知りませんでした。
もともと作者さんの絵柄は私の好きな画風と言うわけではなかったし、20歳を過ぎてからは少年誌青年誌などは自分で買うことも無くマンガから少し遠ざかっていた頃にご活躍されていた方なのであまりよく知りませんでした。

内容は…。
作者の少し可愛そうになるほどの生い立ちから、中卒で社会に出ることも考えた中学時代、マンガ家を志し始めた高校生時代、上京してアシスタントを皮切りにマンガや出版関係その他の仕事をし、やっとマンガで食べていけるようになり、と章の順番は違いますがご自分の人生を淡々と語る、と言うもの。
作者の自叙伝ではあるのだけど、そのまま帯にもあるように
1960~70年代マンガそのものが熱い青春期だったあの頃
の時代を切り取ってます。

この方、記憶力が半端ないです。
本の中でも、それは父親譲りの才能だ、と言ってます。(お父様の性格は なん ですが)
何十年も前に読んだ本に出ていた一行もうろ覚えですが、なんて書いてる。
懐かしいマンガの題名・マンガ作家の名前、雑誌の名前、当時流行っていたSF作家の名前、当時の中高生の趣味嗜好、流行っていた流行歌、世相、事件事故、現在70~50代の人にはたまらないです。
もちろん本にするに当たって調べたりしたんでしょうが、元知識が無くちゃ調べようがないですもんね~。
私より3つ上の作者の言葉によって、少し上の年齢の知っていた日常とか、はたまた私がマンガから遠ざかっていた20代頃のマンガ出版業界の事情とか、詳しく知ることができました。

(注) としての写真も多いです。書影やマンガの一コマなど懐かしく参考になります。
編集プロのお仕事もしていて、他のマンガ家さんの自伝には載っていないマンガ編集者としての珍しいお話がいっぱい聞けました。
一時デザイン事務所でレコード業界紙の紙面を切り張りして作っていた私にはそっち方面の話も懐かしかったです。
写植とか。
もうあの機械はあまり残っていないだろうな。でかかったからな~。

記憶力もそうですが、頭も切れるこんな方だったんだと、改めて凄い方なんだと認識しました。
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キネ旬ムック 「マンガ夜話 vol.2」

2014年01月20日 13時19分55秒 | 本の感想


↑ 「マンガ夜話 vol.2」12月26日号 (たぶん1996年だと思うけど)


「BSマンガ夜話」は、NHK BSにて、1996年の8月より2009年まで不定期に放送された生番組です。
あいにく当時うちのテレビではBSを見られなかったので、リアルでは見ていませんでした。
後で少し借りて見たりしていたんですが。
その番組をまとめたムック本があると知り、Eブッ○オフで入荷待ちをして手に入れました。
結構待ちましたよ。
既に18年くらい前のムックですものね~。
この「マンガ夜話 vol.2」の特集は

萩尾 望都 「ポーの一族」
大島 弓子 「秋日子かく語りき」
岡崎 京子 「pink」

の三作品です。
勿論これを入手したのは 萩尾 望都 「ポーの一族」 が載ってるからです。
放送は1996年8月21日出演者は、いしかわじゅん・岡田斗司夫・斎藤光、ゲスト高見恭子・伊藤かずえ・夢枕獏、アシスタント松野美由紀というメンバーでした。(敬称略)

「ポーの~」目当てで手に入れたのですが、他の2作品の章もなかなかに面白かったです。
18年以上前の収録ですから、今読むと我々クラスのマンガオタクでは新味はあまり無かったりします。
テレビ番組の収録をそのまま再現したので話し言葉ですから、読むのにちょっとめんどくさかったりします。

ですが、やっぱり熱い ! 
当時はここまでマンガに熱い人々って、一般人では居なかったよな~。
と言うか、表には現さなかったです。
かく言う私もマンガはずっと好きだったけれど、当時は会社や友人の中で今でもマンガ大好きでよく読むとは、特にカミングアウトしていなかったし…。
ネットで公(?)に言ったら、同世代でも同じような方が居るのがわかって嬉しかったし、コメントなどで交流できて仲間が増えて楽しかった。
リアルで会って、お友達になれた方もいるし。(喜)

