最近改版された RoboCupJunior General Rules を備忘録として書いておきます。 (日本語翻訳はGoogle先生が頑張ってくれました。)
RoboCupJunior 2025 General Rules
These rules apply to the international RoboCupJunior competition. However, regional, super-regional, and local tournaments may have variations or adaptations to these rules to suit their specific competition needs. It is important to check with the organizers of the tournaments you are participating in to confirm which exact rules will be in use.
これらのルールは、ロボカップジュニア世界大会に適用されます。ただし、国や地域の競技会、スーパーリージョナル競技会、および地域の競技会では、特定の競技ニーズに合わせてこれらのルールが変更または適応される場合があります。参加する競技会の主催者に問い合わせて、どのような正確なルールが使用されるかを確認することが重要です。
If teams are unsure about any aspects of the General Rules or specific League Rules, they are encouraged to inquire via the official RoboCupJunior Forum for clarification: https://junior.forum.robocup.org/
チームが General Rules または特定のリーグ ルールについて不明な点がある場合は、ロボカップジュニア フォーラム経由で問い合わせることをお勧めします: https://junior.forum.robocup.org/
まずは前文です。 基本的には General Rules は世界大会用だから、各国での大会や地域の競技会の時には、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズしてね・・・ということですね。
RoboCupJunior 2025 General Rules
These rules apply to the international RoboCupJunior competition. However, regional, super-regional, and local tournaments may have variations or adaptations to these rules to suit their specific competition needs. It is important to check with the organizers of the tournaments you are participating in to confirm which exact rules will be in use.
これらのルールは、ロボカップジュニア世界大会に適用されます。ただし、国や地域の競技会、スーパーリージョナル競技会、および地域の競技会では、特定の競技ニーズに合わせてこれらのルールが変更または適応される場合があります。参加する競技会の主催者に問い合わせて、どのような正確なルールが使用されるかを確認することが重要です。
If teams are unsure about any aspects of the General Rules or specific League Rules, they are encouraged to inquire via the official RoboCupJunior Forum for clarification: https://junior.forum.robocup.org/
チームが General Rules または特定のリーグ ルールについて不明な点がある場合は、ロボカップジュニア フォーラム経由で問い合わせることをお勧めします: https://junior.forum.robocup.org/
まずは前文です。 基本的には General Rules は世界大会用だから、各国での大会や地域の競技会の時には、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズしてね・・・ということですね。
ただ・・・カスタマイズできるところとできないところがありますよね。 その基準が示されていないので・・・これの、存在価値があるのか、よくわかりません。
1. Team Size
1. チーム人数
1.1. Minimum Team Size: Teams must consist of at least 2 members.
1.1.最小チーム人数: チームは少なくとも 2 人のメンバーで構成されている必要があります。
1.2. Maximum Team Size:
・Soccer and Rescue Leagues: 4 members.
・OnStage League: 5 members.
1.2.最大チーム人数:
・サッカーリーグ、レスキューリーグ:4名
・OnStageリーグ:5名
1.3. Shared Members and Robots: No team member(s) or robot(s) may be shared between teams.
1.3.共有メンバーとロボット: チーム メンバーまたはロボットをチーム間で共有することはできません。
チームの人数については、これまでと同じです。
2. Team Members
2. チームメンバー
2.1. Age Requirements for RoboCupJunior International Tournaments:
・Minimum age: 14 years old.
・Maximum age: 19 years old.
・Age is counted as of July 1st for the international event each year.
2.1.ロボカップジュニア世界大会の年齢要件:
・最小年齢:14歳
・最大年齢:19歳
・世界大会の年齢は毎年7月1日時点の年齢で判断します。
2.2. Entry Leagues: RoboCupJunior Entry leagues and other “Primary” divisions (where minimum age may vary) are not run at the international competition but feature in many regions and SuperRegional tournaments.
2.2.エントリーリーグ: ロボカップジュニアエントリーリーグおよびその他の「プライマリー」部門 (最低年齢は異なる場合があります)は世界大会では実施されませんが、多くの国や地域の競技会やスーパーリージョナル競技会 で開催されます。
2.3. Technical Roles: Every team member must have a defined technical role (mechanical/design, electrical/sensing, software, etc.) and should be able to explain their role during technical judging.
2.3.技術的役割: すべてのチームメンバーは、定義された技術的役割 (機械/設計、電気/センシング、ソフトウェアなど)を担っている必要があり、インタビューの中で自分の役割を説明できなければなりません。
チームメンバーについても、基本的には同じですが・・・2.2の部分が追加されました。Soccer と OnStage には Entry競技のルールが設定されています。(なぜか Rescueには無い!) ルールとしては Entryルールはあるのですが、世界大会では実施しません。ということで、各国の大会やRCAPなどでやってね・・・というものです。 (これらの Entryルールは・・・なんとなく余計なお世話のような気がします。 さらに、日本にも独自の Entry ルールがあります。 名前が同じ Entry ルールなので、訳が分からなくなります。 笑)
あと、最後の 2.3 が重要です。 メンバーは、それぞれ技術的な役割を持っていなければならない。(これ、隠れ一人チームの排除のために書かれたルールなのですが・・・) ドキュメントを作るだけじゃ「技術的役割じゃないからダメ」、とか言われていました。 RoboCup のチームは目的を達成するためのプロジェクトだから、目的に向かって作業するための役割のなかには、ドキュメント整備とか、テスト環境作成とか、ロボットのハードやソフトに直接関わらないような役割もあると思うのですが・・・ルールの中で例示されているのは、ロボットのハード/ソフトに直接かかわる役割が想定されているようです。
3. Robot Communication
3. 無線通信
3.1. Permitted Communication: Communication between robots during gameplay is allowed as long as it uses the 2.4GHz spectrum and its power output does not exceed 100 mW EIRP under any circumstances.
3.1.許可された無線通信: 競技中のロボット間の通信は、2.4GHz 周波数帯を使用し、いかなる状況でも出力が 100 mW EIRP を超えない限り許可されます。
3.2. Responsibility: Teams are responsible for managing their robot communication. Spectrum availability is not guaranteed.
3.2.責任: チームはロボットのコミュニケーションを管理する責任があります。周波数帯の可用性は保証されません。
3.3. Component Communication: Communication between components of the same robot is permitted under the general guidelines.
3.3.コンポーネント通信: 同じロボットのコンポーネント間の通信は、一般的なガイドラインに基づいて許可されています。
3.4. League Adaptability: Each league may modify the robot communication rules to ensure they meet their specific requirements.
3.4.リーグの適応性: 各リーグは、ロボットの通信ルールを変更して、特定の要件を確実に満たすことができます。
この3章の無線通信が、今回の変更の目玉だと思います。
3. 無線通信
3.1. Permitted Communication: Communication between robots during gameplay is allowed as long as it uses the 2.4GHz spectrum and its power output does not exceed 100 mW EIRP under any circumstances.
3.1.許可された無線通信: 競技中のロボット間の通信は、2.4GHz 周波数帯を使用し、いかなる状況でも出力が 100 mW EIRP を超えない限り許可されます。
3.2. Responsibility: Teams are responsible for managing their robot communication. Spectrum availability is not guaranteed.
3.2.責任: チームはロボットのコミュニケーションを管理する責任があります。周波数帯の可用性は保証されません。
3.3. Component Communication: Communication between components of the same robot is permitted under the general guidelines.
3.3.コンポーネント通信: 同じロボットのコンポーネント間の通信は、一般的なガイドラインに基づいて許可されています。
3.4. League Adaptability: Each league may modify the robot communication rules to ensure they meet their specific requirements.
3.4.リーグの適応性: 各リーグは、ロボットの通信ルールを変更して、特定の要件を確実に満たすことができます。
この3章の無線通信が、今回の変更の目玉だと思います。
これまで、RoboCupJunior では ZigbeeとBT class1 と BT class 2 のみが使用可能だったのですが、今回の変更で 2.4GHzの周波数帯を使用できることになりました。(私は、電波の種類などに詳しく無いのですが周波数帯の制限はあるものの Wi-Fi も使用できることになったのだと思います。) これって、ちゃんとメジャーリーグと交渉して、周波数の利用許可をもらったんだよね!?
3.1. で使用できる周波数帯と出力(100mW EIRP)以下が設定されました。
100mW というのは小電力無線機器の出力ですね。(これ、競技会では出力を計測するようなことはしないと思うので、某国などは大出力での通信とかしそうだなぁ・・・)
3.2. では、競技会場で「必ずしも無線通信が使えるかどうはわからない」と断っています。 そういうリスクも考えて電波を使用してね・・・ということです。
3.3. が、レスキューのルールで追加されていた「1つのロボット内の電波通信」についてです。 これは General guideline に従って利用してね・・・と書かれているのですが、「General guideline」というのが何を示すのかが良く分かりません。(RoboCup 用語には無いですよね) 想像だと、競技ルール(例えば Rescue Line Rules)のことだと思うのですが・・・
3.4. は、各リーグは、ロボットの通信ルールを変更(カストマイズ)をして良い・・・と書かれているのですが、これを許したら、General Rules の意味ないです。 Rescue Line の2024ルールのように「General Rules の無線通信の項は無視する」とか書いちゃうのでしょうか?
4. Safety and Power Requirements
4. 安全性と電力の要件
4.1. Electrical Power:
・Robots must not use mains electricity.