それはさておき、

「視聴者からのFAXコーナー」とか、「イシカワ式」といういしかわじゅん氏の1ページの思い出話とか、夏目氏がマンガを科学的に解説する(?)「夏目の目コーナー」とか、もう盛りだくさんですね。
各作者のこれまでの単行本リストも有ります。
それと、各作者の最後に 「○○(作者名入る)を読み解くための○(数字入る)のキーワード」というのが詳しかった !
これ、ヤマダ トモコさんと言うマンガ研究者と後数人の方、この本の編集部などが書いてるようです。
ホントにこの作者さんのこと好きなんだなっとしみじみ分かるほどの詳しい情報がびっしり書かれていて、いや~、これあっちこっちの資料読まないでもこれだけで十分作者さんのこと分かるわ。
ありがとうございます。

「マンガ夜話 vol.1」は特集が松本大洋氏「花男」、vol.3は「寄生獣」ですから、少女マンガ好きはこの vol.2 を持ってると資料としても面白いと思います。




岡崎京子氏は「ヘルタースケルター」しか読んだことなかったので、もっと読みたいと思ったトミー。




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立木義浩写真帖 「イヴたち」

2013年10月05日 12時10分27秒 | 本の感想



       ↑ なんか、ヌード写真をトップにするのって恥ずかしい。






       ↑ 裏表紙



前の記事でちょっと紹介したこの写真(帖)
立木義浩さん撮影のヌード写真集です。
確か深夜のテレビ番組の企画でやったものを写真集にしたもの。
私この企画が見たくて、他はちょっとエッチなこの番組を、我慢して見ていた記憶が有ります。

奥付を見ると昭和45年1970年3月10日に1刷。
発行所はサンケイ新聞社出版局
印刷は凸版印刷。
定価は780円です。
43年前では高めだと思う。
中は白黒だけど、良い紙と良い印刷、ビニールカバーまでついています。
ネットサイトでは、 4,725円(税込)や4,800円(税込)くらいで売られてました。
中野のまん○らけでも飾られていたのを見たこと有ります。
まだ人気あるんですね。

今見てもみなさん綺麗だもん。
モデルの方達は総勢24人。

1 スーザン矢口     モデル
2 森秋子        新劇女優
3 青木エミ       ファッション・モデル
4 瀬間千恵       歌手
5 渥美マリ       女優
6 アンジェラ浅丘    踊り子
7 石井くに子      女優
8 ジュディ・スチュアートモデル
9 沢たまき       歌手
10 ホキ徳田       主婦…とか (本人アンケートより)
11 沖山秀子       女優 
12 麻生れい子      モデル
13 柴田リカ       歌手
14 ハニー・レイヌ    テレビタレント
15 三方節子       女優
16 立花マリ       モデル
17 杉葉子・櫻弘子    モデル・タレントモデル
18 山口火奈子      女優と女給 
19 ピーター       歌手と何でも屋ね(本人アンケートより)
20 浜田エミ・永田裕康  無職・役者
21 賀川雪絵       女優
22 立川ユリ       モデル


ハニー・レイヌさんとか、立川ユリさんとか、青木エミさんとか当代の女性トップモデルや女優さんが多いのですが、ヘンリー・ミラーの8人目の妻として知られるジャズ歌手のホキ徳田さんとか、男性(中性?)のピーターが堂々一人で写ってたりします。
沢たまきお姉さまも雪の女王のように色っぽいですよ !

テレビ画面を使ったり、インテリアや小物に凝ったり、剥製にからませたり、鏡の国に迷い込んだり、男女で物語風にしたり、毎回工夫を凝らして楽しいです。

巻末にモデルさんたちへの簡単なアンケート及び答えが載っているんだけど、同じ質問に 立木先生 も答えているのが面白い。

「ヌード写真のモデルは何度目ですか ?」
「ないね、横尾ちゃんじゃあるまいし」 (笑)
体重は60キロだって。(ちなみにピーターは当時45キロだそうで 驚)

最近、奥様雑誌で息子さんと出ていたのを読んだばっかりだったので、時間の流れをつくづく感じました。




           これは残しておこうかな~と悩むトミー。





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