・Maximum allowed voltage: 48V DC or 25V AC RMS.
・Voltage must be easily measured during inspections, and measuring points must be covered for safety or designed with safety considerations in place.
4.1.電力:
・ロボットには商用電源を使用できません。
・最大許容電圧:DC48VまたはAC25V RMS(実効値)
・検査時に電圧が容易に測定できること、測定箇所が安全に覆われているか、安全性を考慮した設計であること。
4.2. Battery Safety:
・Lithium batteries must be stored in safety bags, and charging must be supervised by team members in competition areas.
・Teams must follow safety protocols, including battery fire handling and evacuation procedures.
4.2.バッテリーの安全性:
・リチウム電池はセーフティバックに保管し、競技エリアではチームメンバーの監督下で充電してください。
・チームはバッテリー火災の処理や避難手順などの安全手順に従わなければなりません。
4.3. Robot Safety Design:
・Power Management: Secure batteries, safe wiring, and emergency stop functionality.
・Mechanical Safety: No sharp edges, pinch points, or other hazards. Actuators must be appropriate for the robot’s size and function.
・Hazardous Behavior: Teams must report potentially dangerous robot behaviors at least two weeks before the event.
4.3.ロボットの安全設計:
・電力管理:バッテリーの安全確保、安全な配線、緊急停止機能
・機械的安全:鋭利なエッジ、挟み込みポイント、その他の危険がないこと。アクチュエーターはロボットのサイズと機能に適している必要があります。
・危険な動作:チームは、競技会の少なくとも2週間前に潜在的に危険なロボットの動作を報告しなければなりません。
4章は、General Rules としては、新たに追加された項目ですが、これまでも普通にルールに書かれていた内容と思います。
4. Safety and Power Requirements
4. 安全性と電力の要件
4.1. Electrical Power:
・Robots must not use mains electricity.
・Maximum allowed voltage: 48V DC or 25V AC RMS.
・Voltage must be easily measured during inspections, and measuring points must be covered for safety or designed with safety considerations in place.
4.1.電力:
・ロボットには商用電源を使用できません。
・最大許容電圧:DC48VまたはAC25V RMS(実効値)
・検査時に電圧が容易に測定できること、測定箇所が安全に覆われているか、安全性を考慮した設計であること。
4.2. Battery Safety:
・Lithium batteries must be stored in safety bags, and charging must be supervised by team members in competition areas.
・Teams must follow safety protocols, including battery fire handling and evacuation procedures.
4.2.バッテリーの安全性:
・リチウム電池はセーフティバックに保管し、競技エリアではチームメンバーの監督下で充電してください。
・チームはバッテリー火災の処理や避難手順などの安全手順に従わなければなりません。
4.3. Robot Safety Design:
・Power Management: Secure batteries, safe wiring, and emergency stop functionality.
・Mechanical Safety: No sharp edges, pinch points, or other hazards. Actuators must be appropriate for the robot’s size and function.
・Hazardous Behavior: Teams must report potentially dangerous robot behaviors at least two weeks before the event.
4.3.ロボットの安全設計:
・電力管理:バッテリーの安全確保、安全な配線、緊急停止機能
・機械的安全:鋭利なエッジ、挟み込みポイント、その他の危険がないこと。アクチュエーターはロボットのサイズと機能に適している必要があります。
・危険な動作:チームは、競技会の少なくとも2週間前に潜在的に危険なロボットの動作を報告しなければなりません。
4章は、General Rules としては、新たに追加された項目ですが、これまでも普通にルールに書かれていた内容と思います。
4.1.に最大電圧が書かれていますが・・・(詳しくないのですが)バッテリーの最大電圧や、昇圧したとして、その最大電圧の制限だと思います。 あんまりレスキューには関係なさそうですが、4.1.項の後半に、「電圧を簡単に計測できるような構造になっていること」に従って、レスキューのロボットも バッテリー電圧を(簡単に)計れるようにしないといけないのかなぁ。
4.2.にリチウムイオンバッテリーの取り扱いについてですが・・・まあ、これは常識でしょう。
4.3.の安全設計も常識なのですが・・・3つ目の項目の「危険な動作は2週間前に報告しなさい」と書かれていますが、報告すればいいの? 危険な動作をしないように問題を解消してから競技会に参加しなさい・・・じゃないの?
(訳が合っているか分からないけど)「潜在的な危険な動作」ということは、これまでは発生しなかったけど、今後発生する「かもしれないこと」だとすると、なにをどう報告するのか、良く分かりませんねぇ。
つづく
2024/11/16 追補
正式な回答では無いのですが・・・General guideline とは何? というのを Cimmittee の一人に質問したら 3.1 , 3.2 のことじゃない・・・という回答を頂きました。